異世界転生系 (練習作品)
はじめまして、始めて小説を書きました。
異世界物を一度書いてみたかったのですが投稿したあと不安しかないです。
少しずつ続ける予定です
「眠い……。」
普段なら一切起きない時間なのだが、体を揺すられる感覚で目が覚める
「外は良い天気ですよ? ほらほら。」
どうやらほっぺたを好きに弄ばれているようだ。寝起きなのだから、やめてほしい。
仕方ないので布団を被り、起きる意志が無いことを伝える
「……むむぅ、起きないですね。」
普段休日はお昼過ぎまで寝ているし、今日はソシャゲのメンテナンスが夕方過ぎまである。今から起きる意味なんてないのだ
そのまま諦めて部屋を出るのだなと、布団の中でどや顔を決め夢の世界に飛び立つ準備に入る。
だが、おいそれと簡単に引き下がる相手ではなかったらしい
ふと、もそもそと脇に何かが触れた。この感覚は幾度も経験がある。
咄嗟に危機を感じたが、不意を突かれてはどうすることもできない。
これから行われる、許されざる行為に為す術など無いのだ。
「ほら~、こちょこちょこちょ~♪」
「ーーーー!!」
なんて奴だ!!僕は脇腹が弱いのに……!
意識もはっきりしてないまま……このままでは好き放題される!
「起きないとくすぐっちゃいますよ~♪」
「むふぐっーーーー!!」
奴は状況を楽しんでいる……忌々しいが目覚める他に手段はない。
手籠めになる前に早く意思を伝えなければ……。
降伏を示すため腕に幾度か軽くタップする、目覚めの運動にしてはすこぶるハードである。
「面白いですね~♪ んっふふ~♪」
「ぎゅむっーーーー!!」
しかし止めそうにない……なんと非情な。
理不尽だ。なにもしていないのに何故こんな目に……。
しかし込み上げる悲しみを力に変えて、こちらも全力を出す時が来た。
本気なのだ、久しぶりに。手段を選ぶ必要はない。
「ーーあらっ!」
驚く声をよそに、体をよじって勢いよく横に転がりベットから脱出を図ったーー!!
が、力を入れすぎた結果ベットから落ちた衝撃は思いのほか強く、しかもそのまま床に放置されていた漫画の角に頭をぶつける!
とても痛い。
……今日はソシャゲやってアニメ見て、面白動画を漁る予定だったのに……。
「ーーうぅ……。」
悲しさか、痛みなのか、思わず声がこぼれる。
「大丈夫ですか♪」
無自覚の悪意が、さも当然のように顔を覗いてくる。
あまりの不条理に異を唱えるため振り向くが、たまらず驚いてしまった。
そこにいたのはキラキラと瑠璃色に輝く大きな宝石を胸に付けた、白く輝くドレスを身に纏う。淡く優雅な紫色の長髪をたなびかせた美しく……もとい神秘性に満ち溢れる女性であった。
そしてにこにこと微笑みながら手を差し伸べてくるが、見たことのない華やかな佇まいに目を奪われてしまう。
呆気に取られてしまう中で、僕は思わずこう告げた。
「あの、お姉さん……誰?」
「……お、おねっーー!」
一瞬の静寂を経て、なぜかより一層にこやかになった女性は近づいてきて僕の頭を撫でながらこう囁いた。
「いたいのいたいの、とんでけ~☆」
「ーーーー!?」
顔面から火が出るとはよく言ったもので。
しばらく何をされているのか状況が掴めなかった。
少し逸れるが、人間は恥を知る唯一の動物らしい。
ならば頭を撫でられ限界まで体を密着させられている今の僕は、もっとも人間らしい状態にあるのだろう。
しかし、ここまで恥ずかしい思いをしたのは小学生時代に、かけっこ競争の途中でズボンの股が破れて僕だけ走り方がおかしかった時以来だ。
あまりの恥辱に硬直している僕の頭をさすりながら。こう続けた。
「じゃーん、なんと私は女神なのです♪」
屈託のない笑顔を見せてくる女神様に相槌を返すが。
なるほど……状況がまるで理解できなくなった。