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2年E組のEは……

「あ、すみません。自己紹介忘れてましたね」


 教室に向かっている途中に突然振り返って言ってくる。


「私は姫野花音ひめのかのんって言います。明日から君の入る2年E組の副担任です。担任の先生は……まぁ、明日には会えると思うから明日にでも挨拶してね」


 明日には会えると《《思う》》って.......


「姫野先生ですか。よろしくお願いします。その担任の先生は今日は来てないんですか?」


「来てないというか……聞いてくれる?皐月家なんて言う名家の推薦できた子の案内と説明があるって昨日言ったら今日の朝ちょっと山登ってくるって連絡が来てね?なんでそんな急に?!って聞いたら」


 まぁ、そう聞くのは普通のことだよな。ここまではおかしくなかった

 で、急な用事とかなら俺も納得できたんだが.......


「そこに山があるからとか、山が私を呼んでいるとか言い出してそしたら名家の推薦の子の案内なんていう大役を私に任されたわけ……ほかの先生も『担任が居ないなら副担任が代理を務めましょう』って全部丸投げされてね?それで――――」


 いや、おいおい。


 なんて名前の登山家だよ。マロニーみたいな名前なのか?


 というか不満溜まってるなぁ。あ、ほらほら今関係ない愚痴まで言ってるよ?


「っというふうな感じでですね……すみませんこんな愚痴ばっかり言って」

「いえいえ、苦労してるんですね」

「ほんとにそうなんですよあの人は……私が生徒の頃から何も変わらない」

「生徒の頃ってその先生長い間勤めてるんですか?」

「うん。あの先生今年で18年目くらいだったはず」


 俺が生まれた頃からここに勤めてるのか。


「私が7年前まで通ってた時には既にこんな性格だったのよ」


 7年前……


「あ!女の人の年齢を計算しようとしない!」


 25かぁ……若い先生だなぁ。


「というかなんでそんなに俺の案内とかが大役ってことになってるんですか?」

「いや、それはこの地域どころかその血筋は日本全域に影響力持ってるような人から推薦を受けて校長が直々に丁重にもてなすようになんて言われたので何かあったらいけないとか、そーゆー事で大役なんですよ」


 なんか俺めっちゃ重要人物として見られてたってことか……

 まぁ、皐月家って文句なしの本物の名家だしな.


「でもそんなに気負わなくてもいいですよ。俺自身は皐月家となんて関わりほぼないですから」


 ……これからはガンガン関わり持たないといけない気がするけど。


「ま、私が何か失敗してもあの人のせいにして私は逃げるから口裏合わせてくれると嬉しいな」


 だめだ。この先生も色々とダメな気がする。


 女子校ってこんなもんなのか?


「着いたわここよ」


 するとすぐそばの教室の扉を開けてくれる。中は聖光高校のような一般的な教室を1段グレードアップしたような教室だった。


 椅子は社長が座るほどとは言わないが高級そうなもので、机は大学のように横長のもので床も少し斜めっている。


 黒板も2枚回しながら書くものだし。


「ここは2年E組通称ENDのE組」


 え?まじで?アレ実在してるの?!


 ヌルフフフとか言ってくるタコでもいるのかな。


「なんてことはなくて逆の特進クラスよ。この学年は特に皐月家の方がいるってことでお偉いさんが張り切って中を全て新調したわ。何回みても羨ましいな。私も同じクラスだったのに全く違うもの」


 違うんかい!!まぁ、考えてみたらENDのE組だったとしたらこんな高級そうなものは使わないよね。


「君の席はここよ」


 姫野先生が最後列の一番窓際のまさにあとから付け足したような席を指さす。


「あ、あれですか……」


 困惑しながら聞いてみると


「ひゅうひゅう」


 なんかそっぽ向いて口笛吹いている。いや、吹けてないけど。ってか、そんなテンプレ反応求めてねぇよ!!


「しょ、しょうがないじゃない。急な事だったんだから……」


 そ、それはそうだけどさ?!パイプ椅子と壊れかけの机ってどういうことだよ?!!泣くぞ!!

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