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僕らは終わらない夢を見た
不思議と、おかしいとは思わなかった。
自分の気持ちすら、把握できていなかったのかもしれない。
ただ、ひたすらに目の前の夕日が綺麗だと思った。
第四次世界大戦が終わり、完全に政府に支配された世界。
僕は、僕らはそんなくだらない世界のゴミだめのような場所に生まれた。
そこは、誰からも見捨てられた場所で、当然、親の名前も顔すらも知らなかった。
辛いとは、思わなかった。
思う、余裕もなかった。
血の繋がらない弟たちを守るので精一杯で。
食べ物を盗んでは殴られ、死にかけて、それでもそれ以外に生きる方法のない歪んだ場所。
何故、なんて誰にも言えなかった。
何故、どうして、僕たちだったのか。
何故、生きているのか。
何故、生まれてきてしまったのか。
答えが欲しかったわけじゃない。
誰でもいいから、誰かに聞いて欲しかった。
行き場所を失くした僕の、滑稽な物語を。