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序章
よろしくお願いします!
「まずいな……」
古びた小部屋、物が所狭しと置かれた部屋の一角。他とは違い整理された空間には椅子と机、窓から射し込む太陽の光。
そして光を浴びて輝く金色の髪の女が机の上に置かれた水晶玉を覗き込んでいる。
「まさかここまでとは……早く見つけなければな……」
女の目に光は写っていない。水晶玉にも何も写っていない。しかし髪と同じ金色の瞳は水晶玉に映る何かを確実に捉えている。
女は立ち上がり、見えているような迷いのない足取りでドアまで歩いていく。
「世界には……が必要だ。……世界は……を求めている」
女が扉を開ける。扉の向こうは光で溢れており何も見えない。
扉が閉まると静寂と暗闇が部屋に残される。
そして世界は回り出す。
次回も楽しみに!