初めましてプノンペンです。
ほのぼのが書きたかったので、半年位かかって書いてます。
なのでペースはほんっきで遅いです。
ここはとある一軒家。
その家は二階建て、家の中はヨーロッパ風の作りを思わせる家作り、部屋の数は台所や居間を合わせると7部屋。
家の中はあまり飾り気なの無い少し寂しい雰囲気の家屋だ。
そんな家の持ち主の主人の名前はプノンペン=ギルバーシュ といった。
先月誕生日を迎え。31になったばかりの独身男性である。
容姿は茶髪に伸ばした髭、中肉中背で顔立ちは良くも無く悪くも無く、いたって普通。
恋人は居らずただ今募集中、至って普通の一般人である。
そう、彼自身は至って普通の一般人です。
そしてある日の昼下がり、彼は仕事で飼育している牛や豚の世話をする為に支度をし、出かけました。
そしてその途中の道端で知り合いと出会います。
「プノさんおはよう」
グレーの全身ローブを目深に着た怪しい人物が、プノンペンさんに話しかけてきます。
声からして若い女性のようです。
「おー、ロザリアさん。夜型のアンタがこんな昼にどうしたね?」
どうやら彼女はプノンペンさんの知り合いのようです。
プノンペンさんがそう問いかけるとロザリアさんは。
「んー...アタシ吸血鬼だから日が出てる時動きたくないんだけど、ちょっと用事でね」
フードから少し見える彼女の口元には牙、そして瞳の色は真っ赤な赤でした。
「はっはっは!またいつもの冗談かい?まあ仕事なら仕方ないよね」
ですがプノンペンさん全く本気にしてません。
「いや、だからね?私、本物の吸血鬼だからね?前から言ってるけど?」
「はいはいはい、分かったから仕事に行かなきゃ、ロザリアさん」
「いや...だから全然信じてないでしょ?」
「そしたらこの前酒飲んだ時に俺に言った<結婚してくれ>が本当になっちまうぞハッハッハッ」
「いやだから...それはゴニョゴニョ...お酒飲まないと言えなかったっていうか...ボソボソ...」
「ん?どした?」
プノンペンさんがよく聞こえないので、顔をロザリアさんに近づけてきます。
「あう!」
「ん?どした?顔赤いぞ?熱あるんか?」
そう言いながらプノンペンさん、近づいて少し屈みながら、手の平をロザリアさんの額に当てます。
ロザリアさんはプノンペンさんより多少背が低い為、こうなるのです。
「んー?ちょっと熱あっかな?大丈夫か?」
「あっ...あうあうあう(ち...近い近い!顔が近い!)」
ロザリアさんの顔が余計に赤くなっていきますが、プノンペンさん気がついていません。
「(で...でもこっこれはチャンス!今なら!)ぷっ...プノさん?ちょっと目を瞑って貰える?」
「ん?何で?」
「何でデモ!いいから!」
「はいはい、分かったよ...これでいいか?」
プノンペンさん、ロザリアさんの前に目を瞑って待っています。
ロザリアさんは右手をグッ!と握り締めて小さくガッツポーズをした後、逸る胸の鼓動を抑えながら プノンペンさんの唇にターゲットを狙いを定めながら、自分の唇を近づけていきます。
形の良いプルンとした唇が少しづつ近づき、長い睫が少し震え、瞳は潤んでいます。
ロザリアさん、結構美人のようです。
「(い...今ならアキュも居ないし...もう少し......)」
ロザリアさんの唇が、今にもプノンペンさんの唇と重なろうとした、まさにその時。
「危なーい!せいやぁ!!」
突然、遥か彼方から土煙を上げ、ロザリアさんの後頭部目掛けて、どっかの変身ヒーローみたく、強烈な飛び蹴りを、いきなり現れた女性がロザリアさんにかましました。
「むぎゃぁぁぁ!!」
ロザリアさん、後ろから飛び蹴りされたにも関わらず、何故かプノンペンを上手に避け、そのまま顔面から地面にダイブしキス、さらにそのまま顔面をズザザザザーっと、思いっきり擦りむきました。
今ロザリアさんを蹴った人物は、帽子を被り、山吹色の髪のショートカットで、上は白いタンクトップ下は短いGパンのような格好をした女性は、蹴った後上手く着地し、そのままプノンペンさんに振り向きます。
「プノさん!無事?」
プノンペンさんは呆然とした表情をしながら、飛び蹴りの彼女に話しかけます。
「いや...無事って...俺よりロザリアさんの方が大変だと思うよ?アキュ」
今ロザリアさんに飛び蹴りかました女の子はアキュシュリー。、耳を帽子で隠していますが、ハーフウルフのハンターさんです。
ちなみにハーフウルフというのは、人間に変身できるワーウルフが1/2(ハーフ)で更に半分の1/4の獣人の子です。純粋なウルフはウォルフリンクと呼ばれています。(つまりハーフと人間の間に生まれたのがアキュです)
クオーターってやつです。
獣人っていったら、普通は逆に狩られる方に思われるかもしれませんが、この世界ではちゃんと理性があってラインセンスがあればハンターになれます。
まあ、冒険者みたいなものです。
実際は少し違いますが。
ちなみにアキュの事もプノンペンさんは(運動神経のいい女の子)と位にしか思ってませんし、認識してません。
「あーーーきゅーーーーー!何すんのよ!!」
「プノさん襲おうとしてたから天誅だよ!」
「襲ってないわよ!ただ...ゴニョゴニョ...キスしようと...」
顔を赤くして小声で言っていますが、アキュには聞こえています。
「有罪!」
「何でよ!」
「それ僕が先だもん!」
「関係ないでしょ!そんなの!!」
...喧嘩が始まりました。
「...何が何なんだ?」
プノンペンさんは唖然として、2人を見守っています。
まあ、それでもこれはいつもの事なので、少しするとプノさんは、そのまま自分の仕事を済ませに、目的地に歩き始めます。
「大体、奥手の吸血鬼なんて流行らないよ!、プノさんは僕と所帯持った方がいいんだから!」
「後から来たアンタに横取りされる言われは...ないーーー!後、何どさくさに言ってるのよ!しかも人が一大決心して、キスしようとしたのにーーーーー!!」
「させるかー!」
後ろの方で何か言ってますが、プノさんにはもう聞こえない位置です。
それは兎も角、プノさん仕事場に向かいます。
「ンモー」
「ブヒブヒ」
やってきたのは、柵に囲まれた中に豚や牛がのんびりと散歩している。少し大きな牧場です。
奥には少し大きな牧舎が見えています。
その辺りで何人か人が働いているのが見えます。
後、柵の中でウインナーや牛乳、肉の材料が歩いていると言ってはいけません。
プノさん、柵の入り口のカンヌキを外し中に入り、牛や豚を避けて牧舎に向かいます。
そして皆がプノさんに気が付くと、右手を軽く挙手し挨拶をします。
「皆、こんちわー」
「おお、プノじゃねっか、ちわー」
「お前、昨日は夜遅くまで大変だったんだろ?休みでも良かったのに?」
「だから、何で皆、旦那様とか旦那って言わないんだよ!」
「いーよ、いーよ俺も気楽に挨拶してくれる方がいいからさ」
どうやらプノさんここの持ち主のようです。
そして、何か昨日は急な仕事が入り夜遅かったようです、ですがプノさん笑いながら皆に声を掛けます。
「ああ、確かに大変だったなぁ。なら今日の仕事が一段落したら今日は速めに上がるよ」
等と言いながら、プノさん仕事に入ります。
「プノ、あんたも頑張るねぇ」
そう言いながら、肩に豚の餌の入った袋を担ぎながら、半袖を着て額にタオルを鉢巻のように巻いたポニーテールの大柄な女性が話しかけてきます。
「おう、アリーシャ今日もモリモリ元気だな」
「うん、でないと働けないからねぇ」
そう言いながらアリーシャさん、袋を持っていない方の腕を曲げて力瘤を見せます。
見事な力瘤です。
アームレスリングとか物凄く強そうです。
というか、見た感じボディビルダーみたいな体つきしてます。
腹筋とか割れてそうです。
「まあ、あんたも無理すんじゃないよ?ロザリアとかアキュが心配するからね」
「は?何であの2人が心配するんだよ?」
「そりゃ好きな人が倒れれば心配するでしょ?」
プノさんそれを聞いて笑います。
「はっはっはっ、それは無い無い、ロザリアさんみたいな美人と、アキュみたいな活発で可愛い子が俺を慕ってくれるもんか」
「...それ本気で言っている?」
「当たり前じゃないか、あの2人なら周りから引く手数多だろうしさ...俺なんか振り向く筈がないよ。どっかにいい人いねーかなぁ?」
そう言いながらプノさんは、皆の仕事の手伝いをし始めます。
真顔でそう言い切るプノさんに、アリーシャさんは深いため息を吐き出しました。
「...こりゃ暫くは進展しなさそうだ。2人とも」
「おーい、アリーシャも手伝ってくれー」
「あいよー、鬼人の力見せてあげるよ」
「はっはっはっ、お前さんもロザリアさんの真似かい?、流行ってんのか?それ?」
「いや、だから皆が言ってる事本当なんだからね?プノさん?」
「はいはいはい、分かったから仕事頑張ろうなー」い
「分かってないでしょ!」
相変わらずのプノさんです。そして他の皆も<言っても信じないからほっとけ>、という表情で手の平を左右に振ります。
そう、ここはほぼ人が居ない、人でなくどちらかと言うと、モンスターと世間で言われていた人達が多く暮らす村なのです。
勇者や魔王なんて遠ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい昔のおとぎ話、昔話です。
もう和解して、生活に溶け込んでいます。
そんな彼らと、一般人のプノさんの何でもない日常生活です。
「いい加減離しなさいよーー!!プノさんとこ行くんだからーー!!」
「させないーーーー!」
......まだやってます。
ゆ~~っくり書くので恐らく、次いつか自分でも分かりません。
ノンビリのネタを探しながら書いていきますので。