第二章その6 『レッドナイフ&レッドアイズ②』
「うぉっ!」
またもスカルが襲い掛かりながら樅木の顔面に向けてナイフを振ったが、樅木はなんとか間一髪で時を止めると一歩下がって避けた。
「惜っしい! もう少しで両目とも眼帯の最高にクールになれたのにぃ〜。っってなんでテメェがそのナイフ持ってやがる、返せ!!」
再度スカルは斬りかかる。本当に視力は戻った様で、樅木の腕を狙う攻撃は先程よりも正確になっていた。
だが揉木も再び時を止め二歩後ろに下がり躱す。
「ありりりり?見誤まったぁ〜?まだ瞳が本調子じゃないみたぁ〜い」
スカルはぐりぐりと目を擦り
「これでおっけぇ、うん、クソダサ眼帯がよく見える、殺苦殺苦ッと殺っちゃうぜい!うらぁ!」
スカルはまたしても飛びかかるが、樅木はこれも時を止め回避する。
「――あり〜ん、なんでだぁ〜? なんか可笑しいなぁ〜、可笑しい、可笑しい、お菓子はいい、な〜んちゃってぇ〜キャハッキャハッ」
持っているナイフをペン回しの様にクルクルとちょうこうそくで回転させながらスカルは自分で言った洒落に笑う。
「くだらねー洒落言ってんじゃねーよ、今時ガキ向けの漫画でもそんなつまんねぇギャグつかわねぇよ」
「言ってくれるねぇ〜俺ならそんな漫画ありゃ百通のファンレター出してやるぜぇ〜ーーと・こ・ろ・で」
「あ?」
「あんた、もしかして能力もってるんじゃなぁい?」
「は、能力?なんのことだ」
「隠しても無駄よぉ無駄無駄無駄ぁ!! 僕ぴー、あなたの能力がわかっちゃたんだからぁ」
スカルは回していたナイフをピタッと止めそれを樅木に向ける。
「へぇ、言ってみろよ」
「あんちゃんの能力――ズバリ、瞬間移動だろぉ〜!」
「……正解だ、まさかこんなに早くバレるとはな」
樅木は堂々と嘘をついた。こう言う人間にはなりたくないものである。
「へへ〜ん、やっぱりね!僕ちゃん天才、俺ちん最高〜!!」
瞬間、センスの視線上から樅木の姿が消えた。
と思ったら少し視線を横に移動させた位置に樅木の姿があり、それが消えたかと思えばまた少しずれた場所へ樅木の姿が出現する。
チカチカとまるでフラッシュライトの点滅ように現れては消える樅木の姿。
それはなんだか見続けているだけで気分が悪くなるような光景だった。
「おらっ!!」
ずっと点滅していた樅木が蹴りを繰り出すとそれはスカルにクリーンヒットした。
「あ痛っーい!!」
スカルの小柄な体は中を舞いつつもそれが地面につくことはなく綺麗な着地を決めてみせた。
「強い強ーい!! あんたチート能力じゃんか!!」
蹴りをまともに喰らったはずが対してダメージを負っていないスカルは軽口を叩く。
「――で、分かったろ?俺はお前の攻撃は全部瞬間移動で避けれるんだぜ、お前に勝ち目はねぇよ」
「……たしかにそうかもなぁ」
「だろ?大人しく帰ったほうが身のためだぜ」
「でも俺様天才だからよう、いい事思いついちまったぜぇ〜!」
そう言うとスカルは突然持っていたナイフで自分の掌を深く刺したのだ。




