38話 トラウマ
「暇ー!」
休日は相変わらず暇だ。
「ん?なんだこれ?」
手紙のような紙切れが机の上に置いてあった。
ぺりっと封を切り、中身を見る。
テル=ハングル殿
ヤッホー!元気ー?白金貨四枚ありがとねー!
ところでパーティー招待するから来てね!
あ、一回家帰ってきてね!絶対だよ!
父親より
なんだこれ。
封筒の雰囲気と全然違うんだけど。ていうか父親こんなキャラだっけ?
俺のいない間に何があった・・・
パーティーの開催日は今日の日付ぽいし、帰るか。
★★★★★★
「【テレポート】」
というわけで帰ってきました!マイホーーーーーーーーム!!!!!
コンコン。
バンッ!
「ただいまー!」
「おかえりー。兄ちゃん!」
迎えに来たのは次女のエマだった。成長早いな。まだ3歳なのに。
「おおー!おかえり、テル。」
でかい声で玄関に迎えてくれたのは俺の父、グフル=ハングルだ。でかい声は変わんねえな。
うんやっぱ広いわ。
寮とは比べ物にならないくらいに。
というわけで、スーツっぽい服を使用人たちに着させてもらった。
ちょっと恥ずかしかった。
★★★★★★
「というわけでパーティー行ってきます!」
「オウ!行ってきて楽しんで来なさい!あと・・・」
ハリのある声で叫ぶように言う。うっせえ。
「?」
「気をつけろよ?」
?
「うん。よくわかんないけど気をつける。」
パーティー会場に向かった。
★★★★★★
【テレポート】
ついた。ついでに『テレポート』も無詠唱で使えるようになった。
すっげー。城みたいな建物・・・ていうか城だわ。
中に入るとめちゃくちゃでかいシャンデリアがたくさんあった。落ちたら大変そうだ。
このパーティーはその辺の貴族主催ではなく、王族主催のパーティーなのできっと豪華なんだ。
???
この国だと貴族とか王族は働いているんじゃなかったの?実力主義は?
???
考えないことにする。
周りを見渡していると知っている顔もちらほら、知らない奴がほとんどだが。
え!?コアー貴族なのか。こいつの領地の終焉も近いか。
ちょんちょん。
「だれ!?」
「うおっ、びっくりした。俺だよ。テル。」
疲れを感じさせるような表情で大きな声を出す。
「ああ、あんたね。思わずナンパしにきたチンピラかと思ったわ。」
ん?ナンパ?チンピラ?
「あんた、こういうパーティーとか初めて?」
「うん、まあそうだけど。」
「そう。なら経験回数が先輩の私が教えてあげるわ。」
言い方変えようか。
ていうか上から目線うざいな。
「気をつけなさい。」
「は?」
父親と言い、こいつと言い、なんなんだ?
「それじゃあね。」
「それじゃ。」
ちょっとよくわかんなかった。
まあ一応気をつけておくか。一応ね。
しばらく待っているとマイクのような音が聞こえる。
「では第39回王族主催のパーティーを始めます!それでは、乾杯!」
「「「「「カンパーイ!」」」」」
39回・・・少しやりすぎな気もするがそれは置いておこう。
料理は寮の月一のバイキングの完全上位互換だ。
ぱく。
「うまっ!」
なんだこの肉!なんかうまい!なんかうまい!(語彙力)
「ねえねえ君、テル=ハングル君かな?」
俺より一回りでかい幼女が話しかけてくる。
「そうですけど。なんですか?」
「ちょっとこっちでお話ししない?」
えー。やだー。
「あはは。ちょっとごめんなさい。」
「そう。残念。」
ぷくーっとほおを膨らませて拗ねる。
「それじゃあね。」
「あ、それじゃあ。」
「ねえねえ君、テル君だよね!ちょっとこっちきてよ!」
★★★★★★
うぷっ。おえええええええええええええ。
「はあはあ。うぷっ。」
きもち悪っ。吐きかける。
あの幼女に話された後から女子に話しかけられまくった。
同世代から前世の俺と同年代まで。とても嬉しくないハーレムだった。
ごくごく。
「はあはあ。」
とりあえず水を飲む。
水うめー。こんなに水がおいしいと思ったのは初めてかもしれない。
トラウマもんだ。
★★★★★★
「どうだった?」
どうだった?そんなの決まってるだろ。
「もう二度と行きたくな———、いやとても楽しかったよ。」
「おお、そうかそうか!楽しそうでなによりだ!じゃあ、次のも予約しておく———」
「じゃあ、俺も帰るわ。【テレポート】」
もう二度とパーティー行きたくない。




