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俺のチートは「ラブホ」だった件  作者: さすらい人
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第十二話 第一次カチャオ戦争

俺のチートは「ラブホ」だった件


第十二話 第一次カチャオ戦争 


どこまでも続く夏の終わりを知らせるうろこ雲。


どこまでも続く業火に焼かれた森林。


どこまでも続く荒れた街道。


マミメント帝国の北西部カチャオ侯爵領は地獄になっていた。クリエント帝国の情報戦の結果、クリエント帝国の本体は北東部のターリア直轄領へ向かっているとされていた。マミメント帝国はターリア領へ防衛軍本隊を布陣したが少数のシュナイト王国の別動隊しか対面しなかった。クリエント帝国とシュナイト王国の本体はユウキたちがいる北西部より侵略を始めたのであった。先遣隊2万人本隊3万人の連合軍はカチャオ領へ攻め入りその半分の地域を占領したのであった。カチャオ侯爵領領都スタンオンより北へ10㎞の防衛線が現在の最前線になっていた。

その最前線には簡易的な平城が築かれカチャオ侯爵本人と領兵、そして叔母にあたるアリスが侯爵が幼い為に指揮をとっていた。

領兵達は雲霞の如く攻め込んでくる連合軍に対し絶望的な戦いを行っていた。アリスは平城よりさらに北側にある川幅500m程の川を渡河しようとしていた連合軍へ攻撃を加えたが強烈な反撃をくらったのである。


「ふむふむ。そのような経緯なんだね。アリス。がんばったね。本当にがんばった。後は、俺にまかしてよ。」


「私は無能だった。この戦で己の不甲斐なさに気付いた。くッ・・・う・・う・・・ううううう。」


「アリス・・・腹減ったろ?飯食おう!みんなも腹減ったよね?飯にしよう!ババアズ、HOTEL月を出すから料理よろしく!。」


「ババアズとは失礼ざます。けど、了解しましたわ。」


{ラブホ}


その荒れた戦地には似合わないピンクの禍々しいピンクのネオン看板が目にいたいHOTEL月がその荒れた黒土の上に現れた。ユウキと3人のババアズはその言葉の通りチート能力で無限の食材が出現するHOTELの厨房より兵士達に食事を振舞った。


「このかつ丼というものは美味いですな!力が溢れてきます。」


「それはかつと勝つをかけた縁起物の食べ物なんですよ!もりもり食べてください!」


「ババアズ。ちょっと出てくるので後は任せますね。食事が終わったら寝具も無限にあるので人数分だして休ませてください。回復効果がありますからけが人を先にお願いします。」


「了解」


ユウキはその日は帰ってこず戻ったのは次に日の朝早くであった。


「敵襲!敵襲!」


「ユウキ!敵が渡河をはじめたぞ!なんの策も聞いてないがこのまま戦えばいいのか?」


「いや、待機でいいよ。川を渡らせてあげて。多分、戦わなくていいはずだから。」


「は?」


連合軍は木を伐りだし簡易の筏にて渡河していた。しかし、どの兵士達も不思議そうな表情をしている。


「おい。なんか川の水がぬるぬるしてないか?」


「そなたもそう思うか?ぬるぬるしてる。」


兵士たちは警戒したが特に実害がないのでそのまま川を渡りマミメント帝国の陣がある川から勾配のあるなぜか濡れている傾斜地を登り始めた。


「ズルッ」


「どすっ」


「あわわわわ。すべる。止めてくれ・・・川に落ちる!ぼちゃん。」


「ズルルルル。おわっ。なんだこりゃ。滑る。」


兵士たちはその傾斜地に登ろうとするが、すべったり転んだりして登れるものはいなかった。


「ぶははははは。どうだローション川とローション坂のコラボは!!!ぶはははははあ・・腹痛い・・・ぶふぉ。」


「ユウキ!戦いの最中にそんな馬鹿笑いして・・・ぶふぉ。あの兵士、服脱げてる。ぶふぉ。そんな目でみないで・・・あああ、だめだおなか痛い。」


「あははははははは。」


領都軍は昨日のうっぷんもあり目の前で阿鼻叫喚になっている連合軍を見て大笑いした。連合軍顔真っ赤である。


「あーあー-あ。だめだ。腹痛い。おもしろすぎる。はーはーはー。」


「ユ、ユウキ。だめ。これはだめ。おもしろすぎる。はーはーはー。」


四つん這いになって笑い転げるアリスを横目にユウキはその傾斜地の頂上でおしりを出し


「かもー-----ん!エヴリバディ!」


と言った。もう、連合軍の兵士の顔は怒りすぎて顔が赤紫色になった。哀れである。


しかし、連合軍も黙ったままではない。滑らないように兵士を踏み台にし背を踏みながら傾斜地を登ってきたのである。



「さてと・・・ローション地獄の次に行きますか・・・悪いな・・・これは戦争なんだ・・・次の地獄開始。獄炎地獄!!」



そう言うとユウキはいつの間にか持っていた火のついた松明を傾斜地に投げ入れた。



{ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお}


傾斜地から川までそして一度川に入り不快さから陣へもどった敵兵まで一気に炎上した。


「なんだこれは。熱い、熱い、あついいいいいいいいいい。」


「ぎゃあああああああああ。」


「火が追いかけてくる。ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。」


その炎はすさまじく、渡河した兵士は当然、渡河中の兵士や対岸の先遣隊まで燃え上がった。


その炎は1日中燃え黒煙を噴き上げ、次の日まで燃え続けた。


後世の言う第一次カチャオ戦争において転換点である{ローション川の悲劇}である。



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