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Noir et Rouge 〜闇夜に開かれし宴〜  作者: 吾桜紫苑
第1幕 始まりの宴
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接触 〜Rouge〜

(——聞こえるか、フウ?)



 そろそろ侵入しようかというところで突然ノワの声が聞こえて、思わず飛び上がった。


「フージュ、どうかした?」

 驚いたように尋ねてくるヴィルさんに、少し黙ってもらえるよう目で頼んで、私はノワに返事を返した。


(ノワ! 何があったの?)

(……声がでかい。まあ、無事なようだな)


 やや辟易したような声が返ってきた。1番聞きたい事が抜けている。


(私の無事はよくって。何かずっと魔力の波動が弱かったけど、どっか怪我でもしたの?)

(結界を張ってるだけだ。今は魔力を感じられるだろ? ……まあ、今ここから出ることは事実上出来ないが)


 いつも通りのノワの声に、苦々しさが混ざった。閉じ込められている自分が腹立たしい、といったところだろう。

 どうしてそんな事になったのか、尋ねずにはいられなかった。


(ねえノワ、本当に何があったの?)

(……フウ、悪いが今は話せない。今夜、ここに来れないか? 場所はもう分かっているだろう。時間になったら、窓から入ってきてくれ。お前なら、気付かれずに集落に侵入できるはずだ)


 妙に真剣なノワの声に、何となく逆らえなかった。


(……分かった。ちゃんと説明してね)

(ああ。こっちとしても、話したいことがある。夜、連中がいなくなったら、合図を出す。その後で入って来てくれ)

 指示を出して、ノワは通信を切った。



 ずっと黙って待っていてくれたヴィルさんに、ざっと説明する。 


「……いやもう、どうして2キロも離れた相手と話せるのか、とかはもう良いとして……。それじゃあ、夜に彼と話すんだね。僕も行った方が良いかな?」


 何故か疲れたような顔のヴィルさんの問いかけに首を振った。


「ううん、ノワはヴィルさんに気付いているはずだけど、ヴィルさんの事何も言わなかったから、来て欲しくないんだと思う。私1人で行きます」

「……分かった。僕が心配することじゃないかもしれないけど、気をつけて」



 心から心配してくれているらしいヴィルさんに頷いて見せ、私は夜に向けて準備を始めた。


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