25話 天才
「次の授業何?」
「多分体術だよ。」
「一緒に行こー。」
「おっけー。」
授業が終わり、楽しげな空気がその場を支配する。
さてと、次の授業に向かおうか。
俺は友達が余りいないので、休み時間に話す相手がいない。
主席、というのもあるだろうが、魔法で学校を半壊した事と、引きこもりのコミニュケーション不足が原因だと思う。
原因が分かったなら、対策を立てればいいと思う人もいるかもしれないが、俺は今はまだたくさん友達を作りたいとは思わない。
利用し利用され合う、ニセモノの友だちではなく、この人だけに心を許せる、的な親友を何人か作りたいと思っている。
まあ、リア充みたいな人混みは嫌いだし、今はまだ友達は数人程度でいいと思う。
・・・すいません。普通に友達出来ないだけです。
御託を並べすぎました。
ということを考えながら、体育館的な建物に着いた。
中にはまだ誰もいなかった。
さてと、約5分の間、何をしようか。
何をしようか考えていたら、人が集まってきて、あっという間に5分経ち、チャイムがなった。
★★★★★★
今回の授業は剣道みたいな剣術の授業だと。
体術、と言っても大きなわけ方で、体術をさらに大きく分けると、体術(柔道的な)、剣術(剣道的な)、弓術(弓道的な)の3種類に分けられるらしい。
体術コースか、剣術コースか、弓術コースか、全て試して、どのコースにするかを決めると先生が言っていた。
でも、どのコースを選んでもそのコースの授業回数が少し多くなるだけで、全てやるので迷う必要があまりない。
剣ってなんかカッコイイよね!
異世界を『剣と魔法の世界』って言うくらいだし。
世界の象徴と言っても過言ではないのだろうか。
幼少期に鍛錬(英才教育)で剣は散々習ったから、基本の構えくらいは出来る。
でも剣術に特価した人もいると思うし、俺の実力がどの辺かイマイチ分からない。
今日は好きな人と組むのではなく、ザクラット先生(一応読んどく)が事前に決めていたらしい。
あいにく、クラスの中心(俺を除く)にはとても不好評だったけれども、俺たちみたいな陰キャには孤立せずに、辱めを受けずにペアが組めるのでとてもありがたい。
というわけで俺のペアになったのがこの赤みがかった茶髪の美少年?(美少女かも)だ。
見た目は男の子みたいな女の子的な感じで、男と言われても女と言われても納得できるような中性的な見た目をしていた。
目の色は黒と赤の混ざったような色で一つの宝石のように美しかった。
また、目鼻立ちは大変整っており、かっこいいとも思えたり、可愛いとも思える何とも不思議な気持ちになった。
「ねえ、名前なんて言うの?」
「ふぇっ!?」
ああ、いきなり話しかけたのが悪かったか。
「名前なんて言うの?」
今度は優しく話しかける。
「えっと、僕は、その、・・・」
「うん?」
「ホムラ・ツルギタニって言います。」
ツルギタニ?
ツルギタニって多分日本人の苗字だよな?
多分こんな感じ(剣谷)
ホムラは・・・炎こうかな?
キラキラネーム。
親は何でこんな名前にしたのか。
生まれた時に火事にでもあったのか?
まあ、そんなことを考えても仕方ない。
んじゃ、考察タイムもここまでにしておいて、授業に戻りますか。
★★★★★★
と言うわけで今は素振りをしている。
「よし、あと素振りは100回やってください。」
100回か。
多いようで少なくとも言える。
素振りなんて意味ないと思うかもだけど、それなりに意味がある。
何とこの世界、刀を振るだけで経験値がもらえるのだ。
なので今さっきレベルが1上がった。
そして俺とペアになったこのホムラとか言う美少年、剣の筋がいい。
いや筋がいいなんてもんじゃない。
もう断言していいだろう。
こいつ天才だ。
そうこの美少年、天才的な才能を持ってる。
さっき『神鑑定』でみた。
スキル欄に『炎』っつう見るからにやばそうなスキルと、『剣聖』っつうもんがあった。
更に詳しく見ると、剣の才能の数字がカンストしていた。
・・・まさに剣を振るうために作られた人間と言う感じだった。
何で日本人の名前なのか気になるが・・・次は剣の打ち合いだと。
★★★★★★
カンっ!カンっ!
木剣と木剣の打ち合う音が体育館中に広がる。
「じゃあ、俺たちも打ち合おうか?」
「う、うん。」
俺たち2人は位置につく。
「おーい。もういいか?」
「うん。いいよ。じゃあまず僕からっ」
ホムラは地面を蹴り素早く移動する。
ビュン!
風を切る音がする。
気づいたらホムラが目の前にいた。
「はやい─ ─ ─」
【カウンター!】
バヒュン!
ふう、危ない。
カウンターは『剣士』スキルにある技の一つだ。
敵の攻撃を見切り、そのまま攻撃する。
でも、早すぎるのは反撃できないから意外と使えないこともある。
こいつがまだ未熟でよかった。
ちょっと育てたら化けるな。化け物に。




