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ワインの人
「いーなー美由紀、初恋の幸二君とゴールインって本当羨ましい!あたしもそんな結婚したいよぉ」
結婚式も数日前に無事終わり、今日は気の置ける友人だけで集まって改めて祝っていた。
皆が主役の周りに集まる中、私はカウンターに座って1人酒を煽る。
いくら幸二のことを諦めたからといって、2人の幸せそうな姿を見て口を滑らせて空気を悪くするような事を言ってしまうかもしれないから。
来ない、という選択もあったが親友と幼馴染みのパーティーに来ないことで変な勘ぐりをされる事もさけたかったからそれも無理だった。
幸せそうに笑う美由紀を見て改めて可愛いな、と思う。
私なんかより何倍も。
最初から叶わない事は分かっていたはずなのに。
今でもちょっと気をゆるめると涙が零れ落ちそうになった。