第1話(前編) 傷心中の女の子を慰める系ラブコメ
決して気づかれてはいけないと思った。気づかれた瞬間 THE ENDだ。
ありのまま起こったことを話すぜッ!!
従姉妹が経営している喫茶店でコーヒー(ブラックは飲めないので砂糖マシマシに入れたやつ)を飲みながら俺は勉強をしていた。
勉強開始から15分後、俺と同じ高校の制服を着た男女が来店してきて俺の後ろのテーブル席へと座った。
この時は(リア充、お前らは存在してはいい生き物だ!!)とか思ってたんだけどなぁ。
〜その後勉強すること数十分〜
「実は**くんのことが前々から好きだったんだよね。もし良かったら付き合ってくれないかな」
「ごめん○○さん……。俺、クラスの皆に内緒にしてたんだけど恋人いるんだよね」
おいおいおい何が起こってるんだってばよ⁉︎
音楽を聴きながら勉強をしていたけど、耳痛くなってきたな。とか思ってイヤホン外したらエグい展開になってるんですけど!!
しかも、男の方は気まずそうに告白を断っている。
同じ学校の制服だけど、まさか知り合いじゃないよな⁉︎
「一条さんの気持ちは嬉しいけど本当にごめん。俺、この後バイトあるから帰るね!!」
男はお金をテーブルに置き、逃げるように帰っていった。
いや、あれ、3組の出雲じゃね⁉︎
出雲涼……顔面偏差値70越え。去年同じクラスだったがめちゃくちゃ良い奴だった。超仲良かったわけではないけど普通に親切にしてくれた。
イケメン=性格悪い なんて式は成り立たないのだ。
フられた女子は一条とか呼ばれてたっけ? めちゃくちゃ帝愛グループにいそうな名前してるなぁ。
一条? はて、どっかで聞いたことある名前だ。
赤城、有馬、井口、一条。
そうだ!! うちのクラスの出席番号四番目の子の名前が一条ニ戸だ。
一なのかニなのか四なのかはっきりしてくれ! と始業式の日に思ったんだった。すっかり忘れていたぜ。
うーわっ、気まず!! クラスメイトがフられるの初めてみた。
バレたくねぇ。てか関わりたくねぇよぉ。
そうして話は最初へと戻る。
■
みんなはカリギュラ効果というものを知っているだろうか?
カリギュラ効果とは「禁止されるほどやってみたくなる」心理現象である。年末にやってた「笑ってはいけない」が身近な例だ。
俺は「一条に俺の存在を気づかれてはいけない」と考えてる。しかし、運命さんはしっかりカリギュラった。
「おーい、クローバー! ちょっと手伝ってくんない?」
カウンターの奥の方からそんな声が聞こえた。
誰だよ、そんな厨二病みたいな名前の奴。 ……そう、俺です。
俺の名前は四葉黒羽、しっかりキラキラしたネームを持ってる男である。
なかなか癖のある名前で、学校で名前を間違えられたことはない。小学校のあだ名はクロちゃんだったシン。
この店は従姉妹が経営してる喫茶店で、俺は偶にこの店の手伝いをしている。
そして従姉妹が俺を呼び出すのもなんの問題もない、いつもなら。
なんで今、呼び出すかなぁぁぁぁぁ!!!!
カウンターへと向かいながら一条のいた席をチラッと見てみる。
ガン見である。あちらさんはガッチリこちらを見てるでござんす。
素晴らしい名前を名付けてくれた親に感謝したいね。本当に……最悪だッ!!
俺は急いでカウンターの奥の物置部屋へ行った。
ここは厨房兼物置き部屋で階段を上がると従姉妹の家である。
「ここにある4つのダンボール開けるのお願い! ちょっと今、手が回らないから」
「オッケー、ワカッタヨ。ヤットク」
「なんでそんなカタコトなの……?」
従姉妹の水野奈央に言われて俺はダンボールを開封していく。
奈央姉さん(通称:なおねぇ)は結婚していて昔は「四葉奈央」だった。恋愛感情もなかったし、なんなら家が近いこともあって姉のように思っていたけど……
まあ脳破壊されたよね、結婚するって言われた時は。だが憎らしいことに相手の野郎は人柄もよく、バリバリ働いてるエリート社員なので祝福はしている。死ね。
脳を破壊されたことを思い出しながら頼まれた仕事を終えた俺は元の席に戻る。
明日が提出期限の課題を終わらせてないので問題集とノートだけは回収したかったのだ。
どうか一条さんが帰ってますように!!
ゆっくりと後ろの席を振り向いて確認してみる。
深淵がこちらを覗く時、深淵もこちらを覗いているのだ。ガン見だった。こちらを睨む一条さんとガッツリ目と目が合ってしまった。
THE END
(続く!)
初投稿です。カクヨムでも書いてます。不定期投稿なので期間が空くこともありますがよろしくお願いします。
拙い文章ですが楽しんでいただけると幸いです。




