Laronが雨季を連れてきた
ジャワ海から吹く海風が強くなってきたこの頃。
昨日の夜、1年に1回の羽アリの大発生があった。
ジャワ島ではこのアリをLaronと呼び、Laronは雨季の訪れを告げるものとされる。
Laronが雨季を連れてきた。乾季から雨季へ。
雨季はだいたい3月終わり頃まで続く。スコールが降って、止むとバナナの葉と葉の隙間に虹を見る。果てしなく続く目が醒める青をしたインド洋の空。夜に見る月は煌々としている。
通勤がスコールで面倒になるとか、確かに雨季は嫌なこともある。しかし、雨季は心を洗ってくれるかけがえのない季節でもある。
通勤時にバイクから見る空。スコール明けの雨の香りと太陽の光を浴びて、ジャワ海からの風で椰子の葉が擦れる音を聞く。赤いメラティと白いチュンパカの花が咲く。鮮やかな色。
雨季を連れてきたLaron。交尾を終えて力尽きると息絶えて地に落ち、土に返っていく。また来年も、再来年も、ずっと雨季を連れてきては土に返っていくLaron。
来年もまたLaronが雨季を連れてくるまで頑張ろうと思う。
Laronから生きる力をもらった気がする。