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61話 『特殊六系統』

 

「さて、次は『特殊六系統』だ」

 机に突っ伏す隼人を無視して、アレンは言う。


「『特殊六系統』には『創造型』、『動物型』、『干渉型』、『事象型』、『自然型』、『特異型』がある」

「まだそんなにあんのかよ……」

 げんなりとする顔をする隼人。


「まあまあ、君たちにも関係する大事な話だから、最後まで聞いてくれよ」

 アレンは苦笑しそう言うと、充の方を向く。


「充、やってくれるかい?」

「わかった」

 頷いて席を立つ充。

 皆の視線が充に集まる。


「さ、皆。これから説明するのは『創造型』についてだ。充」

「ああ」

 充は腕を前に出す。

 その手に魄が集まり、形を取る。


 銀色に光る、一丁の拳銃。


「おお……」

 心が感嘆の溜め息を吐く。


「『創造型』は、このように魄を実体のある物に変化させる力のことだ。ありがとう、充」

 アレンは充の持つ銃を指して説明をする。

 頷き銃を消すと、充は椅子に座る。


「さっきの『変化型』とは何が違うんだ?」

 手を挙げる珠輝。

 それを驚いたように見るアレン。


「よく気付いたね。『創造型』は『変化型』の変異種なんだ」

「似たようなもんってことか?」

「その通り」

 心の言葉に頷くアレン。


「その違いは、出せる物の自由度によるんだ。例えば、『変化型』は火や水などを出して、その形状なども操れる。けど、『創造型』で作れるものの形状は変わらないんだ」

「んん……?」

 眉根に皺を寄せる日和。


「例えば、充の能力は『銃』を作り出すものであって、その銃を『剣』とかに変形させることは出来ないんだよ」

「出来ないわけではないが、難しい。この銃一丁作るのに五年はかかったからな」

 アレンの言葉を引き継ぐ充。


「それってかなり不便じゃないのか?」

 腕を組む珠輝。

 しかし、アレンは首を振る。


「確かに形状の自由度は『変化型』に劣る『創造型』だけど、それを補う長所があるんだ」

「それは?」

「作り出した物への、『特殊能力』の付与だ」

 首を傾げる凜にアレンが答える。


「ああ、そう言うことか。充の『銃弾』にいろんな種類があるのは、それがあるからか」

「その通りさ。『創造型』の創造物には特殊能力があることがある」

 納得したように言う珠輝に、アレンが頷く。


「さて、次は『動物型』だ。『動物型』は肉体を動物に変化させる能力さ。それは、一部だったり、全身だったりするけどね」

「あれ、さっきも似たようなのがあったような……」

 首を傾げる実辰。


「そう、その通りさ。『動物型』は『変成型』の変異種なんだよ。その違いは、動物が混じるか、そうじゃないか、だ」

「なるほど」

 頷きながら実辰が言う。


「次は、『干渉型』だ」

「また難しそうなのが……」

 顔を顰める隼人。

 そんな隼人に、アレンは苦笑する。


「まあ、確かに『干渉型』は複雑な能力だ。なにせ、『干渉型』は『増強型』と『操作型』の混合種だからね」

「二つの系統が混ざった能力もあるのか」

「ああ、あるよ」

 珠輝の言葉にアレンが頷く。


「『干渉型』は周囲に干渉して、何らかの変化を与える能力さ」

「どんなものですか?」

「うーん、そうだね……」

 一華の問いに首を捻るアレン。


「例えば、触れた物体を『溶かす』とか『直す』とか」

「ああ、そういうヤツか」

 アレンの例えに、納得したように頷く心。


「さ、じゃあ次は『事象型』だね。『事象型』は文字通り、事象を操る能力さ」

「ほう、そく……」

 口を半開きにして、隼人が呟く。

 もうそろそろ、限界が近いようだ。


「『事象型』は『干渉型』の変異種さ。違いは簡単。事象を操るか、そうでないか」

 指を立てるアレン。


「た、例えば……?」

 隼人がげっそりとした顔で訊く。


「そうだね。『落下』や『衝撃』とか、身の回りで起きる出来事を操れる能力が『事象型』だ」

「も、もう、限界だ……」

 そこで、ガクッと崩れ落ちる隼人。


「まあ、あと少しだよ。なにせ次は、君たちの能力である『自然型』だからね」

 その言葉を聞き、バッと起き上がる隼人。

 それを見て、苦笑するアレン。


「『自然型』は『変化型』、『操作型』の混合種だ。そこに稀だけど『変成型』も混じる」

「なんか、多くね?」

 困惑した様子の隼人。


「まず、簡単に『自然型』の能力を説明しよう。一華、君の能力で例えてもいいかい?」

「どうぞ」

 頷く一華に一礼して、アレンは続ける。


「例えば、『炎』に自身の魄を変化させる『変化型』、『炎』を操作する『操作型』。これが『自然型』の基本だ」

 その説明に頷く一同。


「さて、次に『変成型』だけど……珠輝、君は“自然体(プリローダ)”を使えるんだったよね?」

「はい」

 アレンの問いに頷く珠輝。


「『自然型』に稀に発現する、肉体を自然に作り変える“自然体(プリローダ)”。これこそが、『変成型』なんだ」

「なるほど。確かに、肉体を変化させている」

 頷きながら珠輝が言う。


「そうさ。これで『自然型』の説明は終わりだ。次で最後なんだけど……」

 そこで困ったように頭を掻くアレン。


「次の系統、『特異型』ってのは、言葉通り特異的な能力でね。説明が出来ないんだ」

「特異的な?」

 首を傾げる実辰。


「うーん。取り敢えず、『どの系統にも当てはまらない能力』が『特異型』だと思ってくれていいよ」

 そこまで言うと、アレンは瑠香たちを見渡す。


「さて、これで一応系統の説明は終わりだ。何か質問はあるかい?」

「はい」

 そこで手を挙げる珠輝。


「人の能力の系統はどう決まるんですか?」

「お、いい質問だね」

 感心したようにアレンが頷く。


「系統は生まれつきみたいなものさ。人にはそれぞれ適正の系統があるんだよ」

「その適性の系統以外の系統って習得できるんですか?」

「ああ、できるよ」

 日和の問いに頷くアレン。


「ただし、おすすめはしない。適性の倍以上の時間が掛かる上に、完成しても適性のものより精度が落ちる。簡単に言ってしまえば弱いんだ」

「なるほど……」

 納得したように頷く珠輝。


「なあ、俺もいいか?」

「もちろんだよ」

 心が手を挙げる。

 笑顔で頷くアレン。


「能力って、何個も作れないのか? いっぱいあった方が強そうだろ?」

「複数の能力を持つことはできるよ。ただ、これもおすすめできない」

「なんでだ?」

 アレンの言葉に首を傾げる心。


「能力には練度ってものがある。鍛えれば鍛えるほど威力や精度が上がるんだ。別の能力を習得する暇があったら一つの能力を極めた方がいい」

 指を立てて言うアレン。

「そうなのかぁ」

 少し残念そうに言う心。


「ま、二個くらいなら練度を保ったままでも使いこなせるだろうね」

 苦笑してアレンが言う。


「さて、質問は以上かな? 今日はこれでお終いだ。長々と聞いてくれて感謝するよ」

 そう言い一礼するアレン。

 まばらな拍手が鳴り響く。


 その時、ぐぅ、と言う音が鳴る。

 腹を抱えて隼人が溜め息をついた。


「なんか、腹減ったな」

「ああ、もうそろそろお昼の時間だ」

 時計を見てアレンが呟く。

 それを聞き、飛び起きる隼人。


「よし、昼飯だ!」

「昼飯!」

 拳を突き上げる隼人に、心が続く。


「じゃあ、お昼にしようか」

 アレンのその言葉に席を立つ瑠香たち。


 そうして、その場は解散となった。 


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