91話 イアが語る昔話
一日後…。
あの戦いの後、優一はイアを抱き抱え家に戻った。イアは優一の自宅の客用のベッドの上に寝かされていた。
「ここは?」
イアは目を覚ました。
「お姉ちゃんが目を覚ました!!」
僕の娘のアテナがイアの側にいたがイアが目を覚ましたことに気づき部屋を出てみんなに知らせた。
イアが今いる部屋に何人かが集まった。その中にはお父さんもいた。
「イア、調子はどうだ?痛い所は無いか?」
僕はイアに聞いた。
「お父さんにボコボコにされたから身体の節々が痛い」
イアはそう言った。
「「お父さん」」
僕の娘達は僕を攻めようとした。
「分かっている、父さんが悪かった」
僕は反省している素振りを見せた。
「そういえば、イアは何で蘇ったんだ」
「………」
僕は聞いたがイアは黙った。
「お父…に…たいから」
イアは小声で言った。
「えっ、何?」
僕は聞こえなかったので聞き返した。
「お父さんに会いたいから蘇ったの!!」
イアは顔を赤くしながら言った。
「おう、そうか…」
僕は何て返せばいいのか分からなかったのでそう答えた。
「もう、恥ずかしい!」
イアはみんなにその言葉を聞かれて恥ずかしさが湧き上がった。
「イア、お腹空いてるだろ。リビングに食事があるから食べるか?」
「うん、食べる」
僕がそう言うとイアは答えた。みんなイアの居る部屋から出て、リビングに行った。
イアはリビングに辿り着き座ると食事を沢山食べた。
「イア。お前、余っ程お腹が減っていたんだなあ」
僕はイアの食べっぷりを見てそう言った。
「丸一日も寝ていたんだ。腹も減るだろう」
アリアはそう言った。
「イアといったか、お前トイレは大丈夫なのか?」
アリアはそうイアに聞くと、イアの動きが止まり青ざめた。
「トイレエエエエエエエエエエエエエエー」
アリアにそう言われ、自分がトイレに行きたかった事に気がついた。イアは叫んだ。イアは僕の子供達にトイレに案内してもらった。
「ふう、すっきり」
イアはトイレで全てのものを出し終え、戻ってきた。
「お姉さん、何でお父さんと戦っていたの?」
僕の娘がイアに聞いた。
「んー。お父さんに普通に会おうと思ったけど、お父さんと対面したらお父さんが私と戦いたそうにしていたから戦った」
イアはジュースを飲みながら話した。
「まあ、最近ちょっと本気で戦う相手がいなかったからな。イアが現れて丁度良かったよ」
「お父さん、最低!!」
「ははは…」
僕がそう言うと娘はそう言った。僕は冷や汗を掻き、誤魔化すような空笑いした。
「そういえばイア、お前が持っていた四大死宝、悪いけど俺が預かったからな」
「うん。元々、お父さんに会ったら返そうと思っていたから大丈夫だよ」
イアはそう答えた。
「イア。僕と戦っていた時、怒ってなかったか?殺意みたいな物を感じたが。言いたいことがあるなら聞くけど」
僕がそう言うとイアは少し不機嫌になった。
「この場で言っていいなら言うけど。お母さん、三途の川の前でお父さんの事ずっと待っているよ」
イアはそう言った。
「ずっと?死んでからか?」
「そうだよ、お父さん。お母さんは何年もずっと三途の川の前でお父さんを待っている」
「そうか…」
僕はそう答えるしかなかった。
「お母さんはお父さんが他の女の人と楽しく過ごしている事、上で見ているから知っているよ」
「お母さんはそれで毎日、泣いているから私の夫や息子、孫、私の子孫が慰めている。お母さんが嫉妬でおかしくならないように…」
「お父さん、それを聞いてどう思う?」
イアは僕に聞いてきた。
「申し訳ないと思っているよ。まさかイルが三途の川の前で待っているなんて思ってもみなかった」
僕の嫁でイアの母親のイルが三途の川の前で僕をずっと待っているなんて思わなかった。
「暗い話はここでお終い」
イアは冷め切ったこの場の空気を終わらせた。
「子供達、私から聞かせて欲しい話はある?君たちの知らない昔話、沢山知っているけど」
「どんな話があるの?」
子供達はイアに聞いた。
「暗黒竜と氷白竜の話、太陽の勇者の話、大航海の話、この世を救った英雄達の話、龍王となった男の英雄譚、古代遺跡のトレジャーハンターの話。まだいっぱい話はあるけど、まずこの中から選んでくれれば話すよ」
イアはそう言った。それを聞いた子供達は目を輝かせた。
「太陽の勇者の話がいい」
「トレジャーハンターの話がいい」
「いや、大航海の話がいいな」
子供達は自分が聞きたい話を言った。
「喧嘩になりそうだから、私のオススメの話から話すね。まずはトレジャーハンターの話を始めるね」
子供達が喧嘩になりそうだったからイアは止めた。
イアはトレジャーハンターの話を始めた。みんなイアの話を聞こうと集まった。イアの話をみんな熱心に聞いていた。イアは話が上手く身振り手振りを交えながら話した。みんなイアの話に引き込まれた。
夕食を準備する時間になったのでイアは話を切りのいい所でやめた。夕食が出来たのでみんなでワイワイと話しながら食べた。イアは夜の二十三時に別の話をすると言うのでみんなご飯の片付けや、急いでお風呂に入った。




