第二話 青年
俺のチートは「ラブホ」だった件
第二話 青年
どこまでも続く初夏の青空。
どこまでも続く深緑の森林。
どこまでも続く黒土の街道。
その爽やかな初夏の青空に反抗するように禍々しいピンクのネオンが輝いている。
HOTEL 月 開業より一週間ほどたち、繁盛していた。異世界はお堅いイメージだったが結構好きものが多いんだなと思いながら青年は作業室にて枕カバーにアイロンをかけていた。
ここでこの青年の事を語らなければいけないだろう。
このにちゃと笑みを浮かべながら枕カバーを重ねている青年は所謂異世界転移にてこの異世界アズガルドへやってきた日本人である。彼は親ガチャにはずれ学費も工面できなかった為に高偏差値の進学校を中退し叔父が経営していたラブホで働いていた。がむしゃらに働きそのラブホを盛り上げていたが清掃のおばさんに貞操を奪われそうになり抵抗して転び乾燥機の角で頭を打ったところまでは覚えているようだ。その後、白い霧の空間でお爺さんに結局貞操は奪われたと聞き,その空間の白い霧より白くなったのは苦い思い出であった。そのお爺さんに苦笑されながらかわいそうだから良いチートあげるねと慰めてもらいながらこの異世界アズガルトへやってきたのであった。
「ふう・・・嫌な事を思い出した・・・58才の前田さん・・・勘弁して欲しかった・・・」
青年。トラウマを思い出しながら再び木目がやたらと主張しているフロントのカウンターに客室用のコーヒーを置き、再び新聞を広げた。
青年が王室のスキャンダル記事に興味が引かれたとき、客室連絡用魔石が光った。
「た、たすけてえええええええ!!。」
「フロントですが、なにかありましたか?お客様。大丈夫ですか?。」
「彼が・・・彼が息をしていないのおおおおお。」
「は?」
青年は慌てて3階のスイートルームへ迎うと廊下で半裸の女性が半狂乱で何やら喚き散らかしている。その女性の顔に見覚えがあったがとにかく状況を確認しようと部屋へはいると鏡に囲まれた丸形ベットの上でまるだしのおじさんが泡を吹いていた。確かに息はしていないが、息子はいたって元気である。
青年はその状況を見て「ああ・・」と以前にも見たことがある状況なので冷静に対処した。
「ヒール」
青年は回復魔法をかけるとすーすーとまるだしのおじさんは呼吸を再開し意識がもどった。
「お客様。窒息プレイはほどほどにお願いしますね。」
青年はマミメント帝国宰相と王位継承権二位の姫様にそう注意をし
「どうぞ、引き続きプレイをおたのしみください。首の絞め方はご注意くださいね。」
とにちゃと笑顔でドアを閉めたのであった。
そして青年は再びカウンターに置いてある王室スキャンダルの記事に目を通しながら客室用のコーヒーを飲むのであった。




