コンビニと転送少女
「まずは俺の周りで起っていることが何なのかを考えることが大切だな」
夜には銀髪のツインテロリがドラゴンとともに転送式かなんかで現れた。でもその前にポテチが浮かんでいたのはすずの仕業だから、なにかしらつながりがあるんじゃないだろうか。
でも俺はいまいちその転送式と魔法の違いがわからないでいた。
俺はコンビニでコーラを多めに買い、なじみの店員から
「さて、今回は何日引きこもるのだか」と言われた。
この店員、俺の幼馴染でもある。名前は市川早苗、高校の時までは仲は良かったけれども、その先までの発展はなかった、彼女には夢があったからだ。
彼女の夢は声優になることが夢だった。
最近まで専門学校に通っていたのだが、そのままずるずるとコンビニでアルバイト生活をしていた。
「お前こそ、この前のオーディションとやらはどうなったんだよ」
「だめだったよ、ルックスはわるくないとおもうんだけどね」
「自分で言うなよ、それにしてはお前といい店長といい俺に対してひどくないか」
「ずっと引きこもってる君に言われたくないけどね、でも心配なところではあるんだよ、あのまま親父さんのようにずっと引きこもっていたら、君にはお嫁さんなんてできないのではないかとね」
「余計なお世話だ、お前の将来が心配だよ」
「いつかは夢をかなえるさ、でももし夢が叶わないときは、君のお嫁さんにでもなろうかな」
「でもってお前な、そういう冗談はやめとけ、周りが聞いたら勘違いするだろ」
「ごめんごめん、じゃあ引きこもらないように気を付けるんだよ、顔を合わせないのも寂しいからね」
「わかってるって」
早苗からおつりをもらい、コンビニをあとにした。
そして、コンビニの駐車場で俺はあるものを目撃してしまうのだった。
ぐうううううううっとお腹の音が鳴ったのだ。
「え?」
「ったすけて…っは!あなたは夜の変態!!」
「っちょ変態いうな!」
銀髪ツインテのロリがお腹を空かせて倒れていたのだった。
「転送式を使いすぎて、体力とお腹がすいて…」
今にもよわよわしているその体は今にもまた倒れそうな感じだった。
「お前名前は?」
「私?こはるです」
「じゃあ、こはるちゃん、俺んちで飯でもどうだ?なんか似たような子がいるんであんたのお仲間じゃないかと思うんだけど、どうかな?」
「いく!いきます!」
俺はこはるちゃんを背負い家を目指すことになった。でも最大の事を忘れていた。
「うちに食べ物なにもないじゃん」
またコンビニだと早苗からいろいろ言われそうだったので、近所のスーパーにいくことにした。
「さて、なににするかな」
さすがにすずと同じようにカップラーメンにするわけにもいかない、だけれどもお腹を空かせたこはるを待たせるわけにはいかない、だから俺は簡単に作れるものと、いろいろ食材を買ってスーパーを出た。
「待たせたな、じゃあいくか」
「はい!変態さん」
「おまっ!変態さんはやめろ」
「だって、名前聞いてないよ?」
「そうだったな、俺の名前は宮川礼司っていうんだ、よろしくな」
「よろしく変態!」とグーのサインをみせた。
「変態じゃないっての」
「ならロリコンさん?」
「それもちがう」
どのみちこの子にとってはロリコンな変態さんなのだろう。
周囲にあらぬ誤解がないことを祈るばかりだ。事案発生なんて思いのほかだ全く。
俺はこはると歩いていると見覚えのある子が立っていた。
「コーラはまだなのですか!」
魔法少女のすずさんがそこにはいた。
「ってあれ?こはるちゃんじゃないですか」
「おー、すずちゃん!お久しぶり~」
「久しぶりじゃないですよ、なんでこの世界にいるの?」
「あなたがワームホールで逃げ出すから追ってきたんじゃないですか、あなたの転送軸は登録済みなのでしたけれど、位置がずれてしまい一緒についてきたドラゴンまで出てきてしまって大変だったんですから」
「あ~、あれやっぱりこはるだったんだ~」
どうやら昨夜の事件、すずはこはるだとは確信していなかったようで、すずはこはると会い、言葉が敬語からために変わってきた。
「ていうか、家で待ってろよ」
「ああ、そうだった。コーラがなかなかこないから探しに来たんだよ」
探しにって、まあ買ったのはいいけど、こはるが倒れていてからスーパー行ってたからちょっと時間がたっていた。
「私が、空腹で倒れていたので、おそく、、、」
こはるがばたっと倒れた
「ちょっ!こはる!」
「こはるちゃん!」
ぐうううううううとお腹が鳴った。
「とりあえずさっさと帰ろうぜ」
「なんか安心した気がする」
すずもこの世界で唯一知り合いに出会ったので安堵した顔に見えた。気のせいかもしれないけど。
「俺もつくづくお人よしだよな」
「なんか言った?」
「別に何でもない」
「今、この光景完全に誰かに言われたらアウトだね」
「まじでやめてくれ」
ロリコンで逮捕とかマジで勘弁だ。だから俺はあえてコンビニの道では帰らなかった。
早苗にはあらぬ誤解はされたくないのからな、あとでいろいろ言われるのは好きではないからな。