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第八話

アクセス数が気になり過ぎて、夜投稿しようと思ってましたが、今投稿することにしました(笑)

「ええい!奴らはまだ見つからんのか!」

「はっ、城内を虱潰しにしておりますが、未だ見つかっておりません」

「一体あれはなんだ!」

「一種の結界のようなものですが、結界魔法の第一人者を呼び調べさせましたが、実物を見ていないのでなんとも言いようがないと」

「ぐぬぬ……その後消えたのはあれは転移だな!」

「はっ、おそらくそうだろうと思われます」

「転移は長距離出来ぬ魔法だからな、絶対にこのあたりに潜んで居るはずじゃ!探し出せ!」

「はっ、御意」


 そう言うと近衛騎士団長は去っていき、入れ替わりに宰相が入ってきた。


「国王陛下、恐れながら。短距離とはいえ、転移が使える術士です。これほどの時間を与えたとなれば、連続して転移をしている可能性もあるかと」

「……そうなった場合を想定しておいたほうが良さそうよの」

「そうでございます」

「なにか良い案でも?」

「幸いにして、クリスという青年の素性は知れていません。ですので、それを利用しましょう」

「どうするのじゃ?」

「17の青年を適当に見繕ってクリスと名乗らせましょう」

「すぐにバレてしまうではないか」

「先程彼者は言っておりました。ステータスプレートは見せられないと。それは神のご意向であると。擦ればステータスプレートを隠したままにしておけばよいのです」

「ふむ。それは良き考えじゃ」

「ではその路線で話を勧めてまいります。それと同時に教国への対応も」

「うむ。良きに計らえ」




―――――――――――――――




僕は夢を見る。


果てしなく、長い夢。


そして、その夢の先にあるのは……



世界の真の姿。





―――ああ、世界はこんなにも美しい姿をしているんだ―――




―――ザッ、ザーッ――――


「小さな演奏会とは言え、本番か……はぁ。慣れすぎて、緊張のきの字も出てこないや」


 そこに見えるは豪華な内装の部屋だった。


(ああ、ここで演奏会があるのか)


「GP、俺の番まで暫くあるし、楽屋で休むか」


 そう言うと、何やら迷路のような細い道を通り、小さな部屋へと入っていく。するとそこには別の男性がくつろいでいた。


「よっ、おはよう。ところで、お前、出番後半じゃなかったっけ?」

「ああ、後半だよ」

「相変わらず、早いな」

「五分前行動は当たり前」

「お前さんの場合、五分前行動じゃなくて、5時間前行動だろうが」


 と言って、相手の男性は笑う。それにつられてこちらも苦笑い。


「とは言え、遅れたらシャレにならないじゃん」

「こんな早い時間に来るやつなんかいるわけ無いだろ。特にこっちの地方では」

「まぁ、ね。こんな時間に来るのも、まぁ一種の癖だね」

「そっか。まぁ、多分こっちでの演奏会、お前さんは今日が最後になるだろうけど、まぁ、頑張れ」

「ああ、ありがとう」


 そう言うと二人共無言になり、互いに集中を始める。


「おっ、俺のGPの時間だ、行ってくる」


 相手の男がそう言うと、去っていく。すると次第に小さな部屋に何人かの人物が出入りをして、挨拶していく。さっきの男性も戻ってきて、入れ替わりに別な男性が入っていく。そして、最後に自分が入れ替わりでまた迷路のような細い道を歩く。そして、演奏会場と思わしき場所へ着いた。舞台の上から見ると大量の椅子がある。その中央付近に数名演奏を聴こうと聞き耳をたてている。そして、その人のうちの一人が「どうぞ」と声をかける。

 すると、黒い長い楽器の近くに座っている人を見て目礼する。そして、前を向いたらいきなり音楽は始まった。


「Tra la ran lera,Tra la ran la,Tra la ran lera,Tra la ran la.Largo al factotum della citta,Largo! La ran la la ran la la ran la la~♪」


 そして、歌い終わると、中央の人が言う。


「ん、良いね。でも、本気出さないで。本番のためにKeepしといてね~、で次ね」


 そう言うと次の演奏が始まった。これは以前歌った曲だった。その演奏も終わると。中央の人が再度言った。この人は何なんだろう。先生だろうか。


「ヤー、良いね。じゃあ、ソロ終わりね。重唱始めるから楽屋に呼びに行ってね」

「はい、分かりました。最初はカンタータにしますか?ツィゴイナーにしますか?」

「ん~、カンタータやるね」

「わかりました。呼んできます」


 そう言うと先程の部屋と違う部屋へ向かった。そして、ノックをして返事を待つ。


「先生がカンタータやるって言ってるので、カンタータ組は全員集合して舞台に向かってください」


 その後、別な部屋、先程までくつろいでいた部屋へ向かい、男性にも同じ声をかける。そして、舞台上に集まる。


「じゃあ、始めるね」


 そう言うと、一斉に歌い始めった。その後、指導が入りながらも歌い終わると次の編成に入るらしい。別な人たちを呼び始めた。


「じゃあ次ね、あなた呼んできて」

「わかりました」


 そう言うと、別のグループを呼んでくる。

 そして、全員が揃うと、待た同じく声をかけてくる。


「じゃあ、始めるね」


 そして歌い出す。今度のは長いが全部歌い終わる。ところどころかなり指摘されて、本番直前なのに直さねばならないところが多々生じた。


「じゃ、GP終りね。演奏会までみんな声出しちゃ駄目ね。音楽聴くのも禁止ね。じゃあ、本番までゆっくりするね」


 そこまで言うと、別の人にその人が声をかける。そして、何やら話し込む。

 僕の方は、やはり小さな部屋でくつろいでいる。そして、本番が始まった。


 数曲歌い、更に重唱で数曲歌い、演奏会は無事終了した。


「ねぇ、みんなとても良かったね!」

「「「「ありがとうございます!」」」」


 そうして、暫くべた褒めされた。

 そして、帰り支度をして、ゴミを片付け、帰宅の途に着く。そこには信じられない光景が待っていた。なんと鉄の車が、馬車もなく、ものすごいスピードで駆け抜けてゆく。そして、まちなかの明かりの多さ。この国では明かりの魔道具が大量生産されているのだろうと思った。


「ふぃ~、疲れた。だけど、明日が本番だから、ゆっくりもしてられない。お風呂に入って、ワックスを洗い流して、明日に備えねば」


 そう言うと、普通にお風呂に入り、就寝した。やはり、そこで意識は途絶えた。




―――――――――――――



「夢?何で?昨日のあの風景が夢だったんじゃないの?……しかも、昨日の続きの夢も……どういうことだ?」


 クリスは起き上がる。部屋はとても豪華なものだった。


「ああ、そうか、あの後意識を失って倒れたんだっけ・・・にしても一昨日まで普通に狩猟生活してたんだよな・・・ナイフもボロボロ。そういえばミスティアはどこだ?」


 と思ったところで扉からノック音が聞こえる。


「はい、どちら様ですか?」


 すると、再度ノックされた。


「ああ~、え~っと、入っていいよ?」


 と言うと、扉は開き、そこにはミスティアが立っていた。


「調子、どう?」

「うん、大丈夫」

「そう。それは良かった」


 と言うと少女は微笑む。とは言え、基本的には無表情で、無愛想な感じ。とは言え、少女の機微はわかるようになってきた。


「うん……」

「……」

「えーっと、何か用?」

「ん、色々と説明をしようと思って。駄目?」


 銀髪のロリ少女が小首をかしげなから上目遣いでこちらを見る。


「えーっと、大丈夫ですよ」

「ん、良かった。じゃあ、質問に応えられる範囲だけど答える。なんでも聞いて」

「とりあえず、ここは?」

「ん、ここはディーエ教国、首都ユルグ」

「い、いや、そうじゃなくて……」


 彼女は何を言っているかわからないというふうな感じで、小首をかしげる。


「昨日、あのきれいな景色を見て、その後倒れたよね?それで、ベットで寝ている。この場所は一体?」


 彼女は暫く悩んだ後、閃いたと言わんばかりに堂々と言った。


「ここは、創造神、ディーエ様を祀ってる、総本山。最高の環境が整った教会」


 なるほど。


「じゃあ、次の質問。あの後王国はどうなったの?」


 再度悩んだ後、告げる。


「ん、一応抗議の文を送った。それと同時に各諸国にも文を出した」

「え?どうして、各国に文を?」

「そうしないとあなたの命を守れないから」


 いきなり話が飛躍した。


「どうして、他の国に文を出さないと僕は死ぬんですか?」

「王国は各諸国を比べてもかなり大きい。教会がいくら幅を利かせると言っても、限度がある。最近落ち目でもあるし。あなたの件で。それは向こうもそれは承知済み。だから、私の力で瞬時に文を出した」


 これは、神の力の無駄遣いじゃないだろうか。


「というわけで、多分、王国は戦争を強行してくる」

「は?どうして戦争?いやいやいや、意味分かんないですって」

「理由はクリス」

「え!僕ですか!?」

「そう。だけどどうなるかわからない。クリスは今こちらにいる。けどそれは理由にならないかもしれない。よくわからないけど王国は戦争をしたがっている。なにか必勝の策でもあるのかもしれない」

「えーっと、どういうことですか?」

「ん、クリスは今こちらにいるけど、ステータスを開示できない。だからあなたをクリスと証明できない。だったら向こうもクリスという名の者を使い、彼者がクリスだと名乗らせればクリスは王国にいることになる。あなたの人相を知っている人は少ないから。それに知っている人が何かを言えば、国家反逆とかで処分するつもりだと思う」

「それって僕の周りの人達が殺されるってこと?」

「可能性としては高いと思う」


 そんな、僕は真っ青になる。


「とにかくステータスを開示できるようになるまで後1年ある。それまで戦争を阻止、最悪こちらが負けないこと。これは私の力でなんとかなると思う。あなたの訓練もしないといけない。だけど、1ヶ月もあれば初期の訓練は終了できると思う。初期の神力はあなたのほうが多いからすぐ終わる。後は使い方次第。少なくてもそこまで戦争を回避し続ければこちらの負けはまずない。あなたと私の神の力を使えば」

「でも、僕の周りの人達には……」

「それは大丈夫。一応ディーエから教えてもらった人たちには文を出した」

「え?どういうこと?」

「「偽物のクリスが現れても何も発言しないように気をつけて。じゃないとあなたが殺されるから」ってディーエの名前を使って出した」

「か、神様の大安売りですね……まるで……」

「でも、あなたも周りの人達が死ぬのは忍びないでしょ?」

「それは、そうだけど……いや、ありがとうございます」

「ん。この話はともかく一旦置いといて、御飯食べる」


 ぎゅるるるる~

 体は正直だ。空腹を訴えている。


「じゃあ、ちょっと待ってる。ご飯作らせる」


 その後、食事を取り、午前中は城とも呼べるこの教会の案内。午後は、ここの訓練場で訓練を行うことになった。

 そして、色々と驚愕の事実を知ることとなる。

お読みいただきありがとうございます。

誤字、脱字等ありましたらお知らせいただけると幸いです。

よろしければ、普通に感想やコメント、ブックマークと評価(最新話の下の方に評価欄があります)をしていただけるとエタらず頑張れると思うので、よろしくおねがいします♪

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