プロローグ
初投稿です、誤字などは指摘していただけるとありがたいです。
_____『異世界召喚』。
それは現代社会では引きこもりがよく憧れることであり、同時にありえないことでもある。
__例えばそれは、どこかの国に勇者として召喚され、魔王を倒し、人々から名声を得て、ヒロイン達とハーレムを築く。
__例えばそれは、近未来風の異世界に召喚され、ロボットに乗って戦う。
そんな展開がありえない世の中が、現代社会だ。
頭が良すぎても悪すぎてもペナルティが付き、踏み込み過ぎれば疎まれ、決められた規則を無視した奴だけが上に立つことが出来る__。
そんな現代社会における上流階級に立ちながらその社会に目を背けた少年を紹介しよう。
その少年の名は____
「ああ~、また死んだ…しゃーなしでいったん落ちるか…」
とある薄暗い部屋に一人で呟きながらネットゲームに興じる少年。
部屋は__8畳ほどの部屋だろうか。それなりに広い。
だが、2台のゲーミングパソコンが接続された配線が床を這い、『兵糧』と彼が呼ぶカップ麵や某エナジードリンクの缶が散乱したそこに、本来の広さを感じさせる余地は見受けられない。
少年の名は、影月 零。インドア派・不登校・コミュニケーション障害・ゲーム廃人。
典型的引きこもりを思わせる黒いジャージ、そしてあまり整えられていない黒い髪の少年。
それが、現代社会に目を背けた少年だ。
「ふあぁ…さて…買い出しして二度寝するか…」
そう呟き、今日も両親がいなくなって以来、週に1回しか開けていない玄関の二重ロックの操作キーに触れる。
___瞬間
玄関に光が迸る。
床に幾何学模様が現れ、驚愕に目を見開いた零の顔を照らし、第1ロックだけが解除された玄関に暴風が吹きすさぶ。
だが、様々なライトノベルを読破してきた零にはそれが何なのかがすぐに分かった。
「これ、異世界召喚だぁーーーーーっ!」