表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

181/205

176話 珠輝VSゲーゼル

 

 前を進むゲーゼルについて森の中を歩く珠輝。


「なあ」

 ある程度歩いたところで珠輝はゲーゼルの背に向かって声をかける。


「ああ? んだよ、眼鏡」

 振り返らずに進み続けるゲーゼル。


「お前らのリーダー格はあの少女だろう? お前は何故従っている?」

「従ってる? そりゃてめーの勘違いだ。俺は面白そうだから付き合ってるだけだ」

 問いかける珠輝に対して吐き捨てるように言うゲーゼル。


「面白そうだと?」

「そうだよ。信じてた奴に裏切られる、そんな最高のショー見逃すわけねーだろ」

「下衆が」

 目を細めて呟く珠輝に肩を揺らして笑うゲーゼル。


「下衆でも何でもいいぜ。こっちはいい情報を得られた」

「いい情報……?」

 ゲーゼルの言葉に眉をひそめる珠輝。


「ああ、さっきまでは確証がなかったが……これで確信した。てめーら転入生十三人は繋がっている。そうだろ?」

「……」

「この学校は実力至上主義だからな。入れ替わりが激しい。だが、それにしても十三人一斉にってのは出来すぎている」

 答えない珠輝にゲーゼルは続ける。


「それが事実だとして、お前に何の得がある」

「知ってるぜ。てめーらがこそこそと何か調べていること。調査内容は……そうだな、例の失踪事件についてってところか?」

 ゲーゼルのその言葉に顔をしかめる珠輝。

 その男、想像以上に頭が回る。


「それを知って、お前に何か利益があるか?」

「あるさ。邪魔して楽しむ」

 意地悪く笑ってゲーゼルは言う。


「なぜ邪魔をする? お前が失踪事件の犯人なのか?」

「答えねェよ、馬ァ鹿」

 そう問う珠輝を嘲笑って答えるゲーゼル。


「そうか。なら、消えろ」

 その瞬間、珠輝は地面に手をつく。

 刹那、珠輝の周囲の地面が蠢き砂に変わる。


「おッせーんだよッ!」

 しかし、珠輝がその砂を放つ前に、ゲーゼルは地面を蹴っていた。

 一気に加速し、眼前まで迫るゲーゼルに珠輝は目を見開く。


 瞬間、横に飛ぶことでゲーゼルの攻撃を回避する珠輝。

 そして、すぐに手を振り自分の周囲を砂の殻で覆う。


 その砂の防壁に凄まじい衝突音と共にゲーゼルの拳が突き刺さる。


「いつまで耐えられるか見物だなァ、眼鏡ッ!」

 砂の向こう側からゲーゼルの声が聞こえる。

 次の瞬間、全方位から衝撃音が鳴り響く。


 しかし、それを意に介さず、珠輝は目を閉じる。


 集中する。

 攻撃の間隔、方向、威力。

 感覚を研ぎ澄ませてそれらを計算する。


 そして目を開けた珠輝は拳を振り上げて、思い切り目の前に叩きつけた。


 次の瞬間、砂の殻に罅が入り、砕け散る。

 飛び散る砂の破片の中で獰猛に笑うゲーゼルの顔が見える。

 しかし、その顔はすぐに驚愕に彩られる。


 破砕した砂の欠片の中から、珠輝の拳が迫っていたからだ。


 その拳は吸い込まれるようにゲーゼルの顔面に向かい、そして──


 衝撃。


 顔面に拳を食らったゲーゼルは後方に大きく吹き飛ばされる。

 そのまま、背後の木に叩き付けられるゲーゼル。


 それを見て周りの砂の防壁を解く珠輝。


「な、ぜ──」

「なぜお前が来る方向がわかったか、か?」

 崩れ落ちるゲーゼルの呟きに珠輝はそう返す。


「防壁を一部、意図的に薄くしておいた。勘のいいお前ならそれに気付くだろうと思ってな。後はその場所にタイミングを合わせて攻撃しただけだ」

 珠輝がそう言った瞬間、ゲーゼルの体が光に包まれる。


「お前の敗因は頭の回転が早かったことと、それが弱点になり得ると思い至らなかったことだ」

 光りながら消えるゲーゼルに珠輝はそう言った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ