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第1章 第8話 【いよいよ】

「冒険者はまず、ランクによって活動が分かれているにゃ。初心者のルーキー、次にアイアン、メタリク、ジュエル、そして1番上に冒険者の到達点”ゴッド”が位置しますにゃ」


 ゴッド、僕が目指す場所だ。


「まあみんなはじめはルーキーからにゃ。スカウトや推薦があれば特例として飛び級になるけど、普通ランクを上げるのは地道に適正ランクで上げるか、お金を払って高ランククエストを受けるかですにゃ」


「お金を払ってって?」


「高ランクをクエストを受けたい冒険者ランカーはたくさんいるにゃ。それこそ実入もいいし、活動の範囲があがるからですにゃ。でも、冒険者ギルドも適正ランクより上のランククエストを受けさせるのは責任の問題を問われるにゃ。だから自分のランクより高ランククエストを受ける際には、お金を設定して、お金を払ってまで本人が受けたかったっていう処置をしているにゃ。ただ、もし高ランククエストを難なくクリアすればランクがいつも以上にどんどん上がっていく、っていうシステムにゃ」


 なるほど。冒険者ギルドも責任を問わず、そして()()()()()()()()()()()とんとんとランクが上がっていくってわけか。そして失敗すればそれは自分の実力が伴っていなかったとわかる授業料だ。ギルドもお金が入り、冒険者も満足する両者win-winの関係•••よくできたシステムだ。


「次にバッヂですにゃ。これがルーキーバッヂですけど、少し特殊にゃ」


 なんの変哲もない木製風のバッヂを差し出される。


「これに魔力を通すと」


「おお!」


 何もなかった木製風のバッヂに風車のマークが光浮かぶ。


「次にセイバーさんが魔力を流してみるにゃ」


 僕もならって魔力を流してみる。が、全くうんともすんともならない。あれ?


「これどうなってるんです?」


「ふふん、これはですにゃ、最初に魔力を通したものの魔力にしか反応しなくなる特殊な素材でてきたバッヂですにゃ。だから個人専用のバッヂになってますにゃ」


「すごい!」


 僕はそれから諸注意事項などを色々と説明を受け、冒険者登録をバッヂを渡されるとともに終わる。


 ルーキーバッヂを持つ僕。これで、僕は冒険者。なんだか、じんとなるね。


「では早速ですが何かクエストを受けてみますかにゃ?」


 冒険者の仕事は今となってはほぼ、ダンジョン攻略であるが、本当は町の手伝いや傭兵など依頼がかかればなんでもやる何でも屋に近い。でも•••冒険者になったからには1つ。


「ダンジョン攻略でお願いします!」


 猫の獣人族の受付嬢が可愛い猫目をさらに大きく見開く。

 このウィンダービンにも攻略されていないダンジョンがある。僕はそのダンジョン攻略を、所望する。


「ダン、ジョン攻略はルーキランクでは受けれないにゃ。さっき言ったようにルーキーを仲間に入れるパーティなんてないにゃ。来るもの拒まずがモットーとは言いましたが、ダンジョンは早急だと思うにゃ。ダンジョンには地上にいる魔物よりも遥かに強い魔力汚染された魔物がいるにゃ。1人で行くと確実に死ぬにゃ」


 僕は金貨を1枚置く。


「僕はそれでも、ダンジョンに行きたいんです」


「にゃにゃにゃ!!!そんなボロボロの身なりなのにさらっと金貨を出すにゃ!?それほどまでの覚悟かにゃ!!」


 ちょっと、なんか本音が出てますよ受付のお姉さん。まあ、お金ないからね。身なりもボロボロになりますわね•••。慣れすぎて気づかなかったけど、まあ確かにちょっと煤んでるし、服もボロボロだし、あれ、もしかして相当やばい?


『正直スラム街にいる人みたいですな』


 武神様!


『まあお金が入ったんだからしっかりお風呂に入って身なりを整えなさい。顔は可愛いんだからこれからは魅力全開でいきなさい』


 フォトゥナ様あ•••。


「わかったにゃ•••。セイバーさんの覚悟、しかと受け止めたにゃ。スキル『なし』で冒険者になるっていうことは、今まで相当な葛藤をしたに違いないにゃ。私たちの忠告なんて自分で何度も自問自答してるよにゃ•••。よし!認めるにゃ!セイバーさんのダンジョンクエストへの参加を!」


 よかった!遂に、遂に冒険者初めてのダンジョンだ!『奈落』のように、絶対攻略して見せる!!


「あ、ちなみにルーキーのダンジョン攻略料は金貨2枚にゃ」


 ドヤ顔で金貨1枚で行けると思った僕は、ちょっと恥ずかしくなった。

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