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式 SIKI  作者: 夢入


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18/19

17話 朝

目を覚ますと、外は明るくなっていた。

時計を見ると7時くらいを指していた。

私はパジャマから昨日とは違う服に着替えた。


「白銀さんを呼ばなきゃ。」

(零式さん。)


「…………」


返事がない。


(お姉ちゃん。)


「どうした?」

さすがお姉ちゃん。いつ呼んでも返事をくれる。


(零式さんは今どうしてる?)


「寝てる。」


(起こしてくれる?)


「わかった。」


私は零式さんの声が聞こえるまで、外の景色を眺めていた。雲が動いてないから、ただの壁紙なのだろう。


「どうした麻希……」

零式さんは寝起きの声だった。そりゃそうか。


(白銀さんを呼びたくて。)


「壁に赤いボタンがあるだろう……」

「それ…………」

「…………」

多分もう1回寝たようだ。


「麻希。零式が寝たぞ。起こすか?」


(いや、知りたいことはわかったから大丈夫。)


赤いボタンを押せばいいらしい。私は辺りを見渡してボタンを探した。

玄関がある方の壁にボタンを見つけた。これだ。

ボタンの上には黒い枠があった。とりあえず私はボタンを押した。

少し待つと黒い枠が光り、綺麗な女性が映った。画面だったようだ。

「どうかしましたか?」


「白銀さんを呼んで頂けますか?」


「あぁ!」

「白銀さんから伺っております。」

「しばらくお待ちください。」

そう言われると、画面は真っ暗になった。


私は白銀さんを待つ間、縁側に腰掛けた。

おばあちゃんの家で見たことがあった風景だ。


「麻希。」

「随分と楽しそうだな。」

お姉ちゃんの少し嬉しそうな声が聞こえた。


「これからの新しい生活が楽しみって気分だからね。」

「友達出来たらいいなぁ。」


お姉ちゃんがクスッと笑う声が聞こえた。


「赤羽さん。」

「入りますよ。」


白銀さんの声が聞こえた。思っていた数倍早かった。

「はい!」

私は元気よく返事をした。

門は異音を立てながらゆっくりと開いた。


「おはよう。結構、朝早いんだね。」

「昨日は遅かっただろうから、もう少しゆっくり寝てて大丈夫だったのに。」


「目が覚めちゃったので……」

「それに、中学生の時はこれくらいに起きていました。」


「そっか。」

「今日は学園内と学園周辺を軽く案内しようか。」

「その後は軽く武器の扱う練習を挟もうかな。」


刃物は包丁しか握ったことがないのだが、大丈夫だろうか。

「武器の使い方とかわからないですよ?」


「大丈夫。刃はついてない、木製の剣だから。」

「零式にデモンストレーションをお願いするか。」

「それは後で決めるとして……」

「赤羽さん。これに着替えてもらえる?」

そういうと白銀さんは、私に紙袋のようなものを渡した。


「サイズは分からないから、一応全部持ってきたんだけど……とりあえず着替えてみて。」

「着替え終わったら、また呼んでね。」

すぐに白銀さんは部屋を出た。


私は脱衣所に行き、サイズを確認しながら着替えた。


………………………………

……………………

…………


「着替えました!」

私は部屋中に響くくらいの声で声を掛けた。


「はーい。」

「入るよー。」


「おぉ。」

「似合ってるね。」

「細かいサイズはまた今度採寸してもらうから、しばらくはそれを着てね。」


制服は黒を基調としており、アクセントとして赤いラインが袖や襟に加えられている。

着心地はかなり快適といえるだろう。


「それじゃあ、学園案内と行こうか。」

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