第二章その五 『スカルアウトロ③』
「っぐあっ、っってめぇ!」
突然のことに驚愕しセンスはスカルの胸ぐらから咄嗟に手を離し二の腕を押さえた。
「ま〜ま〜そう怒りなさんな、痛みもそこまでひどく無いでげしょ?」
胸ぐらを離され自由の身となったスカルは掴まれた時に外れた胸元のボタンを戻しながらケタケタと笑って言う。
言われてみれば痛覚を消した覚えはないのに大した痛みもなければ、出血もほぼ無い。
だが、奇妙なことに肩から先はだらんと垂れた状態から動かす事が全く出来ない。
「ど~う? まるで遊びまくってイカれた玩具みたいに上手く関節を動かせないでしょ〜」
「……これが」
「んんんん〜?」
「これがお前の能力なのか!?」
「これってのは何かなカナリア、もしかしてうまく腕が動かせなくさせる事の事かな? かなかなカナブン?」
「それ以外ねぇだろうが!」
「ざんね〜ん、大外れ!! キャハッそれは俺ちゃんの能力じゃないざますーー言うなれば必殺技でざんすね」
「………必殺技?」
「そう! 必殺技!! 名付けて玩具破壊なりぃ!! すごいでしょ、いっーぱい練習したざんす!」
その答えを聞いてセンスは自身の血の気が引いていく感覚をたしかに覚えた。
これほど素早く、正確な位置を刺すことのできる技術を習得するために一体どれだけの人を練習台にしたのだろう……数十人、いやもしかすると百人を超えているかもしれない。
しかも先程刺した時一切躊躇う事なくそれどころか笑っていた。
「あぁ、勘違いしないでね必殺技と言っても必ず殺す技ってわけじゃないからね。だってそうだよね、そうだよね玩具は殺せないよね? みーんな望まれない贈り物は壊すよね? そうでしょ? だから僕もそうするの」
スカルの発言にゾクリと一気に背筋が凍った。
もしかすると目の前の少年は人を刺す事を遊びという日常生活の一つとして、他人を玩具の様に壊しても変えの聞く代用品に過ぎないと考えているのかもしれない。
「ま、めんどくさい説明は後にしてとりあえずついてきてよ、“算数スカン”に戻ってきたら正式に“デリートギフト”の仲間に入れてあげるよ、きっとみんなも歓迎してくれるさぁ〜、大人しくついてきてくれないっていうなら他の手足も動かないガラクタにしてあげるよぉ〜」
「っう、うわぁぁぁ」
センスの頭の中を占めていた怒りという感情がすべて恐怖で塗りつぶされ、その結果無様にもスカルから背を向けて逃げ出した。




