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婚約破棄の最中に

「エリーゼ・ブラッドリー、カタリナに行った数々の非道な仕打ち、もう我慢できん!お前とは婚約破棄す・・・」



俺、ハインツ・メレディスはこの国メレディス王国の第二王子だ。今は俺の婚約者で侯爵令嬢のエリーゼ・ブラッドリー嬢に対して婚約破棄を行っているところである。しかしその最中、この世界のものではない前世の記憶を突然思い出した。

前世の自分は、日本に住んでいた、漫画やWEB小説が好きなそこら辺にいそうなちょとオタクな学生であった。死因は、最後の記憶がコンビニの帰りに横断歩道を渡ってるところで途切れてるからおそらく交通事故にでもあったのだろう。


「あの・・・ハインツ殿下、どうしましたか?」


そんなことを考えていると件の令嬢、エリーゼが怪訝な顔で話しかけてきた。

前世を思い出した俺からするとエリーゼの容姿はドストライクである。そもそもエリーゼは、幼少期の頃の俺の初恋の相手だった。


「ねぇ、ハインツ様、早くあの女との婚約を破棄して遊びに行こうよ!」


次に話しかけてきたのは、カタリナ・ロックハート子爵令嬢、前世の記憶を思い出す前まで俺がうつつを抜かしていた女である。

というか何故、俺はこの女が好きだったのだろうか?

今俺たちが通っている学園は、王侯貴族平民と区別なく平等の学問をというのを掲げているが目上のものに対する礼儀や態度は当然礼を失さないようにするのが普通である。

それに対してこの女は妾腹の子で子爵家当主に認知され、孤児院から子爵家に入って半年ほどでこの学園に入学したとはいえ、初対面から図々しく話しかけてくるほどであり、今では俺以外にも複数の高位貴族のものを侍らすほどである。現に今も俺の婚約破棄なのに大勢の男達がいる。

これってよく言う逆ハーってやつだよな?

しかも大勢のメンバーで一人の令嬢に対して婚約破棄するとかテンプレだわ。

実際にこの場にいる直面してみると俺たちってなにやってるんだろうね?

非道な行いを断罪して婚約破棄するのって二人っきりで言えば良いと思うんだけど。これっていいとこ見せたいだけだよね?

しかも今回の非道な行いとかただ単に不作法を注意しただけだし、その他のことなんておきてもいないことを偽の証拠作って罪にしようとしてるし、俺たちアホじゃね?

このまま行くと逆ハーしているビッチと一緒にざまぁされたりするかもしれん。

というかどう考えてもエリーゼとカタリナじゃエリーゼの方が良いよな。

エリーゼは侯爵令嬢として申し分ない教育を受けてるし、学園でも指折りの美女で通ってる。さらに侯爵令嬢として広い交友関係を持ち、国外にも幾人かの友人がいる。しかも俺と婚約していなければ婚約を申し込んだと国外の王族から言われたと聞く。

それに対してカタリナは、子爵家に入ったのは最近であり令嬢としての教育が身についてなく、それどころか婚約者のいる見目麗しい高位貴族に媚を売るほどである。さらにそのせいで周りからの評判が悪く、同性の友が誰もいないのである。

考えるまでもなくエリーゼが婚約者のままがいいだろう。まだ婚約破棄し終えてないしこのまま有耶無耶にできないかな?

よくある小説みたいに卒業式とか関係ないその他大勢の前でのことじゃなくて関係者しかいない部屋で行ってるから大丈夫だよね?

よしこのまま有耶無耶にして終わらせよう!


「・・・るのは止めで、この話はなかったことにする。」

「えっ!?ハインツ様、いきなりどうしたの?早く婚約破棄してよ!」

「エリーゼ、あとで二人で話したいことがある。あとで使いを出すから来てくれ。」

「あっ、はい、わかりました。」


そのまま俺は後ろから何かを叫んでいるを無視してエリーゼと退出した。

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