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175話 隼人VSメリア

 

「そっちは任せたぞ!」

 そう叫んだ隼人は自身の近くにいる少女二人めがけて走り出した。


 直後、隼人が作り出した暴風が止む。

 その事にいち早く気付いた少女の一人が叫ぶ。


「サレン、来ますわよ!」

「っ!? 了解です!」

 サレンと呼ばれた少女も驚いたのは束の間、すぐに体勢を建て直す。


 隼人と二人の距離がどんどん縮まる。


「そこまで、ですわ!」

 走り続ける隼人に向かって気の強そうな少女が何かを投擲する。


 小石だ。

 隼人の脅威にはなり得ない。


 それを弾き飛ばそうと手を伸ばす隼人。


 しかしその瞬間、直感が叫ぶ。

 危険だ、と。


 次の瞬間、その小石が大爆発を起こす。


 すんでのところで横に跳んでそれを回避した隼人。

 地面を転がり、すぐに立ち上がる。


「へえ、面白れーな」

 ニヤリと笑うと隼人は二人に目を向ける。


「メリア様、急ごしらえですが準備できました!」

 その時、サレンが叫ぶ。


「上出来ですわ!」

 それに叫び返すメリアと呼ばれた少女。


「……準備?」

 そう呟き、首を傾げる隼人。

 そして気づく。


 隼人と二人の間に無数の小石が漂っている。


 いや、違う。

 よく見ると小石は隼人を取り囲んでいる。


 前後左右と頭上の全方位。

 完全に包囲されている。


「なあ、これ触ったらどうなんの?」

 その石を一瞥して二人に問いかける隼人。


「さあ? ですが、触らないことをおすすめしますわ」

 意地悪く笑いながらメリアがそう言う。


「おっけー、触っちゃダメなんだな」

 うんうんと隼人は頷く。

 そして、両腕を広げる。


 その動作に、身構えるメリアたち。


「いったい何を──」

「お前ら見てなかったのか? 俺の能力は『風』だぜ?」

 その瞬間。


 再び隼人を中心に暴風が吹き荒れる。


「くっ!?」

 その突風に顔を覆うメリアたち。


「『風』なんかに一体何が──」

 できるのか。


 そう続けて嘲笑おうとしたメリア。

 しかし。


「メリア様、風のせいで石の制御ができません! いずれ接触して爆発してしまいます!」

 サレンのその叫びにメリアの笑みが消える。


「ならいっそ、一斉に起爆させてしまいますわ!」

「そりゃやベーな」

 叫ぶメリアの耳元でそんな声が聞こえる。


 目を見開くメリア。

 即座にメリアは小石の包囲網の方を見る。

 そこには、既に誰もいなかった。


「どう、やって」

 背後に立つ隼人に向かってそう問いかけるメリア。


「どうやって抜け出したかって? 簡単だ。体を風にしたんだよ」

「なら、あの突風は──」

「全部ブラフ」

 あっけらかんとして答える隼人に肩を落とすメリア。


「仕方ありませんわね。こんな方に勝てるわけありませんわ。私たちの負けです」

 そう呟いて両手を上げるメリア。

 そして──


 その手に持った小石を隼人目掛けて投げつけた。

 直後、脇目も降らず走り出すメリア。

 その背後で爆発が起きる。


「サレン、一人脱落ですわ! 早く女狐を追いますわよ!」

 走りながらサレンに叫びかけるメリア。


 その瞬間、ドスッという音と共にサレンの体が崩れ落ちた。


「は?」

「あー、これ何回やればいい?」

 驚きの声を漏らすメリアの背後から呑気な声が聞こえる。


「どうして、確かに爆発に巻き込まれたはず──」

「風の体になれるんだぜ? 爆発なんて効くかよ」

 呟くメリアの背後で隼人がそう言う。


「じゃあな、爆発女。脱落はお前らだ」

 その声と共に首筋に衝撃が走り、メリアの意識は闇に包まれた。


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