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第七幕 夢

「あのね!3って数はこの国で幸運の数って言われてるでしょう?でもね、4もね幸運の数になれる時があるんだって!」


 リディは昨日、本で知ったことを早く・・・にも教えたくて彼に会った途端すぐに伝えた。

 いつどこで会うかの約束はしていない。けれど、リディの家庭教師の授業がないときに庭園に行くと高確率で会えるのだった。

 今日も庭園に来てみると彼はガゼボで本を読んでいたのですぐに話しかけた。


「リディは物知りだね。どんな時に幸運の数になるの?」

「みつばって言う草がたまによつばになっている時があって、そのよつばの草を持ってると幸運になれるから、だからその時は4も幸運の数なの!」

「確かみつばならこの庭園にはえてたよな⋯よし!じゃあそのよつば探してみる?」


 リディは首がもげそうなほどコクコクと頷いた。

 そして、二人で日が暮れるまで探したが、見つからなかった。かわりに兄に「遅くまで何してたんだ!」と怒られた。

 次の日もその次の日も探してみたけれど結局見つからず、だんだんと秋が近づいてみつばその物が少なくなった。


「もうあんまり草生えてないね。」

「そうだね。残念だけど探すのはここまでにしようか。」


 申し訳なさそうに眉尻を下げて・・・は言った。

 リディは泣きそうになったが涙をこらえて言葉を紡いだ。


「うん。じゃあ、来年また探したい。やくそく!」

「分かった。二つ目の約束だね。」

「うん!!」


ー約束をした年の冬、ちょうどみつばが生える前の頃に・・・はリディの前から姿を消した。約束は守られなかった。

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