表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

182/205

177話 心VSルディオ

 

 草木が生い茂る森の中を、並んで進む心とルディオ。


「お前、名前は?」

「え、僕のこと知らないんスか!?」

「ああ、知らねー」

 名前を聞く心に驚いたような顔をするルディオ。

 それにぞんざいに頷く心。


「え、だって僕、ルディオっスよ!? 四組の成績トップの!」

「ああ、四組なのか。知らねーはずだ」

 自分の顔を指差して言うルディオに心は納得したように頷く。

 そんな心の反応にがっくりと肩を落とすルディオ。


「そんな、結構名前知られていると思ってたのに……」

「まあ、気にすんなよ。強けりゃ覚えてやるから」

 そう言い腕をまくる心。

 それを見てこちらへ向き直るルディオ。


「んじゃ、まあ」

「そっスね」

 二人は頷き、同時に構える。


「始めるっスよ!」

「ああ!」

 二人は叫び、そして地を蹴った。


「“(キャノン)”ッ!」

 一言叫ぶ心。

 その体がグンッと加速する。


「“(アストロ)”ッ!」

 そして、空中に飛び上がり、拳を下に向かって叩き付ける。


「遅いっスよ!」

 しかし、それを手からジェットを噴射して回避するルディオ。

 空振った心の拳はそのまま地面に衝突する。


 轟音と共に砂埃が舞い、地面が揺れる。


「ひゅー、すごい威力っスね!」

 口笛を吹いてルディオが笑う。


 次の瞬間、舞い散る砂埃から飛び出た心。

 空を飛ぶルディオの下へ駆け、叫ぶ。


「“(ドライブ)”ッ!」

 その瞬間、心の全身を魄が覆う。

 そして、足を屈め、心は翔んだ。


 空中を弾丸のような速度で飛び、ルディオに迫る心。


「空中で僕に挑むっスか! いい度胸っスね!」

 それを見たルディオは足を振り上げ、踵落としのように心に向かって叩き付ける。


 その足を心は掴み、そのまま身を捻る。


「はあッ!?」

 その曲芸じみた動きに驚きの声を漏らすルディオ。

 空中で交錯した二人。


 身を捻った心は手を伸ばし、ルディオの腹に手をつく。


 そして、叫んだ。


「“(インパクト)”ッ!」

 その瞬間、その手から衝撃波が発生し、ルディオを吹き飛ばす。


「が、はッ!?」

 苦悶の声をあげて墜落していくルディオ。

 心も重力に従って自由落下する。


 スタッと難なく地面に降り立つ心。

 向こうでは、バキバキッと木を折りながらルディオが落下していくのが見える。


 数秒後、森の奥で転送の光が輝く。


「うし、勝った!」

 腕を回してニッと笑う心。


『彼、強かったかい?』

「まあ、そこそこ」

 イチヤの問いにそう答える心。


『名前は覚えたのかい?』

「名前? 覚えてねーけど、何でだ?」

 さっきのやり取りをすっかり忘れている心に、イチヤは呆れを隠さずため息をついたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ