第4話 契約
文字数少ないですが出します
翌日
ミクミと母アルヴィアは、精霊が現れやすい噴水のある公園へと向かった。ミクミと同じように、精霊と契約したい子供達が集まっている。
下位、中位精霊は周りにうようよ漂う姿が見えていた。1度、中位精霊以下と契約しても上位精霊以上と契約したい場合は、上書きすることが可能になる。上書き契約した場合は、中位精霊以下は上位精霊の糧になり、ちょっと強くなることもある。
意志疎通できない中位以下の精霊の捕まえ方 虫取網を準備し、その網で捕まえる。
ただし、上位精霊以上は選んだ相手にしか話しかけて、契約を持ち掛けてこない。勝手に契約されることはなく、任意で契約が出来たり、本当に自分と相性が合うのかという契約せず、試せることができるので安心。
噴水の付近でアルヴィアが市場で買ってきた食べ物で昼食を取っていた。すると、噴水のずっと真上にある世界樹の傘から謎の輝きが発生する。周囲の人たちがそのことに気づき、騒ぎ始める。
「ねえ、あれ上位精霊が現れたんじゃない?」
「へぇ、久々に見たわね。私の子に話しかけてほしいわね~。」
子供たちの母親達が騒いでいた。
「えっ! あれ数多くない。6体の光が見えるわ。」
「なんかうるさい、ここ。」
「そうね、またメルちゃんのとこ行きましょうかね。」
「うん。」
アルヴィアはミクミの手を引いて、王宮へと向かう。すると6体の光は噴水に向かうのをやめて、世界樹がある方向に進路を変えた。世界樹に帰っていく様子を見た周りの人たちは、しょんぼりして騒ぎは収まった。
メルラーニャ女王は快く自室に招いてくれ、またお茶会みたいのが始まってアルヴィアとメルラーニャは心が弾んで長時間会話を続けていた。いつの間にか、ミクミは昼食を食べて眠くなったのか、アルヴィアの膝枕でぐっすりと寝ていた。
ふと、メルラーニャは窓を見ると、6体の光輝く精霊が窓を覗いているのに気づく。
「あれ、あそこに最上位精霊がいるんだけどなんで?」
「こちらを見ていますね。」
メルラーニャはその窓を開けて、中に招き入れる。するとその精霊たちは、ゆっくりとミクミの傍まで寄っていくと寝ているミクミに対して、寝顔をぷにぷにと指で突いた。が、それでもぐっすり眠っているので、精霊たちは女王に近づいて話しかける。
「ふむふむ、なるほどね。この精霊たちはミクミちゃんが気になるみたいで話しかけたいそうなんだけど、ぐっすり寝ているのを邪魔したくないからまた明日ここで会いたいそうなんだけど、大丈夫かしら?」
「何にも予定ないから大丈夫よ。それにしても最上位精霊が来るなんて、夢みたいね。」
「私もびっくりしたわよ、6体同時に来るなんてね。ん……あれなんかおかしくないかしら?」
違和感を感じて、窓から帰ろうとする精霊たちをよく見ると、火・水・風・土・光の5体の精霊ともう1体紫色の精霊がいた。
「実在したんだ、闇の精霊って……」
「えっ、闇の精霊って存在したの? てっきり伝説上の存在とばかり思ってたけど。光の精霊がいるのだから、闇の精霊もいるだろう。っていう昔の仮説話じゃなかったけ?」
「私も見るのは初めてだわ。悪魔魔法は闇魔法って言われてるけど事実上はただの召喚魔法だから、闇なんて関係ない筈だけどね。でも光と闇は昔から対極した存在といわれているからね。光は昼、闇は夜っていわれるし。私も気になるから、昼間は開けとくわね。」
「ごめんなさいね。仕事があるのに。」
アルヴィアは申し訳なく頭を下げる。
「いやいや、これは重要なことですからね。研究者とかも呼ぶべきかしら?」
「最初は娘と精霊だけで話し合いをさせましょう。それからでも遅くはないでしょう?」
「ではまた明日。」
次の日の昼
王宮のメルラーニャ女王の自室にて
ミクミと精霊6体が対談した。
「ミクミ・フォルシーです。」
すると精霊の左から順に自己紹介が始まる。
「火の精霊だ、ヒーと呼んでくれよろしくな。」
「水の精霊よ、スイって呼んでくださいな。」
「風の精霊だよ、フウって呼んでね。」
「土の精霊、ドーって呼んでください。」
「光の精霊です、ヒカって呼んでもいいよ。」
「闇の精霊ですよ、ヤミって呼んで。」
そのあと、ミクミと6体の精霊たちは相性が合うのかどうかを確認するため、王宮内にある魔法練習場へと向かう。
それから夕方になるまで、試したあと相性が良かったのかミクミと精霊たちは笑顔になり、そのまま契約することになった。残りの滞在日は王宮で闇の精霊について、研究者たちや女王様まで調査することになったが仕方がないことだった。
ミクミはまだ幼いため、本格的な魔法はまだ出来ないが、各属性の魔力粒子を操れはした。
ウィクロード王国の実家に戻ったあとも、家の裏庭で魔法練習を毎日、居酒屋の手伝いの合間にやっていた。闇の精霊は分からないことが多すぎるため、ミクミは沢山の文字を覚えるため文学を励むため、各国の図書館に通う様になったのだった。