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17話

 階段を降り2層にたどり着く。相手はまたしてもスライムだが、1層に比べて一回り大きくなっていた。しかし1層と容量は変わらず、核を砕き早々に3層へと進んでいく。2層に居るガードは1層に比べて手慣れており、数チームが数カ所に分かれて戦闘しているが誤射も少なく連携も出来ていた。

 

「この辺りは結構戦えてますね。」

 

「大体が4級と3級の混合ですけど大したもんですね。俺らも頑張らないと。」

 

 飛んでくる火の玉水の玉を躱しながら3層へと歩き続け階段を降った。最下層ということもあってか急に雰囲気が変わった様に感じ武器を取り出す。

 

「感覚が鋭いですね兄さん。ここはモンスターが変わるんで気を引き締めて行きましょう。」

 

 瀬戸も両手に盾を展開し構えると洞窟の影から何かが現れる。子供の様な背丈に細い手足。対して腹が出ており、何よりその緑の肌が想像する種族は一つだった。

 

「亜人小鬼型、いわゆる『ゴブリン』ですね。初めて見ました。」

 

「気をつけてください。スライムと違って知能が有りますし、持っているナイフは切れ味は悪いですけど切られたら痛いっすよ。」

 

 ニタニタと笑うゴブリンの特徴を説明してくれている。そして前に出て盾を構えてる瀬戸の後方で幸人も構え魔力を刀に纏わせ、更に付与をかける。

 

 『ストレングス』

 『シャープネス』

 

 2つの付与をかけ刀を振い斬撃を飛ばす。斬撃に反応しナイフを構えるゴブリンだったが胴体をナイフごと真っ2つにされる。更にはその後ろから近づいたもう一体も切り裂き、崩れる様に倒れた。付与をかけたとはいえ余りにも簡単に倒してしまい唖然としていまう2人。

 

 「まじか。」

 

 2人全く同じ反応示すなか、他のゴブリンもその異常性にたじろいでいた。

 ハッと我に戻りとにかくゆっくり考えるのは敵を片付けてからと考え、残りのゴブリンを倒しに動いた。

 

 

 

 一通りのゴブリンを倒して落ち着きを取り戻す。ふぅと一息ついた後、瀬戸が幸人に近づき声を荒げた。

 

「なんですかあの斬撃の威力!他の攻撃も凄かったですし、付与ってそんなに強かったんすか!」

 

「いや、俺もまさかこんなに威力があるなんて思ってなかったんで驚いてるんですよ。」


 事実、幸人のみならずツユクサも驚いていた。事前に調べた際、付与魔法はさほど強くもなく、それなら身体強化系のスキルを習得した方が効率がいいと酷評(こくひょう)されていた。

 種類も豊富とはいえず、今の幸人が使える付与も火力強化の『ストレングス』武器や魔力を使った技の靭性強化の『シャープネス』速度強化の『ブースト』そして防御強化の『プロテクト』の4つしか使えない。レベルが上がれば他の付与も使えるらしいが個人差が激しくいつ、どのタイミングで使える様になるかは不明となっていた。

 

「この調子なら明日からレベル2の迷宮に潜れるかもしれないっすよ。とりあえず今日のところはここでレベリングしましょう。」

 

 幸人以上の盛り上がりを見せた後瀬戸はゴブリンの死体に近づきポーチからナイフを取り出した。何をするのかと思ったのもつかの間、ゴブリンの胸あたりにナイフを突き立て切り裂き始めた。ウッと顔をしかめる幸人だったが体から抜き出された物を見てその行動の意味を理解した。

 

「そうか魔石。スライムと違って勝手に落ちないから取り出さないといけないんですね。」

 

「そうっすよ。ちなみに魔石を抜かれたモンスターは数時間で迷宮に吸収されます。逆に残ったままだと数日は吸収されないんで戦闘の邪魔になるんで、倒したら魔石を抜くのがガードのマナーです。」

 

 色々と教えながらも作業を進める瀬戸を手本に幸人もゴブリンから魔石を取り出す。ナイフはツユクサを使っても良かったがちょうど(のぞみ)の店での購入時、おまけで解体用ナイフを貰っていたのでそれを使用した。

 切り開けばすぐに分かると思っていたが魔石はなかなかその場所が分かりづらく、うまく見つけられなかった。するとそれを察した様に瀬戸が助言しながら指差す。

 

「もう少し下っすね。心臓の左下、人間で言う心窩部(しんかぶ)、みぞおちの辺りです。多少の個体差はありますけどどのモンスターも大体この場所に魔石があります。」

 

 丁寧に教えてもらいながら魔石を取り出す。大きさはスライムより少し大きいがアーモンドほどの大きさで色も薄い緑色をしていた。魔石の種類は緑色、青色、黄色、赤色そして黒色の5段階で色が濃いほど、大きければ大きいほど価値は高くなる。この迷宮はレベル1ということもあり薄い緑色で小さいという訳だ。

 でもその分、沢山狩れば収益は期待できるということだった。

 

「魔力にはまだ余裕が有りますし、この調子で時間いっぱいまで倒し続けましょう。」

 

「そうですね、兄さんのあの威力ならもっと沢山いれば効率よく稼げそうですね。少し強めの挑発スキル使いますね。」

 

 膝をつき両拳を地面に付ける。そしてスキル『ウェイブヘイト』と発した途端地面が揺れた。微かに感じるほどの振動だったが波打って、次第に静まり返る。すると次は逆に振動が徐々に大きくなっていく。そしてそれは揺り返しではなく大量のゴブリンが向かってくる地響きだと分かったのは、無数のゴブリンがあげる土煙を見た時だった。

 

「数百メートル内もモンスターを強制的に挑発するスキルです。場合によっては強敵を大量に読んじゃうんで場所を選ぶスキルですけど、ここならゴブリンだけなんで、さながらフィーバータイムっすわ。頼みますよ兄さん!」

 

「了解です。一気に行きますよ。」

 

 構えたのちに魔力を集中させる。

 

 『ストレングス』

 『シャープネス』

 『ブースト』

 

 今の幸人に出来る攻撃用付与を全て施す。そして刀に魔力を纏わせ横一直線に振り抜く。斬撃は素早く飛んでいき数十体のゴブリンの群れを次々薙ぎ倒した。

 

 流石に全てを薙ぎ倒すまでの威力は無く、後列にまだ数百を思わせる軍勢が控えていた。仲間の死体を踏み越えせまるゴブリンが瀬戸まで届きそうになった時、幸人が前に出てもう一度横一直線の斬撃を放つ。またしても大量の死体が積み上がり、流石のゴブリンも勢いを失い動きを止めた。


 そこを2人は見逃さなかった。すぐさま残りのゴブリンに突っ込み括弧撃破(かっこげきは)して行く。劣勢に気付き逃げ出すゴブリンもいたが瀬戸が拳を突き合わせ、挑発スキルを使用して逃亡を阻止する。ワラワラと瀬戸に群がったところを幸人が切り伏せていき、数百といたゴブリンは全て地に突っ伏し、ものの数分で動くものは無くなった。

 

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