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【第7話】はじめての夜勤!チーム介護、始動!


「……みなさん、今日は“夜勤”の練習です」


優一は緊張した新人たちを前に立ち、説明を始めた。


「夜勤は昼とは違う。少人数で見守り、急変にも対応しなきゃいけない。

大事なのは“想像力”と“冷静さ”です。あと、寝落ちしないこと」


今夜のシフト

日勤引継ぎ:優一


夜勤担当:サラ&レオン(+交代で仮眠)


補助:グラン(体力仕事メイン)


20:00 巡回開始

サラはベッドに寝ているミルダの元へ。


「よっ、ミルダさん。今日は寝つきいい?」


「うむ……夢見が良ければのう……“魔界の皇子”がわしを抱いて飛ぶ夢が見たいのう……」


「いや、なんでそっち!?」


一方、レオンはオークのボボンガに寝巻きをかけ直す。


「……あったかい布団が……幸せ……」


その言葉に、レオンは思わずほほ笑む。


23:00 問題発生

「ちょっと! ゴルムさんがトイレでこけた!!」


サラの声に全員が飛び起きる。


幸い怪我はなかったが、片付けと着替え、声かけに大騒ぎ。

レオンは緊張で手が震え、優一が見かねてサポートに入る。


「大丈夫、最初は誰だって動けない。

“利用者のペースに合わせる”のが大事なんだよ」


その頃、施設の屋根の上では――

「……ふむ、なるほど。夜はこうして巡回を……」


黒マントをひるがえし、屋根の陰から様子を見つめる影。


そう、“魔界の皇子”ヴァルゴである。


「夜に蠢く者を見守る……これこそまさに、冥界の監視者の修行……!」


(※ただの夜勤観察)


目をキラキラさせながら、帳簿の影に記録を書きとめている。


『本日:便所にて滑りしドワーフ、心と体に傷を負わず復活す』


2:00 仮眠交代

「サラ、寝とけ。次は俺らが回る」


グランが静かに声をかける。

その背中は大きくて、安心感があった。


レオンも「僕、ちょっとだけ眠っても……?」とベッドに潜る。


見守りは続く。

魔法ランプの明かりの下、夜の時間が静かに流れていく。


「よっしゃー! 無事に夜を越えたぞー!」


グランの声に、皆が小さく拍手した。


「正直、何度かヤバかったけど……」


「レオン、途中で“転倒の声”で泣いてたぞ?」


「う、うるさいなぁ……!」


だがその笑顔は、確かに「介護職員」の顔になっていた。


その日の夜――


施設のドアに、ひとつの紙がそっと差し込まれていた。


『夜間巡回心得(魔界流)』


1.恐怖するな、闇は己の友である

2.声なき者の声を聴け

3.朝焼けの光は、すべての努力に報いる


優一はそれを見て、ふっと笑った。


「……ヴァルゴ、おまえ、ほんとにやる気なんだな」


彼は紙を、備品ボードに貼った。


「職員心得:夜勤用」


次回:「新人教育は一日にして成らず!怒りのミルダと、チームの危機!」


レオン、利用者にブチ切れられる!?

サラの“介護観”に優一が問う、プロとしての覚悟――!



第7話まで読んでくださり、ありがとうございます。


少しずつ登場人物たちの距離が縮まり、

この異世界の中でも「介護」という言葉が、

ただの世話ではなく“関係を築く行為”として見えてきたかもしれません。


介護は、相手の過去や想いに触れながら、

今この瞬間を一緒に過ごすことでもあります。 たとえ魔法が使えても、万能な回復魔法があっても――

心に寄り添うのは、結局“人の手”なんだなと、僕自身いつも感じています。


これからも、そんな手の温度を感じられるような物語を紡いでいけたらと思います。

次回も、どうぞよろしくお願いします。

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