表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

Laronが雨季を連れてきた

作者: G.Heron

ジャワ海から吹く海風が強くなってきたこの頃。

昨日の夜、1年に1回の羽アリの大発生があった。

ジャワ島ではこのアリをLaronと呼び、Laronは雨季の訪れを告げるものとされる。


Laronが雨季を連れてきた。乾季から雨季へ。

雨季はだいたい3月終わり頃まで続く。スコールが降って、止むとバナナの葉と葉の隙間に虹を見る。果てしなく続く目が醒める青をしたインド洋の空。夜に見る月は煌々としている。


通勤がスコールで面倒になるとか、確かに雨季は嫌なこともある。しかし、雨季は心を洗ってくれるかけがえのない季節でもある。


通勤時にバイクから見る空。スコール明けの雨の香りと太陽の光を浴びて、ジャワ海からの風で椰子の葉が擦れる音を聞く。赤いメラティと白いチュンパカの花が咲く。鮮やかな色。


雨季を連れてきたLaron。交尾を終えて力尽きると息絶えて地に落ち、土に返っていく。また来年も、再来年も、ずっと雨季を連れてきては土に返っていくLaron。


来年もまたLaronが雨季を連れてくるまで頑張ろうと思う。

Laronから生きる力をもらった気がする。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ