詩 ずっと私を見ていてください
「ずっとあなたを見ていたい」
「あなたもきっと同じ気持ちでしょう?」
確かに少し前まではそこにいた
そこにいた はずなのに
いまはいない
いなくなってしまった
たった少しだけ
目をはなした
たった数秒だけ
視線をはずした
それがもう
どうして駄目だったのか分からない
どこにいる?
どこにいった?
見つけなくては
見つけ出さなくては
見ていなければ
見つめなければ
「私をずっと見ていて」
「私はあなたをずっと見ているから」
視線を奪ってほしいから
独り占めにしていたいから
夢中になってほしいのよ
「ずっとずっと私だけ見ればいいの」
「ストーリー」
この女はいかれている。
見ていてほしいから、俺をここに隔離したんだろう?
なのに、見ていられないように動き回るなよ。
俺は、お前を探し回らなくちゃいけない。
この手首に巻き付いている長い長い鎖の鍵を奪い取るために。