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アース  作者: かずくん
1/1

第1章、襲撃


この世界゛アース゛は何千もの種族が共存していた。


武を司るビースト、知を司るウィッチ、平和を司るエルフ、天を司る人間

この4大種族がアースを主に発展させてきた。


何千もの種族は独特な文化を持ち、言葉を持っていた。


その中でも特に発展した種族が人間だ。

武能をビーストと同等に持ち、知能をウィッチと同等に持ち、人間はずっと進化を続けていた。


しかし平和だけはエルフと同等には持ち合わせれなかった。

人間は発達した知能により、同じ人を騙し、発達した武能により、自分より下の者に暴行を加えた。

それに人間達の世界に平和という言葉はなかった。


人間以外の種族は発達した人間を憎み、人間を滅ぼそうとたくらんでいた。

人間達はそんな事にも気づかず、自らの能力に自惚れ、人間同士で自滅することもあった。



「ビースト達が人間を襲った」

こんな噂が人間達には流れていたが、今の状況もあり、でまかせだと皆いい、自分達人間が滅ぼされそうになっていると気づかなかった。







「ぉ〜い、ハット」

長閑な草原に男の声が聞こえる。

「なんだよ」

ちょっとムッとして答えた。

答えた青年の名はハット・ヒューバス。

長身で髪は短く茶髪。

特徴と言えば端正な顔立ちを持ち、透き通る様な目を持っていた。

腰には細身の長剣を帯剣し、服装は皮のレイザーアーマーを着ているといった感じだ。

「はぁはぁ・・・・村が・・・村がやばいんだよぉ」

汗をかきながら、必死に言葉を出している。

この青年の名はラシエ・トキュラス。

ハットよりは身長は低いが、まぁまぁ高い。

髪は肩まで伸びており、すこし赤みを帯びている。

ラシエは走ってきたのか、防具は付けず、私服のままだ。

「どうした?この辺はモンスターがでるから危険だぞ」

「そ、そんな場合じゃないよ!村の見張りが、前方からビーストの群れを見たっていっているんだ」

焦りながらラシエは説明する。

「それだったらここも危ないだろ」

ハットは当たり前のことを口にした。

今二人がいる場所は村から数キロ離れた草原であり、辺りは草花が茂り、太陽がまぶしい。

「そ、そうだね・・・・どーしよ!!」

ラシエは混乱し、そこらじゅうを駆け回っている。

「・・・・分かったぞ、2時間モンスターを探してもいないわけか」

ハットは村の依頼により、草原に出没するウルフを狩に行っていた。



ドドドドドドドド



遠くから複数の走ってくる音がする。

「ぁ、ぁれは!・・・ビ〜〜〜ストだぁ」

ラシエは今にもなきそうだ。まるでこの世の最後だという感じに喚いている。

ちょっとハットも目を疑ったが、こちらに近づいてくるにつれ正体が分かり始めた。


確かにあれはビーストだ。

4本足で走り、体は人間と同じくらいだが筋肉がはんぱなくすごい。

口も発達しており、牙がむき出しだ。

「このまま走ったって、どうせ食われるだろう、あの噂は本当だったんだな」

少しハットも緊張しながら言う。

その言葉にラシエは黙ってはいなかった。

「どーすんのー!」

すでに泣いている。

「やってみる価値はあると思わないか?」

ハットは平然を装いラシエに語りかける。

「お前だって魔法を学んでいる者だろ?どうせ死ぬなら一戦交える価値はあると思わないか?」

ハットは細身の剣を抜く。

刃は漆黒で、少々威圧感を感じる。

「えぇ・・・・・ぼ、ぼくは・・・」

ラシエがそんな事を言っている間にすでにビーストは20mほど先に来ている。

数はざっと5匹だ。

ハットが剣を上に掲げる。

漆黒の刃先が太陽に辺り不気味に光る。

「俺が死んでも泣くなよ」

そういい捨てるとハットは自らダッシュし、ビーストに接近した。

「は、ハット!・・・・ぼくだって」

ハットが走る後姿を見て、ラシエも泣くのをやめた。

「ニンゲンガクルゾ」

ビースト達は片言だが言葉は交わしていた。

「スグニカタズケテ、ミカタトゴウリュウシマショウ」

そんな言葉を言いながら、目の前にハットが来た。


ビースト達は突っ込んでくるハットを取り囲もうとした。



ブシャ



ほんとに一瞬だった。

先頭を走っていた、ビーストの首が落ちる。

ビースト達も驚いて、動きが止まる。

「人間をなめんなよ」

ビーストの首の隣にハットの姿がある。

長剣には夥しい血がついている。

ビースト達の顔に怒りが見える。

「ニンゲンメガ」

残りのビースト4体が一斉にハットに飛び掛る。

しかしハットは動こうとしない、まるで勝利を確信したかのように微笑んでいるだけだ。


「聖なる太陽よ、我が心が命じるままに力を」


「悪き者に聖なる裁きを」


ラシエのさっきとは違う低い声がすると同時に、ラシエは片腕を上げる。



ハットの周りに白い雷のような物が次々と落ちる。



凄まじい音と共にあたりは一気に静かになった。


「さすがだな、ラシエを信じてよかった」

ほっとした様に微笑み、ラシエに手を差し伸べる。

「う・・・・うん」

ラシエはハットの手をしっかり握り立ち上がった。

「それより成長したよな、あれだけの魔法を使えるなんて」

ハットは長剣を鞘に戻し言う。

「初めてうまくいったんだけどね」

さっきの緊張はどこへやら、笑いながら答える。

「結果よければ、すべてよしだ」

ハットはそう言いながら内心は、やっぱり天才だなと思っていた。

「ハットだってかなり剣の腕上がったね」

尊敬のまなざしでハットに向かって話す。

「つまらんお世辞はやめよーぜ、それより村に戻ろう」

ラシエはお世辞じゃないよ!という顔をしたが、ハットは無視し村に向けて歩きだした。




30分後




「ちょ・・・・・」

ハットは村の姿を見た瞬間言葉を失った。

隣のラシエも崩れ落ちる。



ハットの村、クレーニは田舎で他と比べれば、質素だげ平和だった。

クレーニで、ハットは16歳になって傭兵として働いていた。

ハットは子供のころから親に剣術を仕込まれたので、傭兵の仕事はそこまで大変ではなかった。

ラシエは昔からの友達で、村では学問の天才とまで言われていた。

しかしラシエ本人はそんな事は気にせず魔法の勉強を独学で進めていた。

二人は丁度17歳になる頃には一人前になっていた。

ハットは村一番の傭兵として、ラシエは村一番の魔法使いとして有名になっていた。

しかし二人ともそんな事は気にせず、普通の暮らしを送っていた。

二人の親はとても優しく、なにをしても自分の道を行けという人だったので、すくすく育った。



平和に二人が生まれ育った村が今、血がそこらじゅうに付いており、民家はすべて燃えていた。


「母さん!!!」

ラシエは泣きながら走り出す。

「まて!ラシエ」

ハットも後を追う。


死体がそこらじゅうに転がっている。

体は切り裂かれ、血の海が広がっている。


「なぜビーストが・・・・」

比較的に他の種族には手を出さないビーストがなぜ、人間達を襲ったのか、ハットの中はそれでいっぱいだった。


「父さん・・・・母さん・・・・」

ラシエが両親の死体の上で泣き叫ぶ。

きっと逃げようとした途中にやられたのであろう。

そこらじゅうに火が舞っていたのでかなり熱い。


「はやく逃げろ!!!ハット!!!」

なんと村から人の声が聞こえる。

「オヤジ!!!!」

ハットの顔に不安がよぎる。

「傭兵たちはすでにやられた。今はお前達を逃がすので・・・・」

言葉が途切れる。

「オヤジ!!!!」

再び叫び、ハットは無我夢中で声がしたほうに走る。


「ゥ・・・・・」

そこには倒れたハットの父を食い尽くしている、ビーストの群れがいた。

「よくも・・・・おやじを・・・」

ビーストは10体はいるだろう。

無謀にもハットは鞘から漆黒の刃の剣を抜く。

「・・・・・最後だ」

ハットがそう吐き捨てると、長剣が漆黒のオーラに包まれた。

ビーストがハットに気づき襲い掛かってくる。

ハットはダッシュした、それも物凄い速さで。

高く跳躍し、人間の領域を超えるほど高く飛ぶ。

一瞬標的を失ったビースト達は動きを止める。


シュ


上から漆黒の長剣が落ちてくる。

2体のビーストは一瞬にして切り落とされた。

標的がまた現われたため、すぐにビースト達は襲い掛かる。


しかし


それよりも速く動き、無駄のない動作で長剣を操り、ビースト達を切り裂いていく。

右から飛び掛ってきたビーストを突き、さらに左から突進してくるビーストの首を切り落とす。

四方八方から襲い掛かってくるビーストをハットは不気味なほどに切りつけていく。

漆黒のオーラを纏った剣を見ることは難しい。

ほぼ残像だけしか残していないからだ。


ほんの一瞬で8体のビーストは地面に崩れ落ちる。

「人間ごときが、ほざきおって」

残った1体のビーストが言葉をはっする。

それと同時に2本足で立つ。

「雑魚に勝ったからといって調子にのるなよ」

かなり言葉がうまい。内心ハットは思った。


ムキムキ


なんとビーストの筋肉が活性化され、元の2倍の大きさに膨れ上がった。

しかも2体同時にだ。

強靭な爪はクローのように長く伸び、牙はさらに伸びている。


グォォォオオオォォォ


凄まじい咆哮と共に2体の活性化したビーストがハットに襲い掛かってくる。

さっきのスピードとは桁違いなスピードでハットに接近する。

「死ね!!!」

1体のビーストが強靭な爪でハットを襲う。

「ぅ・・・」

なんとか剣で受け止めたが、すさまじい力で今にも力負しそうだ。

「じゃあな!!!」

もう1対のビーストが横から飛び掛る。

すぐに剣を引き、後ろに飛ぶ。

ぎりぎりで2体の攻撃を避ける。

「こしゃくな」

一瞬の有余も与えずに2体のビーストは飛び掛ってくる。


「火の精霊、ファルスよ、我が同士を傷つけようとする者に裁きを。」


ラシエの声が響く。


「私を呼び出すとは、なかなかだ」

ハットとビーストの間に火が人間の形になった者が出てきた。

「頼んだよ・・・・」


バタ


ラシエは倒れこむ。

「ふむ、火の裁きを貴様に」

ファルスは両手でビーストを掴み焼き尽くしていく。

うめき声と共にビーストはあっけなく精霊によってやられた。

「では私は帰るぞ、精霊を呼び出すとかなりの精神力を使う。気をつけることだ」

ファルスはそれだけ言い残すと、ッパと消えた。


「ラシエ!」

剣を鞘に戻し、ラシエに駆け寄る。

「大丈夫か?」

声をかけたが反応がない。気絶しているようだ。

「ありがとう・・・・ラシエ」

ハットはそう言いながら、ラシエを抱えて歩き出した。













この小説を読んでいただけ、ありがとうございます。

もっともっと書くのでよろしくお願いします。

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