第五話
今日はここまで!
ここまでと言ったらここまで!
ふ、ふりじゃないからね!
まぁ、ここまで投稿しておかないと、あらすじにすら到達しないですし・・・(^_^;)
「えっと、いつもと同じようにすれば良いのかな?」
「違う。あなたの場合特別。これ重ならないように片手に一つずつ持って」
そう言われて渡されたのは羊皮紙が2枚。
「えーっと、なんで2枚?」
と聞くと、驚くべき答えが返ってきた。
「あなたには魂が2つあるから。だから2つ必要」
「え?魂が……2つ?」
「そう。クリスの魂ともう一人別の魂が一緒になってる。まずはそれをある程度内部で分離させて、片方ずつ儀式をしていく必要がある。だから、預言者には無理だった。同じ手順でやるにしても、【神の祝福】程度じゃ反映されない。もっと強力な、そう。私しか使えない【神の加護】を使わないと」
「なんだかよくわからないんだけど、これって必ず成功するの?」
「うん。大丈夫。ディーエが言ってた
それを聞いてホッとした。
「大丈夫、失敗しない。私は儀式の最中は神と同義。神が私を直接操作しているのと変わりはない」
「え?それって神様に会えるってこと?」
「ん、半分正解。半分は違う。」
「どういうこと?」
「体は私の体だけど、意識と能力は神様のもの。だから半分正解」
なるほど。さっぱりわからん。がとにかく儀式は成功するであろうことは想像に難くない。
「質問はもう良い?儀式始めるよ?」
めちゃくちゃ緊張してきたけど、大丈夫。ミスティア様の目を見て頷く。
「じゃあ、始める」
ああ、あの変な夢は……ああ、そうか。
……落ちる。落ちる。落ちる。底が見えない。何時までも落ち続ける。
そして、光が見えた。少ししかなかった光が、徐々に強くなってゆく。
目の前が真っ白に塗りつぶされていく。
意識に直接、走馬灯のようなものが見える。自分じゃない誰かの一生。
それらはまだ混ざりあう。彼は彼。僕は僕。だけど、一つになって。
ああ、これが君だね?そして僕だね?
「大丈夫?」
女の子の声が聞こえる。
「あれ?失敗?じゃないよね?ん?起きない?」
あれ?僕、何してたんだっけ?
「ん~、預言者呼ぶ?あっ、そっか。まだ駄目か」
預言者、女の子……あっ
「あっ、起きた」
ムクリと起き上がる。
「大丈夫?」
「う、うん。大丈夫。ところで、儀式はどうなったの?」
「ん、成功……だけど……」
やった~成功と思ったけど・・・あれ?だけどでなんで止まるの?
「ん、見たほうが早い」
「どういうこと?」
「ん」
そう言って手渡された2枚の羊皮紙。そこには日本語が書かれていた。
「これ、読めない」
「え?どうして?普通に読めるけど?」
「ん、クリス読めるの?」
「うん。普通に、でもこれなんか通常とおかしな文字のような」
「うん。統一言語じゃない。別な言語。文字も違うし……でも、この文字何処かで……ああ、禁書庫だ……ん~これ読めるなら連れていきたい。あれ、読みたかった」
「ち、ちょっと待って。とりあえず、これ読めないんだよね?読んで確認したほうが良くない?」
「ん、ちょっと待つ。【聖域】……良いよ」
「え?今何をしたんですか?」
「神力を一つ使って、誰にも邪魔されない、盗み見や、盗み聞きされない空間を作った」
「・・・すごいけど、神力って何?」
「ん、読めばわかる。早く確認する」
一枚目、共通言語で僕のことが書いてあるステータス
名前:クリス(第一次)
性別:男
年齢:17
レベル:1
職業:神術士
スキル:神術
※加護:創造神の加護
:魔法神の加護
:時空神の加護
:運命神の加護
ステータス
体力:250
魔力:750
神力:5
攻撃力:120
防御力:100
敏捷:75
幸運:1000
となっている。すでに色々とおかしい。まず、職業とスキルは初めて聞く。それにステータスに神力ってあるけど、そんな項目を持っている人を見たことがない。
「えーっと、この職業とスキルとステータスの神力ってなんですか?」
「最初の2つはわからないけど、ステータスの方はわかる。神力は、ほぼ魔力と同じものと考えていい。ただし、それを消費するのは神の御業を使ったときのみ」
「か、神の御業……」
「少し、私の話をする。第一次成人の時から預言者だった。これはかなり珍しい。普通は信奉者の職業から宣教者、そして預言者となっていくのが普通。私の場合、預言者、神子、神の代理人となっていった。で、神子になった時にステータスに神力が付いた。使っていってわかったことは奇跡を使うたびにそれは減ってゆく。使えば使うほど、その最大値は伸びて、使える奇跡の回数が増えていく。多分あなたのも同じ。神の御業、奇跡を使えば回数は減る。だけど使えば使うほど、最大数は増えていくと思う。当分はこれを増やしていくと良い」
想像以上にすごい能力に固まってしまう。が、すぐに再起動した。理由はもう一枚の羊皮紙にあった。
「あの~、もう一枚の方、読み上げたほうが良いですよね?」
「ん、そっち読めないから早く読む」
と、急かされたので、読んで見る。
名前:栗栖(第一次)
性別:男
年齢:28
レベル:1
職業:声楽家
スキル:神の声
※加護:創造神の加護
:守護神の加護
:戦神の加護
:暗殺神の加護
:運命神の加護
:異世界神の加護
ステータス(非装備時)
体力:120
魔力:0
神力:3
攻撃力:120
防御力:120
敏捷:70
幸運:1000
「こ、こっちもチートか……」
あれ?チートってどういう意味だ?今普通に使ったけど・・・あれ?
とにかくミスティア様にもう一つのステータスを口頭で伝える。
「……クリスのもう一つの魂も非常識」
「あっ、やっぱりそうですか……」
「……ん、ディーエから伝言「ステータス表記に第一次って書いてあると思うけど、次のステータス更新は半年後になると思うからよろしく。それともう一つの魂は半年の間に全てを取り戻すから」だって。あんまり助言はしたくないらしい。大変なことになるから。具体的には世界の均衡に大きな影響を及ぼすらしい。とは言え、そもそもこんな間違いが起きてしまったわけだから、助言はある程度するらしい。したくないとは言っても、せざるを得ないとは大きな違いがある。核心には触れないけど」
「ってことはもう一つの魂云々っていうのが核心ってことかな?」
「ん~、多分。で、これからどうする?」
「え?ど、どうするって?」
「あなたは私と同じく神に近い場所にいる。ということは教皇にもなれるってことじゃないかしら?(生贄確保)」
「……あの、教皇の座押し付けようとしてません?」
「……そんなことはない」
「うん。目を見て言ってみようか?」
ミスティア様は頑としてこちらを見ない。
「まぁ、冗談は置いといて(生贄が……)」
「……本当に冗談でした?」
「……置いといて。これからどうするかだけど、とりあえずこの羊皮紙は私が預かる。聖域で保管する。これは誰にも見せちゃいけないって。これもディーエが」
「わ、分かりました」
「で、今回の結果は他言しちゃ駄目。ただ、儀式が成功したことは言っても良い」
「とりあえず、王様とかに報告しないとですね」
「ん、それは必要。後はあの預言者呼んで相談しよう」
こうして無事(?)7年という長い間儀式を受けられなかった少年は無事儀式を受け、職業とスキルを入手できたのであった。
お読みいただきありがとうございます。
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