壊れた歯車
〜設定〜
ザックはシャーリーに恋心は持っておらず、仲のいい異性のエルフという認識
ザックは元戦士だが、人を憎いとは思っておらず、むしろ仲良くなりたいと思っている
「...ふざけるなっ!!!!」
気がついたら俺は、妹を殺したエルフを力いっぱい殴っていた、男のエルフと言っても、まだ幼いため殴られた衝撃で大きく後ろへ吹き飛んだ
「ザック!!!!.....どうして....ご主人様......」
ザックと言うエルフは気を失った用で、血を流しながらぐったりとしていた
「ザック!!!ザックお願い!目を覚まして!」
シャーリーはザックの方へ駆けつけた
「...おいシャーリー、早く家へ入れ」
「.....なぜですか.....ご主人様!ご主人様はこんな事をする人では無かったはずです!なのに!なのになんで!!!」
妹を殺した奴を構うのか、とは言えず、俺はただ怒鳴り散らした
「黙れ!!!早くしろ!!!!!」
初めてこんなに大きな声を出したので、シャーリーも一瞬びくっとしたが....
「ご主人様なんて...ご主人様なんて!」
シャーリーが俺に向けた目は、まるで俺に裏切られたかのように、酷いものだった
「大嫌いです!!!!!!!!!!!!!」
...そう言われた時
『お兄ちゃんなんてだいきらい!』
妹と重なって、俺は放心状態でしばらく何も返せなかった
「ご主人様は酷い人です!やっぱり人間なんて!人間なんて!!!全員死んでしまえばいいんだ!!!」
死んで...いいだと?
シャーリーの声で意識が戻り、シャーリーの顔を見る、その時シャーリーは、言ってしまった、と言う顔をしていたが、もう遅かった
「黙れ!!!お前はもう俺の家族でも奴隷でも何でもない!!!さっさと出ていけ!俺だってお前が大嫌いだ!2度と顔を見せるな!」
俺は今まで出したことのない程の大声で叫んだのだった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
閉まった扉を眺めながら...私はただただ涙を流していた
「ご...主人様」
なんで私は感情のままに叫んでしまったのだろう
「ご主人...様ぁぁ」
私がご主人様の事を嫌い?そんなことはありえない
「ご主人様ぁぁぁぁ!!!」
大好きで、大好きで、大好きで大好きで大好きで大好きで仕方がないご主人様に大嫌いだと言われた時、私は何も考えられなかった
「ごめんなさい!ごめんなさい!ご主人様!!!扉を開けて下さい!!!ご主人様ぁぁぁ!」
どんどんと力いっぱい扉を叩くが、ご主人様は出てこなかった
その時、気を失っていたザックが目を覚ました
「シャー....リー....どうした....の?」
「ご主人様に!!!私!ご主人様に酷いことを言って!!!ご主人様が!私を大嫌いって....もう家族でも奴隷でもないって!!!」
「...僕のせいだ...僕が付いてきたから、君のご主人様は....」
その時の私は正気では無かった
「...そうよ!あなたがいなかったら!私は!私は!!!!もう嫌い...どこかへ行って!!!」
「ごめんね....ごめんね....シャーリー...」
ザックはそう言って私の前から消えていった
「ご主人様!ご主人様!ご主人様!あのエルフは居なくなりました!なので許してください!ご主人様ぁぁぁ!!!」
いくら叫んでも、いくら扉を叩いても、ご主人様が出てくる事は無かった
続く