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伝えられない人
ずっと好きだった。
小さい頃から一緒にいた、それこそ兄弟のように育った幼馴染みのことが大好きだった。
でも伝えられない。
貴方のことが好きだから、今の関係が壊れることが怖くて、恐ろしくて……。
臆病な自分が嫌いだった。
遠くへ行ってしまいそうな貴方の後を必死に着いて行った。
でも、それも今日で終わり。
「結婚おめでとう。私の親友、絶対に幸せにしなさいね」
そう、これで終わり。
自然と涙は零れなかった。
いつかこうなることは分かっていたから。
大好きな幼馴染みと大好きな親友。
大丈夫、心から祝福出来る。
私は笑顔を崩さなかった。