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194話 “破壊光線”

 

 瑠香たちの目の前に転移してきたシルトは、瑠香を一瞥するとすぐに駆け寄ってきた。

 

「大丈夫か!? 怪我はッ!」

「だ、大丈夫です。軽いものばかりなので」

 すごい剣幕で瑠香に問い掛けるシルトに、若干顔を引きながら瑠香は答える。

 

「そうか、よかった」

 その答えにほっとしたように頷くシルト。

 

「それより、このバリアは……」

「俺の能力、“シールド”だ。硬くてなんでも防げる。俺の周りと、俺が力を込めた物の周りに張れる」

「それ、先に言ってほしかったんですけど……」

 瑠香が持っているお守りを指して言うシルトに、瑠香はジトっとした目をする。

 

「自分の能力簡単に教えるわけねーだろが」

「あいたっ」

 バリアを解いて瑠香の頭に手刀を入れるシルト。

 

「それで、あっちのほうは……」

 そう言いカラーの方を見る瑠香。

 その目は驚きに見開かれる。

 

「援軍連れて来たぜ。あの人は強えーぞ」

 そちらを見てにやっと笑うシルト。

 

 そこに立っていたのは、Nо.2ヒーローのデストロイだった。

 金の瞳を鋭く細めて目の前のカラーを睥睨するデストロイ。

 その身から滲み出る覇気に瑠香は少し気圧される。

 

「てめェ、あの雑魚が取り逃がした異能犯だな」

 カラーを見てデストロイが口を開く。

 

「くくッ……援軍、か」

 それには答えず、カラーはにたりと笑う。

 そしてそのまま一歩後ろに下がる。

 

「Sランクと、戦う気は、ない。少なくとも、今は、まだ」

「そっちにその気がなくても、こっちは違う」

 そう言い、一歩踏み出すデストロイ。

 

「殺す気で、行くぞ」

 その瞬間、デストロイの両手に眩い光が灯る。

 その輝きに、瑠香は思わず目を覆う。

 

 更に一歩退くカラー。

 

 その時、デストロイが叫んだ。

 

「シルトッ、バリア張れッ! 全力で行くッ!!」

 その瞬間、シルトが瑠香を抱きかかえて弾かれたように駆け出す。

 

「きゃ!?」

 いきなりのことに瑠香は驚いて悲鳴を上げる。

 それを無視して駆けるシルトは、すぐに充の元へ辿り着くとその腕を掴む。

 

 刹那、半透明のバリアが瑠香達三人を覆う。

 

「先輩ッ!」

 シルトが叫ぶ。

 

「応ッ!!」

 それに応えるデストロイ。

 そしてデストロイは両腕を体の前で構える。

 

 その瞬間、その手の光が更に強くなる。

 煌々と輝くその光に瑠香は目を閉じた。

 周囲の熱がだんだんと上昇していく。

 風が、デストロイを中心に吹き荒れる。

 

「──“破壊(デスト)”──」

 

 そして放たれる、光。

 

「──“光線(ロイヤ)”ァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 凄まじい轟音と共に爆風が吹き荒ぶ。

 辺り一帯が目を開けていられないほどの光に包まれた。

 

 その中で瑠香は聞いた。

 

「──ハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」

 高々と響く、狂人の哄笑。

 

 そして、光が収まる。

 

 爆心地のように黒焦げの地面の真ん中に立つデストロイ。

 そこから一直線に伸びる光線の焼け跡。

 

 そこには、誰もいなかった。

 

「勝──った……?」

 呟く瑠香。

 

 遠くから轟音が響いてくる。

 光線の余波が当たったビルが崩れている音だ。

 

「まーた、なんも残ってねーよ。気の毒に」

 シルトも呆れたように呟く。

 

「Sランクヒーローってのは、規格外の化け物しかいないのかよ……」

 シルトの向こう側から充の呟きが聞こえてくる。

 

 その瞬間、全身に痛みが走り瑠香は呻く。

 興奮状態で今まで気付かなかったようだが、大分怪我をしている。

 

 徐々に暗くなる視界。

 遠くから、シルトと充が呼ぶ声が聞こえる。

 

 そして瑠香の意識は完全に無くなった。

 

 



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