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185話 東区にて

 

「ふー、終わった終わった」

 手をブラブラと降りながら隼人は呟く。

 その目の前で、隼人によって気絶させられたメリアが光を放ちながら消える。


 それと同時に隼人の腕輪についたモニターに二百ポイントが加算された。


「お、増えた」

 それを見てなんの感慨もなく言う隼人。

 その時。


「──隼人!」

 道端に突っ立っている隼人の元へ駆け寄る一つの影。

 日和だ。


「おう、日和か。勝てたか?」

 顔を上げてそちらを見やり、隼人は笑顔を浮かべる。


「ええ、お陰さまで」

「そうか、そりゃよかった」

 頷く日和に笑いながら首を降る隼人。

 それを見て眉を吊り上げる日和。


「よかった、じゃないわよ。あんたね!」

 何故か怒っている様子の日和に隼人は首を傾げた。


「なに怒ってんだよ。ああ、あれか? 俺がポイント取っちまったの怒ってんのか?」

「違うわよ!」

 首を傾げたまま言う隼人に口を曲げて日和は言う。


「あんた、無茶しすぎ! 何で突っ込んでくるのよ! 馬鹿なの!?」

「馬鹿だけど?」

「ぐっ、そうだったわね……」

 あっけらかんとして言う隼人に悔しそうに顔を歪めて呻く日和。


「……でも、馬鹿でもわかるでしょ。突っ込んでくることがどれだけ危険かくらい。何でそこまでして──」

「そりゃ、お前のためだよ」

 そっぽを向いて呟く日和に真剣な顔で言う隼人。


「は!?」

 その言葉にバッと隼人の方を見て顔を赤くする日和。


「だって、困ってたろ? なら助けるしかねーだろ」

「た、確かに困ってたけど……わ、わたしの、ため……」

 頭の後ろで手を組んで言う隼人にモゴモゴと呟く日和。


 何で真剣な顔をしてこんなことを言えるのだろう。


 頬が熱い。

 恐らく今、日和の顔は真っ赤になっているだろう。

 隼人を顔を正面から見れない。


 チラッと隼人の顔を盗み見る日和。


 隼人はボケッとした顔で空を見ていた。

 そのアホ面にイラッとする日和。


 こっちが真剣に悩んでいるというのに、なんだこのアホ面は。

 大体、隼人は無神経すぎるのだ。

 日和の気持ちなんて、全く気にしてない。


 そんなことを考えていたら苛立ちが頂点に達した。

 その捌け口を探した日和は、目の前にあったアホ面を晒している隼人の足を思いっ切り踏んづける。


「ふんっ」

「いでっ!?」

 悲鳴をあげる隼人。


「何すんだよ!?」

「知らない!」

 叫ぶ隼人に背を向けてスタスタと歩き出す日和。


「おい、日和」

「……」

「おい」

「……」

「日和!」

「何よ!」

 しつこく呼び掛けてくる隼人に堪えきれず後ろを振り向く日和。

 そこで目にした光景に首を傾げる日和。


「何してんの、あんた」

「しっ、静かに」

 隼人は道路にうずくまり、地面に耳をつけていた。

 日和がそれについて問うと、口に指を当てて静かにしろと合図する隼人。


「──なんだ? この音」

「……はぁ?」

 そう呟く隼人に首を傾げる日和。

 耳をそばだててみるが、特に何も聞こえない。


「何も聞こえないけど?」

「いや、聞こえるぞ。……なんだ? 誰かが戦ってる……?」

 日和の言葉に首を降って答える隼人。


 そして、次の瞬間隼人が飛び起きる。

 刹那、遠くの方から轟音と共に振動が伝わってきた。


「なにこれ!?」

「……やべーな」

 驚愕の叫び声をあげる日和。

 隼人は音が聞こえてきた方角を見て呟く。


 日和がそちらの方を見ると、いくつかのビルが崩れ落ちるところだった。


「ねえ、隼人。あんなことできるような人、この学校にいたっけ」

「いねーな」

 二人は顔を見合わせて頷く。


「行こう!」

「うん!」

 そして二人は走り出した。


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