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エピローグ

「ルシェ!」


 夜の食堂。ルシェがリコルとベルロイと三人で夕食を食べていると、仕事を終えたばかりのイオルが勢い良く割り込んできた。


「出かけるわよ!」


「出かけるって……今からですか?」


 ルシェは明らかに迷惑そうな顔をした。


「そう! 近くのお菓子屋さんで夜限定のケーキが売られてるらしいの! 早くしないと売り切れちゃう!」


「俺はまだ食事中なんですけど……」


「ほら、行くわよ!」


「イオルさん、人の話を聞いてくださいよ……」


 ぐいぐいとルシェの腕を掴んで立たせようとするイオルに向けてぼやく。


「災難ね、ルシェ。こんな恋人を作るから」


「ちょっと、リコル! 聞こえてるんだけど?」


「あ、ごめんごめん」


 イオルが睨むと、リコルは笑って手を振る。


「いってらっしゃい」


「残りは俺が食べておくよ」


「すみません」


 ルシェは仕方なく立ち上がる。


「イオルも変わんないね~。恋人っていう雰囲気がないっていうか」


「リ~コ~ル~? あんたの分のケーキ買ってきてあげないわよ」


「すみません、イオル様!」


 リコルはイオルを拝む。


「ケーキお願いします!」


「わかってるわよ」


「流石イオル! 優しい~!」


「わかってるならいいのよ。じゃあね」


「いってきます」


 二人はそうして夜の街へ出ていった。寮を出ると、ルシェがイオルの手を握る。


「まったく、リコルは失礼なんだから」


 イオルはぷんぷんと怒り顔で文句を言う。


「俺はちゃんとわかってますよ」


「そうでしょう? ちゃんと初めからリコルの分も買ってくるつもりだったし!」


「そうじゃなくて」


 ルシェはイオルに向けて優しく微笑む。


「イオルさんが俺のこと好きで大切にしてくれてるってこと」


「なっ……!?」


 余裕の発言に、イオルは顔を赤くする。


「突然何言ってんのよ!」


「ふふふ、今日誘ってくれたのだって、二人になりたかったからでしょう?」


「そ、そんな……」


「口実にケーキを使った」


「そんなこと、ないもん」


 イオルはむくれるが、その声に勢いはない。


「素直に甘えてくれればいいのに」


「……うるさいわよ」


「ははは」


 ルシェは楽しそうに笑う。


「でも、夜に出かける時にちゃんと俺を誘ってくれたのは褒めてあげます。一緒にいられないと守れないから」


「うーっ、年下の癖にーっ!」


 すっかりルシェのペースに持っていかれて不満そう。だけど、そんなイオルもどこか楽しそうに見える。


「夕食まだでしょう? ケーキ買ったらどこか付き合いますよ」


「……いいの?」


「はい、俺も食事途中でしたし」


「それは……ごめん」


 素直になったイオルはルシェに謝る。ルシェは目を細めて、


「いいよ、イオル」


 と、微笑んだ。


 手を繋いで歩く二人の影は今までよりもずっと近く、寄り添っている。それはきっと、これからもずっと。




ルシェルートにお付き合いいただき、ありがとうございました!

これにてルシェルートは完結です。


来週からベルロイルートのスタートです。

両方読んでくださる予定の方は、頭を切り替えてお待ちくださいね。

引き続きよろしくお願います!

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