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魔法のタコさんウインナー





さて、山登りデート?も終わり、次は、私がひまりちゃんを誘う番だ。これでも一応は、年上なんだから、エスコートしなければ。

でも、正直なんもプランが浮かばない。だけど一つだけ、パッと浮かんだ。

図書館だ。お金もかからないし空調も効いてて、丁度いいんじゃないだろか?


ひまりちゃんに伝えると、図書館デートというのも中々ポイントが高いですね......OKです!明日の日曜が楽しみで仕方ありません!




好感触で手を振りバイバイした。

そーだなー、図書館で過ごしたら、いつもの公園でお弁当でも作って、ひまりちゃんの胃袋を満たしてあげよう。こんな事ぐらいしかお返しできないけど。

その日は、久しぶりの充実感で枕を高くして寝れた。ぐっすりと、山登りの心地よい疲れも手伝って。



翌日。

ひまりちゃんと待ち合わせて(今回は普通に)図書館へ向かう。




「りんごお姉さん、今日は白のブラウスにジーンズですか。素敵です!お姉さんは白が良くお似合いです、やはり天使ですねえ」




「ひまりちゃんも、小学生らしい格好で可愛いよ。天使は、そっちもでしょ?」




えへへっお姉さんに褒められると、嬉しくて照れます。と、ひまりちゃんは、ピンクのウサギさんのショルダーバッグに、キャラものの白いTシャツに、ショートパンツという出で立ちだった。

うん、昨日のジャージ姿よりずっと可愛い。


そうこうしてる内に図書館に着いた。

ひまりちゃんは図書館は初めてで、色々好奇心旺盛だった。




「なんと!?貸し出しカードが無料で作れて、向こう10年有効ですと!?」




「絵本があって、マンガもあるのですか!?こ、これは見たかったヤツではないですか!」




「図書館では静かにね、ひまりちゃん。マナーだからね」




あっはい。と首肯くひまりちゃん。私達は、適当に本を棚から取って隣どうし席に着いて、本のページをめくり出した。




「......」




「......」




......なんだろう、物足りない。ひまりちゃんを見ると、ひまりちゃんも同じ事をおもったみたいで、2人して早々に本を借りて、図書館を出た。




「ごめん、ひまりちゃん!図書館は失敗だった」





「いえいえ、貴重な場所を教えてもらって有難いです。1人の時は、ちょくちょく寄らせてもらいます。ただ......」




「やっぱりお姉さんとワイワイお喋りしたいですね」




「私も!」




「お姉さんと気持ちが同じで嬉しいです。いつもの公園に行きましょうか。ただお姉さんと居れれば、公園でもいいでしょう」




そうだな。私も同感だった。唯一の友達、ひまりちゃんが居ればどこでもいい。でも、お喋り出来ない図書館は1人で来よう。




「んじゃ、予定より早いけど、公園ピクニックといきますか!」




私は、公園のベンチに座ってお弁当を広げた。

おにぎりに、タコさんウインナー、ハンバーグにポテトサラダ。ひまりちゃんの分も作ってきてるからね!と言うと、




「ありがたい......白米!」




うん、もっと色々してあげよう。

私達は、いただきますをしてお弁当を食べ始めた。

食べながら、お喋りもして、ひまりちゃんに笑わせられて、楽しい時間が過ぎていく。

過ぎていくと感じたら、明日の学校の事を思ってブルーになってしまった。




「りんごお姉さん、明日の事を考えて沈んでますね?大丈夫です、放課後には私が待っているじゃあありませんか」




「ごめんね、ひまりちゃん。せっかくのデートの時間に」




「もしも、それでもお辛いようなら魔法をかけてあげましょう」




はい、あーん。




ひまりちゃんが、つま楊枝にさしたタコさんウインナーを私の口元に持ってくる。





「え、え?!」




あーん。ですよ、お姉さん、定番です。

どこの定番だ。年下の小学生にあーんされるのが、こんなに恥ずかしいものだなんて!




恥ずかしいのを堪えて、パクリとタコさんウインナーを食べる。顔が熱くなっていくのを感じる。




「ね?明日の事なんて忘れたでしょう?」





確かに!ひまりちゃんに、あーん。で、上書きされた!ひまりちゃん恐ろしい娘......!

明日の学校の事はどうでもいいか。その後の事を楽しみに頑張ろう。

ひまりちゃんに魔法をかけられた私だった──







続く














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