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俺のチートは「ラブホ」だった件  作者: さすらい人
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第十一話 初出張

俺のチートは「ラブホ」だった件


第十一話 初出張


どこまでも続く夏の終わりを知らせるうろこ雲。


どこまでも続く業火に焼かれた森林。


どこまでも続く荒れた街道。


HOTEL月があった原野より北西に徒歩で3日程の森林の終わりに開かれた平原。森は燃やされ黒土の地面はあちらこちらに大小の爆孔が空きかろうじて残った膝高の草原には物言わぬ戦争の英雄達が横たわっていた。


「ふう~。戦場の空気ってやつか・・・何度きてもこの匂いは慣れないな・・・。」


「そうざますね・・・ですけど・・・懐かしいと思ってしまった私は度し難いざます。」


「そうじゃな。懐かしい・・・か。そうじゃな。懐かしいが一番しっくりくるの。」


「あー嫌な臭い。空も木も土も水もすべて荒ぶってるわ。精霊たちも力を使いすぎて死に絶えているわ・・・。」


「さて・・・とりあえず能力{ラブホ}でこの物言わぬ英雄達を天へ送るか・・・」


「ラブホ・レクイエム!!」


そうユウキが唱えるとそのあたりに放置された遺体達が暖かな光に包まれその輪郭が朧げになり光の粒子になり天へ昇っていった。その後には彼らが身に着けていた装備が残り、その装備達は懐かしき人達のもとに戻っていった。

四人はその様子を見ながらそれぞれの祈りをした。


「合掌。皆さんの想いの力確かに受け取りました。」


ラブホ・レイクレムとはチート{ラブホ}のなかの一能力である。物言わない亡骸を天に召し、その遺品を遺族の元へ届けるのであるがその対価として、彼らの無念、残念を力として受け取るのである。ラブホとは逝くものであるとはユウキ(ニチャア)の談である。


「これが『慈愛』の力か。戦場で何回か見たわい。この念を敵にぶっ放すんだからそりゃ強いわな。」


「いやみさん、なんでその二つ名を知ってるんです?おかしいなあ~その名は殆ど知られたないはずなのに。」


「ほっほっほっ。さてのー。」


ジーゼル・マグスターは目を細めながらそう言い放った。


遠くに見えていたドラゴンの紋章の天幕より騎馬が走ってきた。アリスである。


その美しかった白銀の鎧は様々な汚れがつきその光を失い、左腕は破損し右の胸当てには刺し傷の跡がついていた。


「ハア・・ハア・・・ユウキ・・・来てくれたのね。」


「アリス!ケガしてるじゃないか!{ヒール}」


「ありがとう。へへ、下手しちゃった。」


「アリスがそこまでなるとは。戦況は悪い?」


「ええ。はっきり言えば最悪よ。相手は二万人、こちらは三千人。今朝の襲撃はなんとかこの川を使って防いだけど、御覧のとおりこの辺りは地獄に変ったわ。こちらは、千人は死亡。後千人は重傷。無傷な人はいないわ。」


「あの川向うの遠くに見えるのがクリエント帝国の陣?うわー。わらわらいるなー。」


「そうよ。略奪部隊が帰ってきたら兵を引いたわ。」


「あー。あの陣で何が行われているか考えたくないな。」


「悲しいけどそれで救われたわ。だけど、次で壊滅ね。」


「そんな悲壮な顔しないでよ。さああ、ここからが腕の見せ所ですなあああ!倍返しだ!。」


ユウキはこの異世界で、日本人すら忘れかけているネタをしてみたがもちろん、誰も知らずスルーされた。


「倍返しだ!。」





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