歓迎会
午後3時に、綾乃先輩がお茶を淹れてくれた。
僕は仕事の手を止めてティータイム。
一緒に配ってくれたお菓子を食べながら、綾乃先輩と世間話。
この時間帯は、総合職の社員はほぼ全員出払ってる。
束の間の、まったりとした時間。
今日は水曜日。
毎週水曜日は早帰り日だそうだ。
まだ。実質入社3日目の僕には、その感覚が分からないが、今日は何だか、みんな活き活きとしてるような気がする。
定時の5時で業務終了、だけど今日は課内で僕の歓迎会だ。
休憩室で時間を潰してから、お店に向かう。
開始時間になったけど、席に着いたのは綾乃先輩と僕の二人だけ。
早帰り日と言っても、実際にはなかなかそうは行かないらしい。総合職って大変なんだなぁ。
30分ほど待ってようやく全員集合。
ふう、待ちくたびれた。これで、やっとビールが飲める。
「「カンパーイ」」
予想していたとおり、今日は僕への質問責めだ。
たっちゃん、いや、星野主任と高校時代に、先輩後輩の関係だったことは、既に全員が知っている。
当然、質問はそこに集中するわけで、当時どんな関係だったのか、執拗に聞かれまくる。
僕は誤魔化すために、飲みまくった。
もっとも、高校時代の僕が彼女のことが好きだったことは、白状させられてしまったけど。
「うーん」
見慣れない部屋で、僕は目を覚ます。
二次会に行ったことまでは覚えてる。
うんっ?
「あっ、起きたの?」
彼女がコーヒーを僕に手渡しながら、そう言った。
えっ!僕、やっちゃったのか?




