表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
式 SIKI  作者: 夢入


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/19

16話 夜

私は寮のお風呂に来ていた。

時刻は22:30。

さすがに誰も来ていなかった。

「こんな広いのに、一人だと寂しいね……」

私は思わずひとりごとをこぼした。


「誰もいないから、みんなで入るか。」

零式さんが提案する。


「大丈夫ですか?それ。」


「バレないだろ。」

「それに私も入りたい。」


風呂場を金魚鉢にした零式さんは、しばらくお風呂に入っていないのだろう。

しかし、零式さんと会った時、特に異臭はしなかった。


「私も入っていいのか。」


「いいんじゃないか?」

「この時間に入るやつは見たことない。」


私の目の前にお姉ちゃんと零式さんが現れた。


「あったかいなぁ。」


「今までお風呂はどうしてたんですか?」


「普通にここに来てたぞ。」


なるほど。だから、この時間に入ってる人を見たことを知ってるのか。

ここには複数の浴槽がある。まるでお風呂屋のようだ。


…………………………………………

…………………………

………………


私達は寮のお風呂からあがり、零式さんの家に帰ってきた。夕方まで明るかった、この部屋は暗くなっていた。家の中の光が当たりを照らしていた。

家には布団が敷いてあった。枕元に紙が置かれていたので、拾い上げてみた。


「赤羽さんへ。」

「明日、目が覚めたら零式に僕を呼んでもらってね。」


裏面にはそう書かれていた。

私は寝る支度を済ませ、布団に入った。


「もう寝るのか?」

零式さんの声だった。


「疲れてしまったので……」

「でも、楽しかったです。」

思わず笑みがこぼれてしまった。


「楽しかったのなら良かったよ。」

「これからよろしく。」

零式さんは優しい声で言ってくれた。


三人とはいえ、複数人で話しながらお風呂に入ったのは数十年ぶりだった。楽しかった。

ただ、疲労感がすごい。色んな人と話したからだろうか。

そんなことを考えながら目を瞑った。


……………………………………

…………………………

………………


目を開けると、いつもの海だった。上手くいったようだ。

仕組みは未だに理解できていないが、横になり目を瞑った状態で、お姉ちゃんを呼ぶと来ることが出来る世界。

お姉ちゃんが作り出してくれた、この世界には傘と椅子がたっていた。こんなのあったっけ?


何かが動いた様子だったので、ゆっくりと近づいてみた。

近づくにつれ、聞いたことがある声が聞こえた。


「麻希。」

椅子に横たわっていたのはお姉ちゃんだった。その隣の椅子には零式さんが横たわっていた。


「赤羽麻希?」

「寝れなかったのか?」

零式さんは漫画を読む手を止めて、私を見た。


「何となく、海が見たかっただけです。」


「そうか。」

「クロの隣のビーチチェアは使っていいぞ。」


お姉ちゃんのビーチチェア?は大きめに作られていた。

その隣に零式さんと同じくらいの大きさのビーチチェアが置かれていた。私が今日着ていた服と同じ色な気がする。


「お姉ちゃん。」

「いつから置いてたの?」


「今日。」

「零式が作ってくれた。」

「いい椅子だ。」


「気に入ってもらえてよかったよ。」


なんだか本当に仲良くなってるみたいで良かった。

私はお姉ちゃんの横にあるビーチチェアに横たわった。

普段とは違う眺めで、何となく新鮮な気分になるね。


「赤羽麻希。」


「麻希でいいです。」


「そうか。」

「寝なくて大丈夫なのか?」


「眠くなったら、すぐ寝ます。」

「お姉ちゃん以外の人と話すのは久々だから……」

「もう少し話したいって気分です。」


「そうか。」

「何を話したい?」


「どのような漫画を読んでいるのですか?」


「ラブコメディってジャンルの漫画。」

「恋愛のことはよく分からんが、読んでて気分がすごく良くなるから最近ハマってる。」

「読みたかったら、いつでも貸してやるよ。」


「なるほど……」

「他には?」


「バトル系はよく読むな。」

「かっこいいから気分があがる。」


どれも私があまり読んだことがないジャンルだった。


「ミステリーとかは……?」


「難しいからあまり読まない。」


……何となく悲しくなった気がする。

そんな会話を交わしていると、急に眠気が襲ってきた。


「寝るのか?」


「寝ます。」

「おやすみなさい。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ