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俺のチートは「ラブホ」だった件  作者: さすらい人
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第八話 姫騎士

俺のチートは「ラブホ」だった件


第八話 姫騎士


どこまでも続く雨が今にも降りだしそうな入道雲。


どこまでも続く深緑の森林。


どこまでも続く黒土の街道。


その夏の青空に反抗するように禍々しいピンクのネオンが輝いている

HOTEL月の横には白色の天幕が設営されドラゴンの紋章旗が強風に揺れている。


そんななにもなかったはずの原野を駆ける一頭の騎馬が全身金属鎧の主を乗せ疾走している。天幕の前まで来るとそこにいた見張り番の騎士にその馬をあずけ無言でHOTEL月にその全身鎧の騎士が入っていった。



そんな外の様子など知らない呑気な4人の男どもはわりとガチな話をしていた。


「ん?戦争?シュネッセ派閥の連中は追い出したと思ったけど、まだいたの?」


「それがじゃな。伯母上をはじめ派閥に属していた貴族どもは隣国に嫁いでいた二女を頼って落ち延びたんじゃが、どうも王を煽ってこの国を悪魔から取り戻すと言って兵を集めているようなのだ。しかもシュナイト王国だけでなく北部側のクリエント帝国にも声をかけて両国で同時進行する気なのじゃ。」


「まじか・・・ガチの戦争じゃないか・・・。しかもクリエント帝国ってアレな国だよね?」


「そうじゃ。略奪・強姦・虐殺なんでもありな国だ。あの国が侵略した国はすべての国民が奴隷にされているそうじゃ。」


「まじか・・・ああああ、嫌な予感がする!!。」


「その感は当たっておる。儂はそなたを探していたのじゃ。宿を作るとか言って連絡を絶った幻影大魔導士ユウキを!。」


「その呼び名は本気でやめてください。中二病くさくて恥ずかしいから!」


「ノリノリだったくせに。ぷくくく。」


「くっ。殺せ。過去に戻って自分を殴りたい。」


その時、ユウキは途轍もない殺気を感じ咄嗟に掛けている椅子から床へ転がった。掛けていた椅子は真っ二つになりそこには妖気が溢れている両刃剣があったのであった。


「お望みのように殺してやろう。そこで大人しくしろ。」


「あっ!」


ユウキはその両刃剣が己に方向を変えてフェイントを混ぜて襲い掛かってくるのを見た。


『ヒュッ』


その剣の持ち主の金属鎧の女は兜のスリットから見える青色の美しい目でゴミを見るような冷たい目線をユウキに送った。


「ねえ・・・アリスちゃん・・・そんなに本気で殺しに来るのは辞めてほしいな・・・知らない仲でもないんだからさ・・・。」


「死ね!死ね!死ね!。」


「うほっ。うほっ。ひょいひょいひょいと。」


「くっ。また、ふざけた真似を!。」


『グサッ』


アリスの振るった剣はユウキの胸を突き刺し背中からその剣身を背中に生やした。ユウキは苦しそうにその場に膝から倒れた。主人公死亡である。


「え?ちょっと、ふざけないでよユウキ。もう・・・ちょっと、え?え?本当にささってる・・・ちょっとおおおおおお。」


「ごふぉ。アリス・・・もうお迎えがきそうだ。なにを怒ってるのか知らないが許して欲しい。ぐふぉぐふぉ、ぜーぜーぜー。」


「何を言ってるの?死なないでぇっぇぇ。何を怒ってるのかって?あんたが婚約者の私を置いてしかもあんな悪戯までして出て行ったからよ!。」


「う、う、もう目が見えない・・・すまないアリス・・・あちらに逝く前に許してもらえないだろうか・・・。」


「え・・・逝かないで!お願いだから逝かないで!許すから。許すから。逝かないで~。」


「お!許してくれるの?ラッキー!」


「ブフォ。ユウキ。やめてあげなさい。というか、なんじゃそのそなたの顔は!ぎゃはははは。」


王様。大爆笑である。ユウキが変顔していたからである。姫騎士。ご立腹である。


「くうううううううううううううううううユ~ウ~キ~殺す。殺す。殺す。」


「ごめん。悪かった。本当に悪かった。その詠唱の魔法をここでぶっぱなされたら本気でやばいから!。」


ユウキは慌てて姫騎士の兜を開け、呪詛を唱えているアリスの口に口づけをした。


「な。な、な・・・・ふにゅん~♡。」


姫騎士はちょろいのであった。

それを冷めた目で見ていたタリスは手早く散らばった応接セットを片付け、戦争の話を続けるようにと言葉を吐き捨てた。









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