第一話 HOTEL 月 開業
皆様、お久しぶりでございます。すこし、気力が戻ってきましたので
新作をお送りいたします。よろしくお願いします。
俺のチートは「ラブホ」だった件
どこまでも続く初夏の青空。
どこまでも続く深緑の森林。
どこまでも続く黒土の街道。
王都バランから街道を徒歩で3時間程、北上した街道沿いの何もない原野の中央で10代後半の青年が周辺見渡す限り何もない原野を見渡し・・・にやにやしていた。普通にきもい。はい。不審者です。
「うふふふ。ここに俺の城を築くぞ!国からも許可をとったしばっちりだ。では・・・(ラブホ)!!」
きもい青年がそう唱えると一瞬、周辺が明るい光で照らされ地面が揺れたと思った瞬間、3階建ての建物が現れたのであった。その建物の屋上にはギラギラしたネオンの看板があり、HOTEL 月 と禍々しいピンク色で描かれていた。
「おおお!日本でよく見るラブホだ!駐車場の入り口にはひらひらがある。ん?駐車場?ああ。馬車を入れるのか・・・。」
不審者が呟いた通り何もなかった原野にレンガ造りの3階建ての建物が建っていた。街道に面した部分には正面玄関とひだひだのついた駐車場入り口があり、1階部分はフロント及び従業員控室、作業部屋があり2階に8部屋、3階に6部屋の計14部屋の客室がある。外観は正面以外は均等に窓が並んでいるだけで特別、飾り付けはない外観であるが屋上の禍々しいピンクの看板だけが目立っている建物である。
青年が建物を確認すると営業するすべての物が準備できていることを確認できたので早速、受付の目隠しのついたカウンターへ腰かけお客様を待つ体制になった。
数時間が過ぎ・・・青年が読み飽きた新聞をカウンターに置いたとき、正面玄関より戦士風の男女2人が入ってきた。
「おーい。誰かいないのか?ここは宿か?」
「はーい。ここにおります。ここはラブホテル。カップルお二人のための宿でございます。」
肩が張った青色の鎧を身に着けた男がその答えを聞いて・・・にちゃとした笑みを浮かべた。
白銀の細身のハーフプレートの女性は知らないふりを装っているが耳が真っ赤である。
「この辺は宿などなかったかし、野宿するよりはましだろ?泊まろう!。」
「え?やだあ。だってここ、カップルの為の宿なんでしょ?恥ずかしい・・・きゃっ。」
と言いつつその女性はどんどん奥に入ってきた。
「うむ。泊まるぞ。」
「お客様、ご休憩もありますがお泊りで大丈夫ですか?ご休憩2時間で30銅貨お泊りで1銀貨になっております。」
「休憩2時間?。」
「ちょっと・・2時間では足らないわよ・・・きゃっ、言っちゃった。てへ。」
「泊りで!(きまり顔)」
「ありがとうございます。ではお部屋はその壁のパネルからお選び頂き魔石に魔力を流してください。」
その戦士風の二人はお姫様ごっこの部屋を選んだ。
しばらくして・・・
客室からの連絡用魔石が光る。
「はい。フロントでございますが、ご用命でしょうか?」
「うむ。この姫様ドレスは破っても良いと書いてあるが破ってよいのか?」
「はい。どうぞ。プレイをお楽しみください。」
「うむ。感謝。」
青年は熱いプレイを想像しながらにちゃと笑った。
HOTEL 月 開業である。