第二章その七 『幸夢エンドロール②』
「――うわぁぁぁぁ!!………ハァハァ、ってあれ?」
「がうる」
どうやら先程までのは夢だったようだ。
センスはいつも寝ているソファーの上で目覚めた。
やけに胸に圧迫感を感じると思いきや目の前でケルベロスが嬉しそうに尻尾を振っていた。
「よょ、やっと目覚めたよーじゃの、モミ、カコ、センスが目を覚ましたぞ!」
「おはようセンスくん、うなされてたみたいだけど大丈夫?あっこれ今日の朝ごはん……といってももうお昼過ぎだけど、僕が作ったんだ、よかったら食べて」
「ありがとうっす」
カコからサンドイッチを乗せた皿とオレンジジュースの入ったコップを受け取ったセンスはとある事に気づきそれらを目の前の机に置き左腕を動かす。
やはり、昨夜あれだけ動かそうとして動かせなかったのが嘘の様に自由自在に動かせるのだ。
不審に思ったセンスが袖を捲り確認するとそこにはちゃんと刺された跡は残っていた。まるで夢じゃねぇぞと嘲笑っているかのように……。
「どーしたのじゃ?」
「左腕がどうかしたのセンスくん?」
「いや、別に、いただきますっす」
不思議そうに見てくる二人をよそにサンドイッチに手を伸ばすと
「ーーセンス食べ終わったらちょっといいか?」
部屋の隅にいた樅木に声をかけられセンスは
「……はい」
とだけ答えサンドイッチを小さく齧った。




