57話 VSクレス
さて、今日はセミファイナル――準決勝だ。
3回戦は2回戦(53,54話)のようにはいかなく、モブだったため瞬殺できた。
そして気になる相手は――皆さんご存じクレスだった。また死なないといいな。(^▽^)/
★★★★★★
「さぁーて残すは4試合。会場も激アツのアッツアツに盛り上がっています!そして準決勝で当たるのは危なげなくここまで上がってきたテル=ハングルぅー!!!」
と、よく俺の紹介が尽きないなと感心しながら会場の温度が上がっていくのを感じる。なんか熱いな。
「そしてそれに対するはぁー!圧倒的な才能と魔力を持ち、皆さんご存じの魔女と同じ名前を持つクレス=モデラートぉー!!!」
紹介された当事者は、なんだか機嫌が悪そうだ。
「さあ、対戦スタァートォーー!!!」
マイク片手に初日と大差ない調子で始まる。すごいな。あんなテンション4日も維持できないぞ。
すると、クレスは二の腕と同じくらいの長さの杖をこちらに向けると、詠唱をせずに赤い炎を杖の先から放った。
その炎は瞬く間に俺の目の前に来たので魔法障壁であっさりと防ぐと、杖から透明な氷がこちらに向かってきた。
しかし、氷と視認した時には障壁は破られており、もう死にたくないのでテレポートで虚空へ逃げる――と思ったらなぜかテレポートは発動しなかったので、仕方なく向かってくる氷を風圧で粉々にする。
クレスの方を見ると、チッと舌打ちをし、会場を包み込むような巨大の魔法陣を展開した。
「【アンリミテッドタイム】」
そして、一瞬まぶしい光を放ったと思うと、特に変わったところはないような・・・?
すると、クレスは「【シャインインパクト】!」杖から強大な魔力の塊の光を放つ。
それも一つだけではなく、数える暇もなく無制限に増えていく。ちょっとやりすぎじゃね?
あー。また死ぬよ。だが、しかし!俺は用意してきた。対クレス用の必殺技を!
「【崩壊】」
というと魔力の光は次々と消えていく。杖から出ては消えての繰り返し。正直この技を撃ち続けるのはきつい。だが、俺の魔力をバカにしないでほしい。まあ、もって10分くらいか。
多分あのアンミリテッドタイムっていう技は、名前とかからするに“魔力が一時的に無制限になる”とかだろう。じゃなきゃあのあり得ない量の魔力はおかしい。あるいはクレスならあり得るのかもしれないが。
とにかく、アンミリテッドタイムが切れるのを待つ。終わるのを願う。無限に撃てたらそれこそチートだからな。
くそっ。どいつもこいつもチートすぎなんだよ。魔法ではクレスに勝てないし、剣ではホムラに勝てない。誰か絶対仕組んでるだろ。
ん?防戦一方でダサい?そんなこと言ってたら一瞬で負けるつーの!こいつらは正攻法じゃ勝てないんだよ。
さて、いつまで耐えられるかな?
と、フラグっぽいことを言ったのが悪かったのか。
アンリミテッドタイムは解除され、クレスはぱたりと前のめりに倒れる。そして起き上がったかと思うと、いきなり会場を破壊し始めた。
さっきの威力ほどではないものの、石やレンガの階段などをボンボンバチバチしている。
これは確か魔力暴走とかいう奴だ。強大な魔力に体の制御が効かず、暴走を始めるという。たぶんアンリミテッドタイムのせいかな。
こうやって悠長に話しているが、早く止めないと死人が出る。めでたいことで死人をだしたくはないので止めようと思う。
しかし、どうやって止めるか。さっきも言ったが俺は魔法ではクレスに勝てない。おそらく宮廷魔術師と言われる奴らや、魔術講師でも勝つことはできないだろう。
仕方ない。寝技に持ち込んでから止めるか。
女の子の体に触れるのは少し抵抗があるが、まあ頑張ろう。
まずは近づいてっと、手を掴んで——。
手を掴もうとすると、バシっとはじかれた。ま、まさか——。
身体能力が上がってる?
さてと、仕方ない。必殺技②を発動するか。
「【エンペラータイム】」
エンペラータイムは敵も味方もバフもデバフもダメージも回復も全く効かない。無敵だ。
そして再びダッシュして手を掴む。そして床に倒す。
「奥義、【戻れ!】」
すると、暴走しているクレスを止める。
『戻れ!』と、『エンペラータイム』を並行使用すると、限界を越える。
プチっと糸が切れるように前に倒れた。




