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魔法使いが転生したらそこは見たこともない科学世界でした  作者: 空宙機動兵器FSR‐13隊長機
第一章 魔法使い
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第6話 最上位魔法

 ミクミは早速、アカネをいじめた貴族達を探しに行く。ある程度、範囲を絞ることができたのでしらみつぶしに探していくと、その貴族達を発見した。


 大きな庭で、優雅にお茶会を開いていた。寝巻姿で無防備な貴族達。ミクミは良く見える隣家の屋根上で観察している。誰にも見えない様に光属性魔法の〈光欺偽迷彩(ディセプラージュ)〉というので姿を隠していた。一種の光学迷彩みたいなもの。


「皆の知識を貸してくれないかな?」

「結構魔力必要だろうけど、ミクミなら問題ないな。」

 火の精霊、ヒーくんが言う。

「精霊憑依を全ての精霊でやるっていうのは、前例がないけど問題ないはず。」

 光の精霊、ヒカちゃんが言う。


 そしてミクミは、全6種の最上位精霊を憑依させる。次々に精霊魔法の知識などが流れ込んで来るが、必要な情報だけを取捨選択してパンクしないようにしていた。

「さて、復讐の始まりね。流石に貴族の家ごと燃やすのは、親にも迷惑かけるし矢文でも送って広い場所にでも誘いこみますか。」


 ミクミは紙を用意して、貴族達の名前を書いて弓で矢文をお茶会が行われているテーブル目掛けて放った。


 貴族たちはお話しながら、優雅にお茶を啜っているとき突然、テーブルにサクッと矢文が刺さり慌てる。屋敷の巡回兵を呼んだのか、兵たちが集まってきて貴族達を護衛し始める。その内の1人が矢文の紙を取り出し、貴族達に渡した。


 その内容は


 敵討ちを申し込む 


 明日の正午、王都郊外にある荒れ地にて待つ。


 来なかった場合、家諸共を焼き払う。


 味方は何人呼んでも構いませんが、死を覚悟して来てください。


 という堂々たる文書だった。


 その読んでいる様子を見たミクミは、6つの妖精の羽を背中に展開して空高く飛び立つ。透き通った透明の羽は徐々に、6つの各属性の妖精色が浮かび上がっていた。


次の日 王都郊外 荒れ地


 過去の戦争で攻め込まれた際に、元々緑豊かな大地だったが今では草木も育たない荒れ地になっている。何十年も掛けて、魔法で緑化の効果が出始めて徐々に戻り始めていたが、まだ木々が何本か立つ程度だった。


 そんな荒れ地にある大きな岩の上に乗る、1人の少女がいた。


 するとザッザッっと、音が聞こえ振り返ると大人数の兵士達が隊列を組んで並んでいた。その大人数の兵士達の前に、ミクミの親友であるアカネをいじめをした貴族の4人がいた。


「約束通り来たわよ。矢文には味方を呼んでもいいって書いてあったから、1人につき250人ずつ貴族に仕える騎士団から引き抜いてきたわ。総勢1000人よ、ハハハこんなに呼ばれるなんて思わなかったでしょうね。」


 とリーダー各の貴族の女が笑いながら喋る。


「やっときた……。」

 シュタッと立ち上がり、敵討ち相手に振り向く。

「貴方は、デビルハーフエルフのミクミじゃない。ああ、そういうことね。見つけたのねあれを。どうだった親友を殺された気分は?」


「死んでないよ。私が回復させたから、私に文句があるならあたしを襲いなさいよ! 卑怯者。」

 ブルブルと拳を握りしめながら、怒りを我慢して叫ぶ。


「フン。混血風情が貴族の学校に入るなんて、気持ち悪いのよ。ここは人間の国よ、純血こそが勉強を学ぶべきなのよ。混血の混血なんて奴隷をしてればいいのよ!」


「そう、じゃあそういう考えしてる人なんて、この世にいらないね。まずは逃げれない様にしなきゃね。〈暗闇世界(ダークネスワールド)〉。」

 そういった途端、4人の貴族を包み込むように闇の球体に取り込まれた。そのまま、空に浮かんで、貴族達と兵士たちが分断されることになる。


 閉じ込められた4人はワーワーと騒いでるようだが、その闇の球体からは逃げれず、騒ぎ声も聞こえなかった。


「五月蠅い虫は消えてもらったし、次は兵士達ね。矢文に書いた通り、死を覚悟して来てるんでしょ。じゃあ、死になさい。」


 ミクミは両手を地面に手を置くと、魔力を地面の奥底に注ぐように力を入れる。兵士達は今のうちに倒そうと、攻撃の合図をし、進撃してきた。彼らは気づかなかった、大地が徐々に揺れていることに。


 突如、大きな地揺れが起き始め、まずいと思った兵士達はさらに駆け足で向かおうとした時だった。目の前に大きな地割れが横方向に、ミクミと兵士達の前に現れる。


 急に割れた地面に、対応できずに足を滑らせ止まることもできずに数十人程落ちて行った。幅は3~4mも空いており、頑張ってジャンプすれば飛び越えられそうなのだが、着地した場所はミクミの目の前なので、緊迫した空気に包まれる。


「……〈魔法地震(アファスクエイク)〉……。」

 ボソッと魔法名をいった。


「慌てるな、たかが地割れだ。魔法で埋めてしまえば問題ない。」

 兵士の中には魔法が扱えるものがいたのか、魔法を行使してその地割れを塞ごうとした。ある程度埋まったので兵士たちは止まっていた足を動かし、埋まった場所に足を踏み入れた。


「かかりましたね。」

「何っ!」

 塞いだと思った、地割れがまた割れ始めて何か赤いドロドロとした物体が噴出した。


 地中に魔力を注いだのはこれを噴出させるためだった。地中深くに眠るマグマを呼び出し、その場で噴火させ、真上にいた兵士たちは悉くマグマに飲み込まれ溶かされていった。


「なんだ、この赤いドロドロとしたものは!」

「地中深くに存在するマグマですよ。高温で岩石が溶けたのがそれです、人間なんて簡単に溶けますよ。死になさい、〈溶岩包囲(ラーヴァシージ)〉!」


 地面にも触れず、直接溶岩に魔力を注ぎ込み操り、残り兵士達を包囲させて全てを飲み込ませた。だが、通常の空気に触れていった溶岩は徐々に温度を失い固まりはじめ動きが鈍くなり始めた。


「仕方がない、〈高温溶解炎(ハイメルトフレイム)〉!」

 ミクミは頭上に手を掲げて、超高温の火球を作り出しそのまま固まり始めた溶岩に向けて投げた。

 その超高温に晒された溶岩は溶けだして、ドロドロ状態に戻り、さらに地面も溶け始めて兵士が立っていた地面は足を飲み込み、捉えていた。


 そして溶岩ドームを作り、全ての兵士を高温の壁と地面で生き埋めにした。ここでミクミは妖精たちから、あの人たちは雇われた人でもあるのだから、罪はないだろうと言われたので水魔法で水球をぶつけて、岩石状に戻した。


 そして、最初に囚われた4人の貴族達は闇の球体から解放されて、ドテッと地面に叩きつけられるように落とされる。


 手をついて立とうとした1人が、違和感に気づいて手を触れた場所に目を向けると。もがき続けてそのまま、生きたまま岩石に埋められた兵士たちがいたので尻もちをついて倒れる。


「何なんだよこれ~。」

「これ私たちの兵士なんですの。」


「私が隔離しなければ、貴方たちは後ろの兵士たちに様に飲み込まれていたのよ。貴方たちには別の方法で罪を償ってもらいます。」


 彼らの腕には何かの魔法陣が浮かび上がって、闇魔法の呪いを掛けたのだった。ミクミは達成したと思いその場を発つ。ミクミがいなくなった途端、緊張が途切れたのか4人はその場で気を失う様に倒れた。

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