マッチングアプリ始めてみた。
「翠はさぁ〜、
なんで彼氏ができないわけー??」
「そんな可愛い顔して、
いないとかもしかして翠って難ありな訳??男からしたらさぁー??」
この春大学生になった翠は、
高校からの親友、ひまりと講義の空きコマがたまたま一緒だったため一緒にお昼ご飯を食べながら彼氏の話で盛り上がっていた。
「そうだ翠、
そんなに彼氏ができないなら見つけてあげようか??」
「えぇ〜??そんな突然何を言い出すかと思えばさーー!?」
「マッチングアプリって登録してる??」
「はぁ〜。それもう散々な目にあったからもうやめよーって思ってたんだよね、、、。
ホテルに連れ込まれてさ、その後急にごめん急に友達がお酒飲んで酔っ払っちゃって俺が介抱してあげなきゃいけないことになってさとか言い出して、、、。
だからもうやらないかなー笑」
「 翠、いつのまにーー。それあたしに相談して欲しかったー。その男、最低詐欺じゃない??もう一種の詐欺だよねそれ。じゃあさ、その男見返すために、マッチングアプリするのはどうかな、、、。」
「えぇ〜!?う、、うん。じゃあわかった。でもこれで最後にする。もしこれでいい人に巡り会えなかったらもう二度としないっていう約束の元でもいい??」
「わかった。まかせてーー!!いい人何人かもう見定めしてて、、、。紹介するわ。って、もうこんな時間。空きコマ終わるの早すぎー!じゃあ、今日大学終わったら駅前のカフェ集合ね!!」
ひまりはほんとに積極的だよなぁ〜。こんなに心配されてたとは、、、。早く、彼氏作ってひまりに報告できるように、頑張らなきゃ、、、。
なんでわたしって彼氏できないんだろうか。ちょっと1人で考えてみる。んーー。わたしの理想の彼氏は、白馬の王子様に乗っていつか迎えにきてくれる王子様系の人がいい。紳士的で、なんでも自分に尽くしてくれる人がいい。追う追われるだったら断然わたしがおっても、どれだけ愛が重たくても逃げずに向き合ってくれる人、かなぁ〜笑。ってー、そんな人どこにいるんだろう。試しにひまりから言われたマッチングアプリダメもとでやってみますかーー!もうわたしの恋愛は、これにかけるしかない。よぉーーし!!えいっ!ぽちっ。
ふむふむふむ。お医者さんとか高学歴で高収入しかもイケメンで!他にも、クラブでDJしてますだってー。チャラそうだけど、めちゃめちゃ顔タイプなんですけど〜!バツイチ、子供2人います。ちょっとこれは刺激的過ぎるのでは、わたしに子供は背負えないかなぁ〜、、、。荷が重すぎる。んーと、あれ??この人写真に顔写ってないやー。ラーメンとカフェの写真かぁ〜。ん??俺の顔知りたかったら会ってみませんか??えぇー??こんなのあり??でもやっぱりこういうのは本能と好奇心であってみたいと思ってしまうのはわたしだけだろうか、、、。
会ってみようかな、、、。この人見た感じ悪い人じゃなさそうだし。よしっっ!
「9今度、暇な時会ってみませんか??」、、、。っと!
いやーー、これちょっと大胆過ぎるよなぁ〜!流石に男の人からお誘い受けるのはまだしも自分から行くなんで、、、。せっきょくてきじゃーーん!!
ピコっ。携帯の着信音がなる。えっ。まさか。まだ1、2分しか経ってないよね。
「いいですよぉー!会ってみましょ!!良かったら顔写真送って欲しいです。」
だってー。おいおいおい。この人顔写真ない人なのに人には要求するの??じゃあわたしも。
「わたしも良かったら顔写真送ってくれませんか??」
こういうやりとり久しぶりすぎて緊張するなぁ〜なんか。返信早いのは好印象かも、、、。
ピコっっ。
「じゃあ、顔写真はお互い送らずに会ってからのお楽しみにしませんか??」
って、おーーーい。そっちがいってきたんじゃない。まぁいいか。えーー!めちゃめちゃタイプのイケメンだったらどうしよう、、、。気絶して倒れちゃって、そこから彼の家に連れてかれて。おはよ!!なんてーー!!何を想像してるんだ自分は。いかんいかん。
「じゃあそうしましょ。いつ会えますかーー!?」
「んー、じゃあ来週の火曜日とかどうですか??」
え、待ってこの人仕事してないのかな、、、
それともなんか職業柄平日休みなのかな??どっちなんだろう。
「あ、そうそう。俺実は美容師やってて。だから平日休みなの。だから仕事してないとかじゃないから安心して大丈夫。」
「えぇーー!わたし心の中で思ってるつもりがもしかして口に出ちゃった感じ??いやいやいや。言ってない言ってない。」
「あ、そうだ。お名前まだお聞きしてなかったですよね。」
肝心なところ忘れてた。これって普通最初に聞くことだよね。
「凪って言います。よろしく。凪って書いて、なぎってよむの。よろしくね。そちらさんはなんていうの??」
凪、かぁ〜。美容師やってて、凪。モテるだろうなぁ〜。だったら写真とか出せばいいのになぁ。何も引け目に感じる必要ないのに〜。
「凪さん。かっこいいですねお名前。わたしは翠って言います。すいです。よろしくお願いします!!」
「おっ!翠ちゃんね!よろしく!!
ところでさ、なんでマッチングアプリ始めたの??なんかきっかけとかあるの??」
あーーーー!そこは聞かないで欲しかったー。でもまぁ、そうなるよなぁ。流れ的にはその質問が妥当ですよね、、、。えぇー??話すのーー??まぁ、ここは遠回しに。
「えーーっと。まぁ端的にいうと、彼氏が欲しいです。白馬の王子様が似合う運命的な出会いをもとめてて、、、。って感じです。ちなみに、なぎ、さんはどういった経緯でマッチングアプリをやってるんですか?」
「おう、おれは、前付き合ってた元カノがマッチングアプリで彼氏作ったみたいだったから見返してやろうと思って、、、。っていうのが経緯かなー!
あはは。こんなの誰にも話したことないやー。」
「それって、浮気されちゃったってことですよね??違います??」
「まあ、そんなとこかな、、、。さすがに、それ知ったときはショックだったよね。おれじゃだめだったんだ。満たせなかったんだな。ごめんな。って思ったよね。って、重たいよな。ごめんな。」
最初、第一印象はチャラそうだったけど案外いい人そうだな、ちょっと安心。いやいや、まだ初対面だし、疑いの目は持ちつつ、これは、わたしの同情心がうずいてるだけかもしれないから、まだもう少しお話を聞いてみようかな。
「そうだ、これもこんなにたくさんはなしてもらってちょっと聞きづらいのですが、ご年齢はおいくつなんですか??」
そこには、なんでいまさらそんなことを聞いてくるのだろうか。みたいな間があった。まあ、私はマッチングアプリ初心者だし、こういう経験を経ていい女になっていくの。私は。
「え、えーっと、23歳だよ。翠ちゃんはおれより見た感じ、ほら、美容師やってるからさなんとなくわかっちゃうんだけど、年下だよね。だいぶ。」
「 さすが、なぎさん。でも私も、年上だろうなっていうのは美容師さんやってるっていうのもそうですし、見た感じ年上の方だろうなって思ってましたよ。第一印象から。ちなみに、年齢は18歳です。」
「もし、お会いできるってなったらやっぱり平日のほうがいいですよね??」
送信っと。
「わっかー!!俺おじさんじゃん。おじさんでも大丈夫??マジで結構そこ心配かも、、、。
うん、翠ちゃんがよければおれは平日のほうがいいかな。逆にまあ、平日だったらいつでも合わせるよって感じ。」
そりゃそうだよね。でも、もし付き合うってなったら年上がいいなって思ってたし。結構、いろんな友達から、翠は付き合うっとしたら年上があってると思うよって言われるぐらいだから、年上の人が相性いいんだろうなっておもう。失礼のないようにっと。
「全然オッケーです。年上が好みなんでそこは心配しないでください。むしろ、なぎさんは年下大丈夫ですか??もし、年上がよかったら今のうちですよ。」
こんなこと送っちゃったけど、私が一番心配だよー。どうしよう、やっぱり年上が好みなんでさようなら。とか言われたら泣いちゃうかも。
「え、なんでそんなこと言うのー。自信もって大丈夫。俺は年齢っていうより、甘えてくれる子が好きなんだよねー。」
これは、沼らせてくるタイプの人??もしかして??勝てないよーーー!!甘えてくる人が好きなんて、もしかしてそれ私のことだよね??いやいや、勘違い??だよね。まだ舞い上がるのには早すぎる。冷静に、冷静に。
「あんまり、恋愛してこなかった人なので実はこう見えて恋愛結構一人で悩んじゃうタイプでして、、、。もし悩みすぎないようにするためのアドバイスありましたら教えてください。お願いします。」
んー、こんなこと男の人に話すの初めてかもしれない。なぎさん、話しやすくて言い方だなー!!
もういっそのこと早く会って話してみたい。気になるし、もっともっとなぎさんについて知りたいなー!!
「そうだな、恋愛において大事なことは、悩んだことは全部自分の力になってくれるってことかな。もし、周りで恋愛について悩んでる人がいたら経験してる分その人の力になることだってできるじゃん。このマインド俺は結構大事にしているかも。
最低限必要なことは話せたし、もしよかったら来週どこか空いてる日あったりする??直接会って話してみようよ!!」
えーー!!思ってるタイミング合いすぎ。テレパシーとか信じるタイプじゃないけど、今回ばかりは信じるしか。
「えーっと、平日でしたら水曜日大学の授業取ってない日なので大丈夫です。ナギさんは、平日は何曜日がお休みの日なんですか??」
「おれー、わー。基本的に火曜日が定休日だけどまあ、水曜日でしょ。早めに言えば休ましてくれるから。俺こう見えて有給一回も使ったことなくて、だから初有給とってみようかな。詳しいことが分かり次第曜日に関しては伝えるね。」
「あとー、車で迎え行くから最寄りの駅名教えて??」
まさか、車内で二人っきりとかしかも初対面では、ハードル高すぎる。大丈夫かな私。たぶん、心臓バクバクだよね。
「わ、わかりました。最寄りは、小海駅です。中間地点とかで、お会いするのはどうでしょうか。」
「あー、なるほど。おれは、小春駅だからそっちまで行くとなると30分ぐらいかな。そこは俺に任せて。そっちまで行くから翠ちゃんが心配する必要は一切ないから。安心して。」
紳士的すぎる。もしかして、白い馬に乗ってくるのかな??わくわく。一体、何人の女の子を振り向かせてきたんだろう、、、。
「それじゃあまた、来週の水曜日でいーかな??」
「はい!!その日でお願いします。」
「午前と午後どっちがいいとかある??」
「できれば、その日の午前中は親友とノートを見せ合う約束をしておりまして、午後でお願いしたいんですけど、ナギさんの都合は大丈夫ですか??」
「 おっけー!じゃあ、14時ぐらいに小海駅集合で!!」
「わかりました。それでは当日お待ちしております!?」
「うん。りょーかい。」
これは、ひまりに報告しなきゃ。ぜーったい乗り気で聞いてくると思うんだー。
「ひまりー!!久しぶり。って言っても二日ぶりぐらいだけど、、、。明日もしよかったら直接会って話さない??時間はひまりに合わせるよー。」っと。
ひまり喜んでくれるといいんだけどな。でももし会うのやめたほうがいいんじゃないとか結構はっきり言うタイプだからもしそういわれたらどうしよう。もう会う約束までして、有給とるまで言ってくれてるのに。
「久しぶり。翠じゃん。どしたこんな時間に。明日は彼氏とデートあるから午後は無理かも。午前中だったら空いてるよ。」
「わーい。午前中空いてた。奇跡ー。早く話した過ぎる。久々のひまりは尊すぎる。」
「じゃあ、午前10時に大学の近くのカフェ集合でどう??」
「おっけー。もしこの前みたいに遅刻してきたらカフェ代全部、翠のおごり決定ね。」
「わかった。がんばるわー」
「はいよー。」
そうやって、ひまりはいつも優し過ぎる。彼氏とデートがあるにも関わらずわたしだったら準備は念入りにしたいから断るのに。ありがとう。ひまり!!
翌朝。目が覚めると、ピコっ。ラインが来た。あれ、まだ朝早いよなぁ。夜明けかぁ〜!!ってん??
「おはよー。翠ちゃん朝早くにごめん。ちょっと仕事の都合上14時は間に合いそうになくて、15時以降になっちゃうかもだけだ大丈夫??ごめんなー。」
なんだ、会えなくなっちゃったとかそういう連絡じゃなかった。良かったー。マッチングアプリは、ドタキャンとかもあるって聞いたことあるから、来週の水曜日までちょっと気が抜けなくなったけど、まぁなぎさんだったら来てくれるって信じよう。
あ、そうだ。今日はひまりと会う日だったー。時間は、凪さんのおかげで早く起きられたし、ありがとう。なぎさん。よしっ、メイクしてヘアセットしますか〜。大体、1時間あれば準備は終わるから、集合時間よりも早く到着しそうだなぁー。じゃあ、近くのカフェでちょっと勉強でもしますかー。頑張るぞ!!
って10時集合だっけ。今の時刻は、8時30分。大学までは、1時間かからないぐらいで着くとしてー。30分時間が余るからそこで課題でもやろうかなー。
ガタンゴトンガタンゴトン。朝の満員電車はほんとに嫌になる。まぁー、みんな大変な思いして、通学や通勤してるわけで。わたしだけじゃない。そういつも言い聞かせてる。
45分後、、、。
はぁー。やっと着いた。電車乗るだけでも結構体力いるよなぁ〜。みんなほんとにすごすぎる。尊敬だわーー。
「ひまりー!!今日はちゃんと間に合ったよ!!」
「おー!えらいじゃんって、別にいつも遅刻してるわけじゃないから。だからおっけ。あんたはかわいいんだから。わかってるー??」
「う、うん。いっつもそうやって言ってくれるけど、私のことほめてくれるのはいいんだけど、何も出てこないよ!?」
「 ん、もー。やっぱ何もわかってないんだから。かわいいって言われてるんだから。素直に、ありがとうって言ってにこって笑ってあげればそれでおっけーなのー!!」
「なるほどー!!いいこと教わった。それなぎさんにしてみようかな。ありがとね。ひまり。にこー!!」
「おー!!いい感じ。って。ちょっと待った。もう会うことになってるの??それはまだ聞いてないなー!まずは、一から説明してもらおうかー??」
「おっけ。そうだよね、それで今日会える??って聞いたんだけど。」
「なるほどね。まあ、なんとなくマッチングアプリ関連なのは察してたよ。」
「ありがとう。ほんとにその通り。別にうまくいってないとかじゃないんだけど、一応ひまりからマッチングアプリの提案してもらったんだし、ひまりは彼氏もいるし、だから相談とまぁちょっとした報告??みたいなのしたくて、、、。今日は、私がひまりのこと呼んだんだからもちろんカフェ代は払わせて!!」
「おっけ。って相談って何??カフェ代出してもらえるのは助かる。バイトの給料日前で結構今厳しいんだよね。だから、嬉しい。ありがと翠❤︎」
「まぁ、まずは今度の水曜日マッチングアプリの人と会うことになってさ。相手は23歳で少し歳離れてるんだけど、美容師の仕事してる人で、いい人なのね。まぁいい人なんだけど、顔写真とかは交換してなくて、当日めちゃめちゃおじさんが来るかもしれないしちょっと心配ではある。
良かった。全然。遠慮せずいっぱい食べてー。」
「 えーー??それは、んー。まず顔写真はマッチングアプリ必須だし。なんでわざわざない人を選ぶわけ??すいは、ちょっとおばかさんなのかなーー??
そうやって、自分の中で違和感みたいなのちょっとでもあったらそれは自分を信じてあげなきゃなんじゃないの??わかる??」
ひまりは少し動揺しているように見えた。あたふたしていて、いつもより身振り手振りが大きかったから、かなり焦っているようで。
「でももう、会う約束しちゃったのね。」
「んー。わたしは反対かなー。親友として言わせてもらおうか。翠の安全を1番に考えた時にマッチングアプリは、疑いの目も忘れちゃいけないのね。それをまだすいは、わかってない。だから。今回のところはごめんなさいってしなさい。わかった??もっといい人なんて山程あるから。今回ですべて決まるわけじゃないよ。分かってくれるかな??」
「そうだよね。自分の直感信じてあげなきゃだよね。ありがと。ひまり。今回のところは、断念するわ。
やっぱりひまりに相談して良かった。」
こうして、大学1年生の恋愛は幕を閉じた。