40話 模擬戦
「名前?」
実辰は首を傾げる。
頷くリー。
「そ、技の名前。決めた?」
「でも、技の名前叫ぶのって、アニメとかマンガの中の話じゃ……」
「あにめ? まんが? なにそれ?」
なんだそれは、と首を傾げるリー。
「あ、そっか……こっちにはないんだった」
「それがなんなのか、全くわからんけど……取り敢えず、『魄練』と『技』には名前つけといたほうがええで」
リーは言う。
「なんで?」
「なんか、難しい理論があるんよ。忘れたけど」
「ええ……」
呆れた顔をする実辰。
「『魄練』に名前を付けた方がいいのは、『魂が籠るから』って私は聞いたにゃん」
そこでティアが口を挟む。
「『魂が籠る』ってなんだ?」
珠輝がティアに訊く。
「名前を付けるのは『魂』を分け与えることだって聞いたにゃ。詳しくは知らないけど、付けた方がより強くなる、らしいにゃん」
「強くなる、か。なら考えていいかもしれないな」
珠輝は頷きながら言った。
「私、どうしようかな。氷……、氷かぁ」
実辰は首をひねって唸る。
「なぁ、タマキ。模擬戦やらん?」
「いいぞ」
悩む実辰を他所にリーと珠輝は模擬戦を始めようとしていた。
この二人は全く噛み合わなそうなのに、結構仲がいい。
最初に殴り合ったと聞いたが、それが原因だろうか。
実辰は『魄練』の名前を考えながら、二人の模擬戦を眺めることにした。
先に動いたのはリーだ。
実辰が、ギリギリ目で追えるような速度で疾走するリー。
その拳が珠輝に迫る。
しかし、リーはその場から飛び退き、珠輝から距離を取る。
次の瞬間、リーのいた場所を砂が飲み込む。
「あぶなぁ。相変わらずの速さやな」
「だが、避けられた。改善点は多い」
珠輝が言う。
その周りを砂が取り巻く。
「攻防一体。やっぱし使い方が上手いわ」
「お前が言うか?」
珠輝は呆れたように言う。
リーの『鉄』の防御力は非常に高い。
ただでさえ硬い鉄が、更に『霊装』よってその硬度を増しているのだ。
しかも、その『硬さ』は『攻撃力』にもなる。
非常に強力な能力だ。
「確かにな。じゃ、この『鉄』、タマキならどう破る?」
「お前の能力から着想を得た。見てろよ」
そう言い、砂を動かそうとする珠輝。
その時。
「みんな~。ご飯できたにゃ」
気の抜けた声でティアが言う。
「ええー、今いいとこなんやけど……」
子供のように言うリー。
「いいから、温かいうちに食べるにゃ。じゃなきゃご飯抜きにゃ」
腰に手を当てティアは言う。
それを聞き、慌ててティアの所に向かうリー。
珠輝もその後に続く。
実辰も立ち上がると、みんなの元に向かった。




