40話 夏休み
「よし、これで授業は終わりだ。というわけで明日から夏休みだ!キリツキョーつけさようなら!」
待て待て早い早い。
アンが慌て気味で号令をする。
「ちょっと待ってくださいよ。早いですよ。」
慌てすぎだろう。夏休みは長いんだから落ち着けばいいのに。
「どうしたんですか?そんなに慌てすぎじゃないですがか?」
それな!
「いや私はこの後先生たちの飲み会があるから早く飲みたいから早よ早よ。」
そういうのあるんだ。
別にそんな慌てなくてもいいだろ。
「ああ、そういえば宿題とかあるけどまあどうでもいいわ。」
おい。何がどうでもいいのか。
「はあ〜。ボーナスいくらかな〜。」
あーもうだめだ。ボーナスがいくらか考えてる。これが教育の闇か・・・
「やっぱね〜ビールを飲みながら酒のつまみを食べるのが最高なんだ。」
子供に何言ってんだ。
「それな!」
は?
それなと答えたのはコアー。共感しているという。これが仕事の闇か・・・。
「うんまあ、そんなことどうでもいい!キリツキョーつけさようなら!」
「「「「「さようならー。」」」」」
さてと待ちに待った夏休み!何しようか考えながら家に帰った。
★★★★★★
帰ってきた家。アイスの時に帰ってきたな。
「ただいまー。うわっ。」
帰ってきた実家は妙に静かでホコリっぽかった。というかそこらじゅうにホコリがある。
「おーい。誰かいないのかー?え?は?」
「お、おかえりなさいませ・・・。テル様・・・」
誰かいないか声を出したらディムが倒れていた。
見た感じ、過労って感じだな。
「お疲れ。とりあえず休んでおいてくれ。」
「ありがとうございます・・・。」
「おっ。にいちゃん帰ってきた!おとーさーん!にいちゃん帰ってきたよー!」
エマがお迎えに来てくれる。
「おお!テル!久しぶり・・・ではないか!」
うっさい。俺は人差し指で耳を塞ぐ。
「俺はどういうこと?なんかちょっと静かで汚いけど・・・」
「ん?ああ実は他のメイド全員がが夏休みで休んでしまってな。ディムが掃除しきれてないのだ。全く、仕事を真っ当して欲しいものだ。」
は?
何言ってんだよ。頭沸いてんだろ。
というかなぜ一気に夏休みを取らせた。
「過労で・・・」
「ん?なんだ?」
「過労で人は死ぬんだぞ!?(実話あり)」
ビクッ、っとエマが驚く。
「うん、まあいいけど。お母さんとエミは?」
迎えに来たのは父と双子の姉だけだ。
「うん?お母さんとエミか。おーい!ディー!エミー!テルが帰ってきたぞー!」
「はーい。」
呼び声が聞こえると返事が返ってきた。
数秒経つと、まあ大層な美人が階段から降りてきた。
「まあお帰りなさ〜い。テル君!」
これが俺の母親ディアル=ハングルだ。
説明している間にもギュッと抱きしめてくる。俺をマザコンにしようとしているのだろうか。
ああ、鬱陶しい。
で、俺はこの人を見て思った。
「ダメ人間だな〜。」と。
まあなんでそう思ったかというとパジャマだし、髪ボサボサだし。
そんなことはどうでもいい。
働いていない貴族続。
こうして俺の最初の夏休みは始まった。




